はたらくデザイン読本 vol.4
大阪
岸政彦さんの文章が好きだ。暮らしや生活に寄り添うシンプルな描写の連続が自分の感情や身体を揺さぶる。ドラマティックな物語はない。市井の人々の何気ない日々。この作品は岸政彦さんと柴崎友香さんの大阪ラプソディとでも言うべきか。大阪にそれほど思い出のないボクでもお二人と世代が近いからなのかシンクロする箇所がたくさんあった。大阪ってつくづく面白い街だと思う。
ボクはたまたま会社を経営していてスタッフを何十人も抱える立場になってしまって、微力ながらもみんなの生活支えている。そんなみんなの”くらすこと”や”はたらくこと”を想像するとき、なぜか岸政彦さんの文章を思い出す。ボク自身を含めた何気ない生活を支えること、成り立たせることの尊さ。経営という大きな言葉を語る大前提として大切にしたい。
岸政彦さんのこういう視座が好きだしボクもそうありたいなと思う。陰と陽、ポジとネガ、豊かさと貧しさ、自由と不自由。ボクを含めた経営者はよく「なんとかなるから大丈夫」って言い切ってしまう。でも「なんとかなる」の裏に「なんとかしてくれている人」がいることを忘れてはいけない。
たぶん岸政彦さんの本ってはたらくデザイン読本。
この本に浄土寺のKOFUKU book&daily storeで出会ったのも何か良いな。
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