13年前の自分に

雨がパラパラ降り出した目黒駅前田舎そばで天ぷらうどんを啜っている。13年前の僕は今日と同じようにここでうどんを啜っていた。東京の街はどんどん変わって行くけれど、このボロボロの立ち食い蕎麦屋は変わらない。

色んな人にあったなぁとか、仕事の話や友人との会話を思い出す。今日みたいな自分をあの頃の僕は想像できてたのかな?わかんねーなーと思いながら、お店のおっちゃんとテレビを眺める。

本当あれから色んな出会いがあった。
死ぬかもなってときも色々あった。
あぁ、そうだ妻と初めてデートで待ち合わせしたのもここだった。赤い服着てたのを今でも思い出す。

うん、東京にいちゃダメだって気付いたのも目黒の地下から上がるエスカレーターだったな。仕事が忙しくて会社に戻る途中、ヨボヨボのおばあさんがエスカレーターの前にいて本当無意識に邪魔だなって思って2秒後ぐらいにそんな自分に驚いたんだった。

こんな人間が人を幸せにするアイデアをうめるわけないって、人生で一番自分を嫌悪した瞬間だった。25歳くらいだったかな。

そうだ、同期とよく一緒に行った安すぎて何の肉か不安な焼肉屋はまだあるのかなって見に行ったら案の定もうなくなってたよ。不味かったなぁ〜それでも空腹を満たすことの方が重要だったね。

もう多分この街にあの頃の大切な人たちはもういないんだけど、色んな思い出が蘇る。嬉しい思いも悔しい思いも期待も不安も何もかもここにあったな。
あぁ…でもひとつだけ、絶望だけは無かった。いつも誰かが背中をパンと叩いてくれた。

それで今俺ってここにいるんだな。
13年前の自分にあったらなんていわれんだろう。
髪伸びたね。タバコ一本ちょうだい。そんなとこか。
とりあえず今もワクワクできてるよ。あの頃のお前は間違ってなかった。ありがとう。

#日記 #エッセイ

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