我が家の週末

休日もわりとすっと目がさめる。もう子供たちは起きてテレビを見ていた。
クリームパンをもぐもぐ食べてクレヨンしんちゃんを見ている。クリームパン、父ちゃんももらおうかと思ったら息子が高速でもぐもぐ食べ出してカスすら残らなかった。育ち盛りだ。

なんかいい卵が冷蔵庫にあったので昼ご飯はスペシャル卵かけご飯を子供たちに作った。作ったと言うか混ぜた。作り終えて、自分の分ない!と気付き、余り物を出してみる。端材のような野菜たちとハム。炒めて塩胡椒かけたら大抵美味くなるという妻の助言を思い出し炒めてみる。パスタの上にかけたら、食えるだろう、そう思っていた。

出来上がったのは炒まった草と、焦げかけたハム、そして茹ですぎたパスタ。
ふつう味のマリアージュ的なものが少なくとも勝手に起きるだろうと思っていたが、どの素材も自己主張の強い空き地のヤンキーの殴り合いみたな味がした。なんというか、混ぜていいものと悪いものがあるようだ。今回、主役級のものだけで構成したようなアベンジャーズみたいな状態だった。

自分の料理センスのなさに傷ついて僕も子供達もゴロゴロゲームタイム。
ゲーム好きの親の元に生まれると子供ももれなくゲーム好きだ。
父がワシントンの平和をどんぱち守っている間に、娘は可愛いキャラクターの村を作っていて、息子はサバイバルの生き残りをかけて真剣な戦いをしていた。
町内会議で疲れた妻は猫を引き連れて昼寝タイム。各々好きなようにが我が家の休日の過ごし方だ。

雨が降ったり止んだりしていた。
ザッと降ってすごい晴れて、それを何回か繰り返しているうちにやんわり睡魔が襲ってくる。妻と猫が眠る布団に潜り込んで1時間だけ昼寝をする。猫のお腹を撫でているとスッと夢の中。

パッと起きると妻と子供たちがお出かけの準備。
そうだ、今日は息子の部活の家族ぐるみの飲み会だった。同伴はお母さんだらけなのでいつもいかない。今日も家事担当で家に残る。
誰もいないね、とコタツの上に座る猫に話しかける。大きなあくびを返される。

晩飯なにすっか、とブラブラコンビニへ歩く。アスファルトは濡れていて車もまばら。なんだか大学生の時の誰もいなくなった夏休みみたいだ。僕はお金がなくて北海道に帰れなかった。というか使いすぎた自分が悪い。
コンビニの棚を眺めて、選択肢の多さに困る。あの夏休みではコンビニが高くて買えなくて100円ショップの食材コーナーを物色していた。大人になったな。どれだって買える。

適当な弁当を買って、家に着くと猫の鳴き声が聞こえる。
うちのココちゃんだ。一人ぼっちが嫌いな子だ。玄関なところで悲しそうにないている。ドアを開けるとぐるぐる言いながら足を練り回し、肩に乗り、そのままリビングへ運ぶ。前世、孤独だったのか。

それくれるの?という顔をした猫を目の前に晩飯を食べる。
僕はひとりで食事をするのが嫌いだ。お前と一緒だなとココちゃんを撫でる。
いつだって一人で食べるご飯は味がしない。前世何かあったのか。

洗濯物をたたみ、皿を洗って、ゴミを集める。
そうだ、火の用心係がうちだったと思い出し、カンカン鳴らして近所を歩く、家の裏を通るとまたうちの猫が寂しくて鳴いていた。そうだそうだ、ゴミ捨て場の係りもうちだった。青いネットを前日の夜に張っておくお仕事。ついでに集めたゴミも出しておく。

諸々の町内の役割を終え、日記を書いている。
膝には寂しくないていた猫がとぐろを巻いて眠っている。
平和だなぁ。早く帰ってこないかな。そうか、ココちゃんもいつもこんな風に思ってるのかもな。家族だなぁ。

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。