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AI時代における新たな価値観と狭視野化の恐怖

1.概要

 AI時代に突入し、既に急速な技術の陳腐化が始まっています。
 昨日書いた原稿が、今日には古くなる。そういう時代に突入し、それは全ての業種に波及すると見ています。 

 いずれ人々は技術への理解が追い付かず、受動的にただAIが薦める技術のみを使用する。そういう時代が遠からず訪れるでしょう。

 根幹技術を理解する前に発展技術が登場し、それが超高速化していくので、専門家ですら置いてけぼりになり、技術理解の空洞化が発生すると考えられます。要するに誰も理解できないけど動いている技術というのが次第に当たり前となってしまうのです。

 ラマヌジャンという偉大な数学者がいます。彼は1920年に32歳の若さでこの世を去りますがその短い生涯の間に、数千もの結果を残しました。

ラマヌジャンはその短い生涯の間に、独自に3,900近くの結果(ほとんどが恒等式方程式)をまとめあげた[12]ラマヌジャン素数ラマヌジャンθ関数分割式模擬θ関数など、彼の独創的で非常に型破りな結果は、全く新しい分野を開拓し、膨大な量の研究を促すことになった。彼の何千もの結果のうち、1, 2ダース分を除いて、すべてが正しいことが現在証明されている

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%83%8B%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%8C%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3

しかし、それらの発見や結果の証明は1世紀経った現在でも完全ではありません。

その後、多くの数学者の協力により、彼が26歳までに発見した定理に関して証明が行われた。その作業が完了したのは1997年であり、「ノートブック」と「失われたノートブック」の全文が出版完了したのは2018年である。ラマヌジャンの死後1世紀近く経った現在も、彼の著作の中にある「単純な性質」や「類似した結果」というコメント自体が、疑われていなかった深遠かつ微妙な整数論の結果であることが、研究者たちによって発見され続けている[15][16]

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%83%8B%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%8C%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3

 こういう結果だけは正しいけれど、何故それが正しいのか証明できない。理解できないという現象が今後当たり前になると見ています。


 結果として、AIに言われるがまま薦められた技術を利用し、ファクトチェックもAIに主体になるという時代が到来する可能性がもう見えているのです。

2.AIは人を狭視野化させる


 既に私たちはアルゴリズムによって狭視野化させられています。

 パーソナライズ検索という言葉をご存じでしょうか?
 Googleなどの検索結果は、その人が検索した過去の履歴やクリックしたサイトの傾向などから推測され、表示順序が変わるというシステムです。現在ではその影響力は低く設定されている為、そこまで露骨に変わるということはなくなっているようです。

 しかしTwitterアルゴリズムなどもそうですが、より興味のありそうなTweetを表示し、無関係のものは出づらくしたりという要素は全てのWEBサービスに共通して存在している部分です。

 何故ならばそうしたほうがインプレッションがあがり、広告の効果が高まるからです。
 こういう『フィルターバブル』や『エコーチェンバー現象』は私たちに快適な空間を提供します。
 周囲にはYESマンが多く、否定的な人間は次第に排除されるシステムになっているからです。しかしそれは極めて世界観を狭める要因となります。

エコーチェンバー現象(エコーチェンバーげんしょう/反響室現象、: echo chamber)とは、自分と似た意見や思想を持った人々が集まる場(電子掲示板SNSなど)にて、自分の意見や思想が肯定されることで、それらが正解であるかのごとく勘違いする[1]、又は価値観の似た者同士で交流・共感し合うことにより、特定の意見や思想が増幅する現象[2]。閉鎖空間で似た者同士で意見をSNSで発信すると自分と似た意見が返ってきて増幅していく状況を、閉じた小部屋で音が反響する物理現象から例えたものである[3]総務省は「人間の傾向」と「ネットメディアの特性」の相互作用による現象として、「エコーチェンバー」と「フィルターバブル」を挙げている[4]エコーチェンバー化(エコーチェンバーか)[5]、またはエコーチェンバー効果(エコーチェンバーこうか、: echo-chamber effect[6])とも言う[7]

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%BC%E7%8F%BE%E8%B1%A1

 ではAIが本格的に人をサポートする時代。
 AIは利用者にとってネガティブな情報を与えるでしょうか? それともポジティブな情報を与えるでしょうか?

 勿論、基本的にはポジティブな要素を表示させたり、その人が快適になるようなロジックでサポートする筈です。そうしないと他のサポートAIに乗り換えられてしまいますからね。

 今でこそ検索履歴、コメント、クリックパターン等で分類されていますが、いずれサポートAIが個々にチューニングされれば、より深く深く、その人格を理解し、本人すら気づいていない性癖や思想を見抜いて、それに対応した広告や情報を提供する可能性が考えられます。
 しかもその広告はその人の思考や趣味を理解して、生成される画像や動画、声すらも個人に合わせ、最適なものを使って宣伝するようになるでしょう。既にGoogleは生成AIによる広告ビジネス展開を決定しています。

