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【第4回イベントレポート】老舗企業が挑むSDGs|貝印「ムダかどうかは、自分で決める。#剃るに自由を」の裏側(後編・オフライン交流会の様子)

こんにちは!Social Business Lab運営事務局です。

わたしたちは毎月1回、SDGsをはじめ、サステナビリティやジェンダー、ウェルビーイングといった社会的なテーマに関連するプロジェクトを、企業の中で担当する「人」たちとともに考え、学びを共有する勉強会を開催しています。

世の中に新たな考え方を提示するような「あのプロジェクトの裏側」を分析し、実際にそのプロジェクトを担当した関係者から具体的な取り組みについて共有していただくことで、うまく行ったことだけではなく、失敗や「もっとこうしたらよかった」といった視点、どのように社内を巻き込み、プロジェクトを形にしていったのか?など、プロセスから紐解くことで考え方を知り、それぞれの活動や日々の仕事に活かすことができる場を目指しています。

今回は、「#剃るに自由を」プロジェクトの担当者である貝印株式会社 マーケティング本部 広報宣伝部の齊藤 淳一さん、畑谷 友香さんをお迎えし、初めてのオフライン・オンライン同時開催された第4回勉強会のレポートの後編とイベント後に行われた交流会の様子をお届けします。
イベントレポート前編はこちらからご覧ください。

ー活動をスタートさせるためのヒント

畑谷さん
:わたしはSNS担当なので、本当にこの人は何を思っているのかっていうのを、どれだけ知れるものかなと考えながら日々リサーチしています。本音はちょっと分からなかったりもする。つぶやいていても、その先にあるものは何だろうっていう部分を毎日想像するようにしていたので、今回も傷つけない広告をつくる上で、そういったところが役に立ってきたかなと思います。

齊藤さん
:個人でやる社会活動と、組織でやる社会活動があると思うんですけど、組織でやる場合って、どうしても一人の声だけでは届かなかったりする。なので、一人の声からはじめて、外の声はSNSとか調査とかで拾いつつ、社内の声を集めてプレゼンするってすごい大事だなと思っています。別の企画ではあるのですが、社内アンケートを実施し、その結果をプレゼンに使ったこともあります。社内の仲間をいかにテクノロジーを使って集めるかみたいなところが、結構大事かなと思います。



最後には、会場にお越しの方からの質問をいただきました。

【参加者の方の質問】
先ほど、個人の社会活動と組織の社会活動はやっぱり違うところもあるとおっしゃったと思うんですけど、どうしても日本の国から思想的なものとか声を上げると、なんかあの人浮いてるとか、なんかやばい人間じゃないかみたいな、そういう目線で見られがちなところは見られないと思っていて。今回こういったインパクトのあるものを作るときに、何かしらポジション的に権力がないと前に進められない部分もあったんじゃないかなと思っています。
社長からGOODをもらう前のところでどういう工夫をされたとか、一番最初の巻き込み方みたいなところを教えてほしいです。

畑谷さん
:危険なやり方かもしれないですけど、ある程度形にしてからみんなに共有をしていきました。あと、実はこのプロジェクトを出す前に、EYESCREAMという雑誌で、この件に対する話があったんです。

齊藤さん
:わたしたちがインタビュアーとして取材をするという企画で、スタイリストの清水文太さん、Higher Magazineの編集長のharu.さん、そしてラッパーのアッコゴリラさんという社会活動もされている3人を対象にインタビューをさせていただきました。メディアに載せた紙面を社内のプレゼンに使ったりというのはありましたね。外での結果を持ち帰って社内で使うというのはあるかもしれないです。

ー「誰も傷つけない」ために、わたしたちにできること

「誰も絶対傷つけないなっていう自信があった」とおっしゃった畑谷さん。ソーシャルイシューを取り扱う同志であれば特にこの言葉の重みは伝わることだと思います。

インパクトのあるものを作ろうとすればするほど、誰かを傷つけてしまう可能性が大きくなる。社会の声を拾いあげ、そのニーズに応えながらも、「誰も傷つけないように」を合言葉にひとりひとりの声と真摯に向き合う、そんな貝印さんの姿勢にとても鼓舞された回でした。

🗒学びになった3つのポイント

◯社内制度を利用する
:既存の制度を利用すると社内のリアルな声がわかり、経営層なども巻き込みやすい。社内全体の声を集めながら、周りを巻き込む方法としてとても良い。

◯キーマンを設定し、味方に
:まずは管理職やリーダーなどターゲットを設定。シャドウボクシングを重ね、キーマンにどう安心を与えるかを工夫し攻略法を作る。

◯大切なのは想像力
:「炎上」と「議論」は異なるもの。「本音はわからないもの」という前提でリサーチする。その先にあるものを想像することは、「誰も傷つかない」ものを作る上で必要不可欠。

そして、今回のオフライン・オンライン同時開催では貝印さんをお迎えしたトークセッションの後、Social Business Labの初の試みとしてオフラインにてご参加いただいた来場者の方と交流会を開催しました。

ご参加いただいた皆さんには、ソーシャルアクションステータスやお悩み・話してみたいことなどを記入していただいた交流会カードを基にグループに分かれて自由にお話ししていただきました。ソーシャルアクションに既に取り組んでいる方、準備中の方、興味はあるけどまだ取り組んでいない方など参加者のステータスはさまざまでしたが、それぞれの視点から、お悩みやご自身の活動について共有していただきました。

同じ目標を持つ仲間同士の会話では学びや共通点が見つかることもあり、大盛り上がり…!時には笑い声も響き渡り、どのチームも和やかでもあり賑やかな雰囲気の交流会になりました。

交流会の最後ではチームを超え、自由に参加者同士でお話ししていただきました。
オフラインの開催は初めてでしたが、皆さんと社会的なイシューに取り組みたい気持ちや悩み、実際に必要だと思う視点などを交えてお話しし、新たな出会いや繋がりが生まれ参加者の皆さんと共に何か新しいプロジェクトが起きる予感も感じられるようなとても有意義な時間になりました!

まだビジネスとしてソーシャルアクションに取り組むにはさまざまな悩みや困難があるのが現状ですが、オフラインの交流会を開催することでより深い繋がりやSocial Business Labでは皆さんとともに社会の前進へ向け活動するコミュニティを目指しています。
ソーシャルアクションへ取り組む際、社内外での仲間づくりに悩んでいる方や仲間を増やしたい方、取り組みに関して相談したい、話してみたいという方も次回のオフライン開催の際にはぜひお気軽にご参加ください!

今後も皆さんとともに学ぶ時間を作っていきますので、ぜひTwitterをフォローの上、次回のイベントもチェックしてみてください!

https://twitter.com/_sbl2022

企画 / 編集:Creative Studio koko
ライティング:Ai Tomita
フォトグラファー:Kanae Fukumura