ベルマーレのフォワードに必要なものって何だろうって、少し前の時代から考えてみる。(チョウさん時代2016年編)

コロナウイルスが終息しそうにありませんねえ。

というわけで、前回からの続きを。

・2016シーズン(J1)
基本布陣:1-3-4-2-1(3トップ)


・シーズン突入前に起きたクラブ内騒動


前年の2015シーズンに湘南ベルマーレ、とクラブ名が変わってから、クラブ史上初めてのトップリーグ残留を達成したベルマーレ。

戦前の予想を覆して8位という順位でシーズンを終えたベルマーレではあったが、待っていたのは厳しい現実だった。
この年の冬に、当時の大倉智社長、田村雄三TD(テクニカル・ダイレクター)の2人がベルマーレを辞めて、福島県のいわきFCへと"移籍"するという想定外の事態が起きたのだ。

大倉社長は暗黒時代と呼ばれた2000年代中盤から強化部長として手腕を発揮しながらチームの抜本的な強化に大きく貢献し、ついにはベルマーレの社長にまで登りつめた。

田村雄三TDは現役引退後、フロントスタッフを経て、今の坂本紘司SD(スポーツ・ダイレクター)のように選手編成についての全てを担っていた人材だったので、資金が決して潤沢とはいえないベルマーレである程度は目に見える結果を残した組織の中枢人物が同じタイミングで2人も抜けたのは、クラブにとって痛かった。


さらに、J1リーグで8位フィニッシュを達成したチームのセンターラインで攻守の核となっていた永木亮太(→鹿島アントラーズ)、遠藤航(→浦和レッズ)、秋元陽太(→FC東京)の3人が揃って国内の強豪クラブへと移籍。
前年からの戦力ダウンは免れない状況に追い込まれてしまう。

・シーズンを通しての闘い


前線の編成はというと、前年からの残留組は大槻周平、高山薫、藤田祥史、キリノ、大竹洋平、山田直輝の6人に加え、横浜F・マリノスから端戸仁、ヴァンフォーレ甲府から下田北斗、青森山田高校から神谷優太らいったボール扱いに一際優れた選手たちが加わり、持ち前の走力に技術とアイデアを組み込んでいきたい狙いが透けてみえた。
(下田と神谷はシャドーだけでなく、ボランチを務めることもあった)


また、この年に副キャプテンに就任した大卒3年目の菊地俊介が膝の大怪我を負って長期の戦線離脱を余儀なくされるアクシデントが起こったが、当時スペインのチームから解雇されて無所属状態にあった元日本代表の長谷川アーリアジャスールを緊急補強する動きを見せる。


しかし、チーム始動前のゴタゴタが影響したのかはわからないが、公式戦が開幕してもなかなか結果が得られないベルマーレ。

2節の川崎、3節の広島戦は試合終盤までリードしていながらも、終了間際に追いつかれて勝ち点を落とし、4節からは5連敗を記録。

リーグ戦初白星は第9節までお預けとなり、11節からは3連敗。

1stステージ残り4試合で2勝2分けという成績で乗り切ったはいいものの、試合に勝ちきるチカラという点では前年から大きく見劣りしていた。


1stステージ17試合を4勝4分け9敗という形で折り返したベルマーレは、昨年のベルマーレ復帰以降調子の上がらないキリノ(→大分)、ジェフ千葉からボランチの中心選手として加入するもJ1リーグへの適応に苦しんでいたパウリーニョ(→松本山雅)の2人を他チームへ移籍させる決断をする。

その代わりに、韓国とタイでプレー経験のあるアタッカーのウェズレー、鹿島アントラーズから長身ポストワーカーのジネイ、2人のブラジル人フォワードを獲得する。

スピード感溢れる鋭いドリブル突破が武器のウェズレー、空中戦に強くポストプレーの巧いジネイの加入で前線がより活性化されるはずだったのだが、この時のチーム状態はというと、何をどう策を施しても上手くいかない、かえって自分たちの首を絞めてしまう負のスパイラルに陥っていた。


2ndステージの第3節鳥栖戦から第12節の福岡戦までの10試合、期間でいうと2ヶ月もの間チームは10連敗を喫していた。
特に、10連敗目となったアビスパ福岡戦で喰らったダメージは相当に大きかった。

チーム間の実力差の少なさが幸いして勝ち点差がそこまで離れていなかったぶん、なんとかして詰め寄りたかったはずなのに、最下位の福岡を相手に開始40秒でPKを与えて失点してしまうなど、福岡にシーズンダブルを達成されてしまうのも頷けてしまうチーム状態の悪さだった。


結局、第15節にアウェイで行われた大宮アルディージャ戦の2-3の敗北を持って、チームはJ2リーグへと降格。
最後の2試合は甲府、名古屋を相手に連勝を飾るも、後の祭りだった。
最終節、名古屋グランパスをJ2に引きずり込んだ山田直輝の出来がスーパーだったというのは、好材料ではあったけれども(笑)


リーグ戦34試合で30得点、チームトップスコアラーが4得点の端戸仁と高山薫だったというかなり寂しい結果に終わってしまったベルマーレ。
ジネイは大宮戦での2ゴールのみ、ウェズレーに至ってはリーグ戦ノーゴール、天皇杯ベスト8まで残っていたチームの活動が終わる前に帰国してしまった。


天皇杯はというと、ベスト16で柏レイソルを相手にジネイ、高山薫、大槻周平のゴールで3-1と快勝したものの、ベスト8の大宮アルディージャ戦では退場者を出しながらも菊地俊介の同点ゴールがあり、延長戦に突入してからは藤田祥史の逆転ゴールでリードはしたが、結局2-4で敗れて2016シーズンが終了。

2シーズン連続でのJ1リーグ残留を果たすことが出来なかったベルマーレ。
すぐにまたトップリーグに返り咲く為に、色々とやり直しを図るのであります(笑)

残すところあと3回!
連載記事をやり遂げることは出来るのか⁉︎笑

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