デザインを考える 経営経済学者が考えるデザイン:はじめに

noteを開始して1年以上になりました。
これまで、主に経営、マーケティング、論理的思考をテーマに、記事を書いてきましたが、新たに「デザイン」について記事を書くことにしました。

・デザインとの出会い
プロフィールをご覧になった方はおわかりかと思いますが、僕は元々、経営学、交通経済学を専門として、大学で教える研究者でしたから、デザインは全く接点がありません。
大学勤務時代、出入りの印刷会社の方とは、色々お付き合いがありました。紀要論文、ポスター、印刷物など、発注の手配などをしていても、デザインについては全く知りませんでした。

デザインの丸投げやギリギリ入稿、後から変更などなど、、、上からの要望とはいえ、今思えば最悪の担当者でした。(笑)

その後、あるご縁から、街づくりのマスタープラン委員になりました。
ここの中心は、建築デザインの先生(研究者)で、経済的な側面から招いて頂き、ブランディング委員会を立ち上げました。この委員会では、折しも最初の愛知トリエンナーレ開催と関わり、デザインやアートの方々と関わることとなりました。

大学に勤務して10年、大学環境が急激に変わる中で、まだ30代後半の僕は、ストレスの極地に達しました。多くの学生さんに迷惑をかけましたが、体を壊し、大学を辞することになりました。

それなりには余裕もあったので、次の身の振り方を考えていたときです。次の大学の話はありましたが、内情を聞くと、同じ轍を踏みそうなので、躊躇していました。

何人かの知人から、会社のサポートを依頼されていた頃、とある縁から、デザイン会社と関わり、仕事をすることになりました。その縁から、CDA(中部デザイン協会)の会員になり、本格的にデザインの世界と関わるようになりました。

この会には、様々な分野の、ベテランのデザイナーさんが所属しており、毛色の違う研究者である僕は、すぐに多くの方に可愛がって頂けました。

CDAの会員になって半年後には、委員会に招いて頂き、外部の企業向けの、デザインセミナーの委員を務めることになりました。デザインという、プロ集団の中では、完全に素人ですが、僕の専門分野から協力させて頂きました。
実はこの頃、デザインの勉強をしたいと思い、いくつかの芸大などの、通信講座の資料を集めていました。しかし様々な分野の、大ベテランの方から、デザインの考え方を教わるうちに、芸大での勉強計画を中断しました。
なぜなら、僕にデザインの考え方を教えてくださる方々は、芸大で教鞭をとられている方もおり、実務の経歴も豊富です。このような方々が、常に質問に答えて下さるのですから、これ以上の場はありません。

・デザインの本流へ
そんなことをしているうちに、気がつけばデザインの世界の方々と多くの親交を持つようになり、意見を述べるようになりました。また、商工会議所が主催し、会が講師を派遣するデザインセミナーで、講師を務めることにもなります。気がつけば、どっぷりとデザインの世界と関わり、デザイン学会の会員にもなりました。
僕が元々所属していた、経営学、商学系の学会と、デザイン学会の会員名簿を見て、本来これらの分野が、密接に関わるべきと考えながら、両者の学会に参加している人が、ほとんどいないことに気づき、研究者として、自分の使命を感じました。

そしてこの後、デザインの学校で、講師として招いて頂きました。

デザインの学校では、ロジカルシンキング(1年次)と、マーケティング(2年次)を担当しています。
勿論、デザインについては素人ですが、「デザインの考え方は理解している」と、評価していただきました。またデザインには、「プランニング」と「スタイリング」の2つの側面があります。「デザインとは問題解決の方法」という視点から考えれば、「プランニング」がデザインの戦略、「スタイリング」がデザインの戦術ということになります。
こうした考え方からも、多くの方から「デザイナー」として、認めて頂きました。


自己紹介のようになりましたが、ここで記した僕の経験は、かなり稀有なものだと思います。またその一方で、デザインを学ぶほと、様々な疑問が浮かび上がります。

こうした思索や考察を5年ほど続け、僕はやっと、「デザイン」を名乗る自信というか、考え方において、権利を得たように思えました。
また現在、デザインの勉強をしながら、様々な示唆をくれる友人、彼は大学で教えながら、デザイン実務(建築、プロダクト、グラフィックなどなど)をこなす方から、僕のデザインについての勉強に、一定の評価を頂いたので、このテーマで記事を書くことにしました。

もしかしたら、デザイナーさんから見ると、思わぬ発言も出るかもしれません。しかしこれからの社会の在り方と役割を示すことができればと思います。

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