ベルマーレのフォワードに必要なものって何だろうって、少し前の時代から考えてみる。(チョウさん時代2017年編)

細々と続けております、こちらの連載記事↓↓↓

・2017シーズン(J2)
基本布陣:1-3-4-2-1(3トップ)


前の年のシーズン、奮闘は続けたものの、実力不足が尾を引いてチョウさん体制2度目のJ2降格を味わうこととなったベルマーレ。

これまでの感じでいけばチームの核ともいうべき選手をJ1の強豪チームに引き抜かれてしまうパターンがほとんどだったのだが、2016-2017シーズンにかけてステップアップを果たしたのは、

三竿雄斗(→鹿島アントラーズ)
菊池大介(→浦和レッズ)
大槻周平(→ヴィッセル神戸)

の3選手くらいなもので、1年を通して固定出来なかったゴールキーパーには秋元陽太をFC東京から呼び戻し、最終ラインには市立船橋高校から即戦力ルーキーの杉岡大暉が加入、ボランチの中心選手候補として柏レイソルから秋野央樹を招き入れ、前のシーズンで強度の足りなかったポジションに実力者を補強した。


前線の顔触れでいうと、残留組の山田直輝、ジネイ、藤田祥史、端戸仁、高山薫の5人に、名古屋グランパスから野田隆之介、愛媛FCから表原玄太の2人のアタッカーが移籍加入。
2015シーズンから2年間、他チームへ期限付き移籍していた宮市剛も呼び戻し、背番号7を背負った高卒2年目の神谷優太、ユースっ子の期待の星でもある齊藤未月の2人はボランチとシャドーを兼任する形で編成に加わった。

J2リーグ開幕からチームの前線を牽引したのは、山田直輝とジネイの2人だった。

加入3年目の山田は、前のシーズンの終盤から好調ぶりを随所でアピール出来ていて、持ち前のボール扱いの技術の高さ、意外性とアイデア溢れるプレーで攻撃をリードするだけでなく、相手にボールを持たれた際にもインテンシティの高いアプローチとプレスバックで存在感を確立した

前の年の夏にチームに加入したブラジル人フォワードのジネイは、最初こそ湘南スタイルの戦術に戸惑いを見せていたが、降格の決まった大宮アルディージャ戦で2得点を挙げたり、天皇杯のベスト16の試合の柏レイソルで追撃の同点ゴールを決めるなど、徐々に実力者としての質の違いを見せ始めていた

シャドーの位置で中盤と前線を繋ぐアイデアマンの役割を果たす山田直輝と、最前線で質の高いポストワークを行えるジネイの2人が居ることで、得点を取る流れは確実にスムーズになっていた。

また、中盤に配給能力に優れた秋野央樹、3バックの左右に本職のアタッカー顔負けの攻め上がりを見せる杉岡大暉と、最終ラインにコンバートした山根視来の3人が攻撃にも厚みをもたらし、2014シーズンとはまた違った攻守の高い質を誇るチームとなっていった。


4月上旬にはチームキャプテンであり湘南スタイルの象徴とも言える高山薫が膝の大怪我により長期の戦線離脱を余儀なくされ、5月下旬からは高山離脱後にキャプテンとして精力的な働きをしてくれた菊地俊介も脚の怪我で離脱。

開幕16試合でジネイと同じ5得点を記録していた菊地俊介は、怪我で離脱はしてしまったが、クロスであれセットプレーであれ、左右両足・頭と満遍なく得点が取れるフィニッシャーとしての才覚がプチ開花。
前年に膝の大怪我を負った影響もあったのだろうが、この年からの2年間は"ガラスのエース"として、チームの得点源になっていく。


両サイドとシャドーをこなす高山薫、ボランチとシャドーをこなす菊地俊介の不在は、石川俊輝、奈良輪雄太、石原広教、端戸仁、表原玄太、齊藤未月と言った選手たちを起用することによって、チーム力の底上げを図ることができた。

特に、石川俊輝、奈良輪雄太、端戸仁
この3人がチームに居たのがとてつもなく大きかった。

石川は秋野との息のあったボランチコンビを形成し、奈良輪は試合ごとにサイドが変わる難しい役割をこなし、端戸はシャドーに入って山田・ジネイの2人と巧みに絡み合うプレーを披露。

この年のベルマーレは爆発力には欠けるきらいがあったが、勝負所で得点が取れる・失点を許さないロースコアの展開で勝ち逃げできるチームに変貌していった。

結果的には、J2リーグ42試合で24勝11分け7敗、58得点36失点という成績でチョウさん体制2度目のJ2リーグ優勝を成し遂げることになるのだが、24勝中14勝が1点差勝ちの試合、という勝負強さを発揮したシーズンになった。
(この勝負強さが、翌シーズンのタイトル奪還への布石となる)

この年のチーム得点王は12得点を挙げたジネイ。

湘南ベルマーレの選手としては、2011年の田原豊以来となるハットトリックを記録するなど、前線での攻撃の起点となるだけでなく、多彩なゴールパターンでチームの稼ぎ頭としても活躍。

ジネイに次いだのは、8得点を挙げた菊地俊介。

脚の肉離れからの負傷離脱から復帰後はシャドーの位置で起用されることが多くなり、正確なシュート技術を駆使してフィニッシャーとしての顔も兼ね備えるようになった。

それに続いたのは、山田直輝が5得点と、アンドレバイアと秋野央樹が4得点、杉岡大暉・島村毅・岡本拓也が3得点というラインナップ。
どのポジションからでも満遍なく得点を狙いにいく湘南スタイル感が大いに溢れる得点ランキングとなった。

次は、歴史的な1年となった2018シーズン。
この連載記事もあと2回だ。笑


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