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強さってなんだろう。弱さってなんだろう。

「知らない街に来てしまった」
そう言って息子とSMSのやりとりをする。もうメールだって余裕だ。
1月は全然一緒に遊べなかった。ごめんなと思いながらも日曜日の今日、前入りで東京に向かう。おやすみのメールが届いて東京と京都で親子のやりとり。他愛もないけど父ちゃんがたくさん元気をもらう。

結婚する前は一人でも生きていけるな、なんて思っていた。
妻と出会い家族ができて愛がなんたるかを知る。それまで何も知らなかったのだとおもった。東京の知らない街の寂れたホテルで感じる寂しさが愛とおなじ距離あるのだろう。ゆらゆらと煙るタバコの火を眺めてぼんやり思う。

恋人や子供や夫婦やペット、兄弟に姉妹、どれでもそうだけど、そこには愛情という不思議なものが流れている。いろんな事情があって、その愛情の川が尽きる人たちもいる。関西から東京へ向かう週末の新幹線は単身赴任のお父さんたちがたくさんいて、どこか寂しげに外を眺めている。流れる真っ暗な風景を見てるんじゃなくて、家族のこととかをみているのかもしれないな。

結婚する前の僕は失うもののない強さだったのかもしれない。
それに比べると家族ができた僕は弱くなったのかもしれない。ただしくは優しくなれたのだと思う。優しさの面でみると、結婚する前より強いのかもしれない。不思議だ。でも、尊敬する多くの人たちが優しくたくましい。あれは守るべきものがある強さだなと思う。結婚前の僕の強さとは違う別のもの。

若い時に感じた強さは弱いからこそ逆に見栄をはっていたのかもしれない。
意外とそれはもろいものだったのかもしれない。そんなことを知らない街のベットの上で考えている。

子供たちが少し歩けるようになった頃を思い出す。
手を繋ぐ、自分の手がとても優しいことに気づいた。
そんなこと、自分にできたんだっていう驚きがあったのを覚えている。
そういうことでしか知れない強さがあるなと思う。春の風みたいな強さがこの世界にはあるんだなと思う。

しっかり眠って明日の仕事もがんばろう。
遠い街で家族を想って、汗水だらそう。

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。