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氷と炎の歌 未刊行の新刊サンプル章 シオン その1(あらすじ)

海外ドラマ『ゲームオブスローンズ』の原作、ジョージ RR マーティン著の『氷と炎の歌』シリーズ読書会に参加しています。

前巻より10年たってもまだ刊行されず、ファンを狂気に追い詰めているシリーズ6作目『The Winds of Winter』ですが、著者のジョージ・RR・マーティンはいくつかサンプル章を発表しています。

前回「アレイン(サンサ)」を紹介したので、読書会ではやってないけど、勝手に好きなシオン章をご紹介します。

あらすじ

(もし間違っているところがあったらすみません)
シオンは塔の中、壁に吊るされている。
側ではスタニスがアイアンバンクのティコ・ネストリスにお金を借りる契約書に署名していた。
(モウトケイリン、バロウタウン、ウインターフェル、アベルと洗濯女たち、”鴉の餌”とアンバー家の者たち、雪の中の行軍、すべてはただ拷問者が別の人物に変わっただけだった...!)
思わず笑い声を立てる。

ティコに、今すぐブレーヴォスに戻るように指示するスタニス。
「ボルトン公がじき襲ってくるかもしれない」

シオンたちはウインターフェルの80フィート(約24メートル)ある外壁から飛び降りたが、幸いなことに下には40フィートの雪が積もっていた。
しかしジェインの上に落ちてしまい、彼女の肋骨が何本か折れた。
そこを”鴉の餌”アンバーたちに見つかり、助け出されたのだ。
ウインターフェルの料理人の名前は?鍛冶は?
質問をして、アリアが本物か見極めようとするアンバー。

アーノルフ・カースタークたちの陰謀がスタニスによって暴かれる。
一行といっしょに合流したドレッドフォート城のメイスター・タイボルトは、スタニス軍の居場所を記した地図を持たせた使い鴉たちを放った後だった。
スタニスのおどしに、メイスターはびびりすぎて思わず失禁。
「もしかしてお前はボルトン公に我々の居場所を知らせたのか?」
「へっ、陛下...私のメイスターの誓いはアーノルフ公の手紙の中身を明かすことを禁じております...」
「お前の誓いは膀胱より強いようだな」
「...陛下!ご理解いただかなくてはなりません...」
「私に理解しろだと!?」

ジャスティン・マッシーに、スタニスはティコ・ネストリスをブレーヴォスまで送り届けるよう命じる。
12頭の馬と6人の兵士を選べ。鉄の銀行からの貸付金を受け取り、エッソスで船と傭兵団を手配しろ。黄金兵団が望ましい。まずは雇えるだけの傭兵を見つけ、イーストウォッチ経由で送り出せ。
スタニスのそばで戦いたい、という願いも、アーシャと自分を結婚させるのが得策である、という提案も聞き入れられない。
レディ・アリアも連れていき、イーストウォッチ経由でスノウ総師に送り届けろ。真の王は借りを返すのだ。アリサン・モーモントも連れていけ。

「我々は戦いに負けるかもしれない...。ブレーヴォスで私が死んだと聞くかもしれない。それが真実である可能性さえある。
それでもお前はどんなことがあろうとも傭兵を見つけるのだ」
「...もし陛下が亡くなったら...」
「私の敵を討ち、娘を鉄の玉座につけろ。または道半ばで死ぬかだ」

スタニスはボルトン軍の規模、陣容を聞き出す。
シオンの見立てではボルトン軍は5千、6千。こちらに向かわせるのはその中の半分以下だろう。
ボルトン公はやみくもに雪の中に突っ込んでいくようなタイプではない。ウインターフェルの分厚い壁を信頼して、主力の戦力は待機させるだろう。
城は混みすぎていて、兵たちはお互いいがみ合っています。特にマンダリー家とフレイ家が。簡単に厄介払いできるこれらの兵たちを送り込むでしょう。

「ワイマン・マンダリー、太りすぎて馬に乗れない、とこちらに付くのを断りながら、ボルトン公を支持した。
私の玉ねぎ公を送ったのに、フレイ家を喜ばせるために虐殺し、その頭と手をホワイトハーバーの壁にさらしたのだ。レッドウエディングは忘れ去られてしまったのか?」

アーノルフ・カースタークとその息子、孫たちがやってきて、シオンがいるのを見て、自分たちの陰謀が知られていることに気づく。
スタニス「お前たちはもう死んだも同然だ。いま問題なのはどのような死に方をするかだ。告白すれば若き狼がカースターク公に与えたのと同じ、素早い終わりを与えよう。嘘をつけば、燃やされるだろう」
孫たちは反撃するがすぐ捕まり、カースターク家は拘束される。

ウインターフェルの城壁のすぐ外にいるモースアンバーたちは、フレイ家をおびき出すことに成功していた。穴をほり、雪のせいで視界が限られていたため気が付かず突撃、エニス・フレイは首の骨を折って死亡。ホスティーンは馬を失うだけで済んだ。

「あいつらを突撃させよう。敵は馬に乗っているが我々は歩きだ。かまわないこの地で戦おう」
高台でもない何もない地で!?とのシオンにスタニスは一言「何もない...まだ、な」

アシャと再会した時をい思い出す。
雪の中、ブレーヴォスの銀行家の手で『贈り物』として引き渡されたが、再会はクレイトン・サッグスが呼んだスタニス軍の仲間たちが来るまでの間、ほんの一瞬のことだった。

それでも十分すぎるほどだった。誰に対面しているか気が付いたときの、姉のあの視線が気に入らなかった。
瞳に浮かぶショック、声ににじむ哀れみ、嫌悪感にゆがむ唇。
かけ寄って抱きしめる代わりに、半歩下がった。
「あの私生児がお前にこんなことをしたの?」
「そんな風に呼んじゃだめだ!」
アシャにすべてを知らせようとした。リーク、ドレッドフォート、カイラと彼女の鍵、ラムジー公はこちらが懇願しないかぎり皮ふ以外は取らないことを。
あの少女を助けたこと、城壁から雪の上に跳ね降りたことを語った。
「おれたち飛んだんだ。アベルに歌にしてもらわなければ。俺たち飛んだんだ」

アベルが誰であるか、本当は洗濯女ではない女たちのことも、言わなければならないと分かっていた。
そこで、なんとも奇妙で支離滅裂に聞こえることに気づく。しかし言葉は止まらなかった。

「おれの名前はシオンだ。自分の名前を知らなければならない」
「あんた...おれにエスグレッドだって言ったけど...あれは嘘だった。あんたの名前はアシャだ」
「そうだね...」姉は答えた。あまりに優しく、シオンは姉が泣き出すのではないかと恐れた。

スタニスの前に連れ出されて、シオンの命乞いをするアシャ。
しかし処罰しなければ、味方の北部人は去っていく。シオンは死ななければならない、とスタニス。

「それでは陛下、ご自身で殺しなさい」
「ウイアウッドの木が生えているところに連れていき、その妖術の剣で頭を落としなさい。エダード・スタークがしたように。」
「弟はスターク公の息子たちを殺しました。彼をエダード公の神々に捧げなさい」

その時、突然鴉たちが鳴き出す。
「木!」
「木!木!木!」
「シオン!シオン!シオン!」
シオン・グレイジョイはニヤリとした。
「おれの名前を知ってるんだ」

気になるポイント、感想については次回の「その2」で~!







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