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空を掴むような仕事

なんの個性もない、レトロでも、オシャレでもない喫茶店にいる。
なんやかんや昨日は楽しく酒を飲んだ。いいグルーヴだなと思いながら帰路につき、爆睡。目を覚まして木屋町のスタジオへ行く途中。そういえば昨日ビールばっかりで飯食うの忘れてたことを思い出す。そして、喫茶店で乾ききったミートソースパスタをすすっている。

仕事でちょくちょくグルーヴという単語が出る。
ものすごく当たり前に使っているが、わかりやすくいうと文化や空気のことだ。
それがあるものとないものがある。グルーヴはチームや小さい会社とかそういうものに宿る。そこから生まれたさまざまなプロダクトや出来事にも継承されていく。「断る酒はない」という名言であり生き様のような、いや言霊に近い、そんなことを出会ってからずっと言い続けてる仲間がいる。そう、これがグルーヴを生む。

どの仕事でもまずはそいつを捕まえにいく作業をする。それがうちのリサーチだ。あるかないか、なければそこを掘り下げて言葉に変えていく。伝えれるものにすることで空気は育つ。空気を読むなんていう難しい日本語があるが、浸透してる意味とは全然違う読み方を僕らはしている。

グルーヴの面白いところは伝播するし成長するところだ。
人が生み出すものではなく、人と人の間に波立つ。
波紋が広がるようにブワッと展開されていく。その一滴の言葉を作ったりする。

幽霊や亡霊を捕まえるような見えないものと対峙する仕事だよなと思いながら、でも人はそれを感じ取ることができるやばい生き物という圧倒的信頼もしている。だから、この仕事は面白いのだなと思う。

なんてことを考えていたら乾ききったミートソースパスタがサンプル商品みたいに固形化してきた。さて、今日も頑張るか。空を掴むような仕事に勤しむ。

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。