見出し画像

音楽で自分を知り、人を知り、世界を知る〜音楽〜習いごと#4

音楽の習いごとというと、ピアノ、バイオリンなどの楽器や、楽器を習う前の音感教育や、リズムに合わせて身体を動かして表現するリトミックというものが一般的です。

私も、そして私の子どもたちもそうですが、小学生になると、J-POPをはじめ様々な音楽を聴くようになります。また音楽を聴くと、リズムにのって踊りたくなったりもします。

音楽は文字通り「音」を「楽しむ」もので、何か奥深いものがありそうです。そして、音楽に親しみ、楽しみながら深く知っていくことで、人生が豊かになったり、学びや仕事においてインスピレーションを与えてくれたりするのではないかと思い、この本を紐解きました。

1、マサチューセッツ工科大学のカリキュラムには人文系・芸術科目も

マサチューセッツ工科大学(通称MIT)は、言わずと知れた科学技術者やエンジニアを生み出している世界最高峰の教育機関です。

工科大学という名の通り、科学・テクノロジー・工学・数学、いわゆるSTEM(Science,Technology,Engineering,and Mathmatics)を重視しているが、一方、人文学や芸術科目にも力を入れているのだそうです。

学長のラファエル・ライフ氏は

「水不足や食糧難、気候変動、デジタルラーニングなど世界の難題に立ち向かうには、科学や工学による新しい解決法が望まれています。しかし、こうした問題は文化、経済、政治に根ざしており、意味ある解決法にはそうした分野の叡智が反映されるべきです

また、音楽学科長・作曲家のキーリル・マカン先生は

「エンジニアたちは、創造的な問題解決法を編み出すために、人文学やアートの経験が役立つことに気づいています。それに、テクノロジーや科学技術の発達に伴う問題の多くは、人間性理解の欠如から来ています

技術革新が進むほど、人間理解が求められる。これは一見矛盾しているように見えるかもしれないが、MITの最新カリキュラムには明らかにこの考えが反映されている。

音楽で自分を知り、人を知り、世界を知ることができる
数式やコードを離れ、コンピュータ画面や機材からも離れ、音のみ身をゆだねるとき、音楽はなにを伝えてくるだろうか?また音楽を通して、あなたはどんな自分を表現するだろうか?

2、音楽に関わることで

音楽は、「多様性」と「普遍性」を内包しています。
歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏によれば、

歴史が統一性に向かうのか、多様性に向かうのかについて、数十年〜数百年単位で見ると判断は難しいが、数千年単位で見ると、歴史は確実に「統一」(普遍性)に向かって執拗に進み続けている。

新型コロナウィルスによる地球規模の騒動を考えると、グローバルな人間社会だけでなく、自然や動植物といった生態系全てを含めた「地球」そのものに、人々の意識は向かうことを余儀なくされているのかもしれない。
多様性を尊重しながらも、緩やかに意識の統一へ向かう道に入っているのだろうか。

そして、音楽は多様性そのものでありながら、人種や文化を超えた普遍性がある。例え文化形態やシステムが異なっても、人類共通に理解できる基盤がある。確かに見ず知らずの土地で民族音楽や民謡を聴いたり、民謡をベースにした西洋音楽を聴いたりするした時、なぜか懐かしい感情が呼び起こされ、自分の故郷を思い出すことがある。

違っていても、どこかでつながっている。多様でありながら、緩やかに共感できる。音楽はまさに、この有機的な世界を象徴しているようです。

3、未来を生きる世代に必要なこと〜直感の大切さ〜

昨今、各分野でパラダイムシフトが起きている。例えば医療分野であれば、「病気を治す」という対症療法から、「病気にかからない身体を作る」という予防医学への転換が提唱されている。また特に先進国での過度な二酸化炭素排出に警鐘が鳴らされ、持続可能なグリーンエネルギーへの代替や、二酸化炭素排出を軽減できる産業構造への転換が急務とされている。

このような「より大きな全体」に気づくにはどうしたらいいのだろうか。人間には、人や自然のわずかな変化に気づく優れた直感がある。全貌が見えなくとも、その一部から全体を類推するのだ。理論や法則というのは最初から存在しているわけではなく、それに気づく直感と、それを踏まえた仮説検証によって導き出されるものである。

まず誰かが現実と理論の際に気づき、新たな仮説を打ち立て、正確な測量と分析を行うことによって、次第に対象の実態が明らかになり、新たな仮説が真実となっていく。真実を突きとめたのは科学だが、そのきっかけをもらたしたのは、何よりもやはり、人間の直感ではなかっただろうか。

「音楽」や「アート」に親しむことで、秩序だっていないが多くのイメージや音の可能性を持つ「右脳」に「なぜ」という訴えかけるような問いをすることで、問題の原点に立ち返らせ、そもそも何が問題なのかをあらためて問う。そこから全体を見直していく。つまり大極的・複眼的視点が持てるようになる。

4、新しい音楽の習いごと

冒頭に記述したように、音楽の習いごとは楽器を習うことが定番です。楽器を習うことは、その道に進んでも、その道に進まなくても、必ず何らかの「.(ドット)」経験になり、役立ちます。

ですが、楽器を始めるタイミングだったり、楽器にも世界を見渡せば様々なものがあります。また楽器を持たなくても音楽は表現できます。

音楽を一生楽しめるような音楽の入口、そして楽器との出会い、そして音楽の探究ができる習いごとを作っていきたいです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?