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腹八分目は難しい

腹八分目というのがいかに難しいか。
この人生において「よし八分目にしておこう」と控えめに食せた記憶はない。そこには圧倒的な人間の胆力が必要じゃないかと思うのだ。

猫に缶詰をあげる。もう缶を取る音を遠くから察知して小走りでくる。目がらんらんしているのがわかる。缶詰を与えた途端に一斉にガブガブ食べる。それをしゃがんで眺めると「飲み物?」ってくらい高速に消えていく。

ちょっと所用で地下室にものを取りに行く。
そんな僕を追い越してにゃにゃにゃと尻尾を太くしたうちの猫が先を急ぐ。どうしたのか焦っている。

地下室に到着すると床がゲロまみれ。
猫は吐く生き物だからって、お前それさっき食ったのノーバイトでそのまま出てるやん。しょうがないなーとささっと掃除をする。

人ですら難しい腹八分目を猫が出来るわけもなく。
床を掃除する僕の隣にちょこんと座って眺めている。
右往左往する手をにゃにゃと猫パンチしてくるが、遊んでへん!とおでこをぺシャリと叩かれて声もなくしょんぼりする。

今度は控えめに食えよと言うも、晩飯食いすぎてもたれた胃袋を感じて人のこと(猫のこと)言えないなと思う。優しく抱っこしてリビングまで猫を運んだ。

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。