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真夜中の来訪者

むくりと朝の4時に目が覚めた。夢の中で素晴らしいアイデアをひらめき、アイデアに叩き起こされた。起きているのは猫と僕だけ。デスクの暖房と小さなあかりだけをつけてぼーっとしている。起きたのに夢だけするりと抜けだした。

アイデアのピンポンダッシュみたいだなと一人でぶつくさ文句を言って、隣でふーんと眺める猫。この時間起きてる人はいるのだろうか。火曜日 AM4:18。

たまに眠れない夜がある。だいたいそれは何か思いつく予兆だ。これはいつ何時くるか分からず、脳みその中でナンタミンみたいなものが分泌されているのであろう。疲れも忘れて脳みそが真夜中の室外機みたいにブーンと音を立てて回っている。まぶたの上にだけ眠たさの置き土産をどっしりおいて、実際その奥の方ではキラッキラに脳みそが冴えている。

遠足の前に眠れない現象と一緒で何かにワクワクしている。その何かが分からないのが今夜である。まるで自分が二人いるように眠りに落ちた先で思いついてしまっていることがある。起きている僕が思いついてしまって眠れないのもある。人ってつくづくポンコツだ。体と脳みそを休ませたら良いのに「思いついてしまったが最後」ブゥン!と電源が入ってしまう壊れた機械のようだ。

寝静まっているだろう街を想像して、一人一人の夢の扉にピンポンダッシュしたい。真夜中に突如現れて、ゆらゆらとした時間を過ごす孤独な時間。日中、逆にこんな時間はないので諦めて、思考が飛ぶままに夜間飛行を決め込んでいる。これを読むときにはおはようかもしれない。おやよう、おやすみ、こんにちは。

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。