該当のランディングページ(LP)を入力するだけでGoogle AIがページを要約し、キャンペーンと関連性が高く効果的なキーワード、広告見出し、説明文、画像などのアセットを生成する。効果を向上させる方法をチャットで相談することも可能。

https://webtan.impress.co.jp/n/2023/05/25/44924


 結果的に人々はより好きなものを、より手軽に、より便利に購入することができるようになります。
 少なくとも表面上は、そう思わせる広告が出るわけです。

 見える世界から嫌なノイズは除去され、全てが好みのものが中心で構成される素晴らしい世界が遠からず訪れる。
 なんて素敵な未来。
 しかしそこには新たな視点はありません。
 仮に飽きて別の方向へ行ったとしてもそれに追従して素晴らしい世界がまた広がります、素敵ですね。
 でもそこにはあなたの常識を根底から揺さぶる、知を高めるコンテンツは表示されません。

 何故ならば、あなたに高確率でアプローチできる手段があるならば、それ以外を排除したほうが集客効率がいいのです。

 Googleは貴方以上に貴方を知っているという言葉を見たことがあります。
 2019年、Gmailで受信したショッピング履歴が自動でリスト化されていることが発覚し問題となりました。
 今では自分で設定しない限りは切れているようですが、私もニュースを見て、チェックした結果、アカウント作成当時からの購買履歴が細かく並んでいるのを見てゾワッとした経験があります。

 いずれAIの情報収集はそういう方向に舵を切るでしょう。
 利便性を求め、広告収入の仕組みを考えるとそうならざるを得ないのです。そして人々は見たいものだけが見れる世界を現実だと捉え、陶酔することになるのです。

3.全ては虚像である



『私たちの地球は広大な宇宙の中で現在確認されている限り唯一生命がいる星です。美しい緑は他の星にはない貴重なものです。私たちはこの自然を守らなくてはなりません』

 上記の文章に論理的違和感を覚えた人はどれだけいるでしょうか?
 これは論理的に考えればかなり問題がある文章だと私は思います。

 それは自然の定義があまりにも杜撰だからです。
 こう考えてみてください。
 広大な宇宙の中で、剝き出しの大地がある星、恒星、ガス惑星。それらが当たり前の世界。何万何億の星が観測されている中で、未だ植物も含め、生命がいる星は発見できていません。

 ではそのイレギュラーたる緑がある星は『自然ですか?』
 生命の存在しない星のほうが『自然ではないですか?』


 事実、植物性プランクトンや植物が生成した酸素は当初多くの生命には猛毒でした。そして未だ酸素は毒なのです。
 即ち、大気汚染を始めて起こしたのは植物であり、人間ではありません。
 そして植物は地上に進出し、根を張り、どんどん世界を変えていきました。そしてその汚染された老廃物は土となり、堆積しました。
 つまり環境破壊を最初に発生させたのも植物であり人間ではありません

 人間の環境破壊に地球が怒っているという方がいます。
 ただ、他の星と同じでありたいならば、植物を破壊してくれる人間は地球にとって良き掃除屋の可能性もあります。

 人間は戦争する愚かな生き物という人がいます。

 しかしアレロパシーや植生遷移を知ると、植物も常に戦争していることが分かります。緑と赤や黄色の色とりどりに紅葉した森は、血で血を洗う戦争の最中です。
 例えば河川でよく見かけるセイタカアワダチソウはアレロパシー特性を持ち根から除草剤のような化学物質を周囲にばら撒きます。 

アレロパシーを有しており、根から周囲の植物の成長を抑制する化学物質を出す。これはcis-DME(シス-デヒドロマトリカリエステル[21][22]、methyl dec-2-en-4,6,8-triynoate)という名称で知られ、アルケン及びアルキンカルボン酸エステルである。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%82%A2%E3%83%AF%E3%83%80%E3%83%81%E3%82%BD%E3%82%A6

 植生遷移は苔などの地衣類から次第に草、低木林、陽樹林、陰樹林と変化していく森の変化の流れを指します。
 松などの針葉樹林帯が寒い地域に多いのは人の手が加わらない環境だと争いに負けて、落葉広葉樹に駆逐される一方、寒い地域だと葉っぱの面積などで強みがあり、生き残れるためです。

 木は太陽光を独占する為により枝葉を伸ばし限界まで、太陽光を遮ることで他の植物の生育を阻害します。
 植物の世界では露骨に『太陽光』という富の格差が発生しているのです。
 生き残り巨大化した木は、中身が腐り、倒れるまで太陽光の独占を辞めません。植物は他の植物に一切の優しさなどありません。
 少なくとも他者を思いやれる人が一定いる人間は、生命の中では比較的温厚な部類です。


 また農薬のリスクなどを言う方。
 農薬は様々な試験をし、一定レベルの安全性を担保していますが、自然毒はこの限りではないことを忘れています。
 虫に効くなら人間にだって、という言葉を耳にしますが、下記を知ればどうでも良くなります。

 ほうれん草やサトイモに含まれるシュウ酸カルシウムは毒物及び劇物取締法により劇物に指定されています。
 チョコレートに含まれるテオブロミンは大半の動物には毒であり、小型犬ならば50 g程度でも最悪死に至る危険があります。アメリカでは安く熊を駆除する餌としてチョコレートが使用され問題視されていて、熊をも殺せる毒性を持っています。
 アボカドに含まれるペルシンは鳥類や小動物には猛毒で、加熱調理した時の揮発したものでも最悪死亡させる危険があります。

 虫より脊椎動物に効く植物毒のほうが怖くないですか?

 そもそも初期の合成農薬で、今では先進国では禁止されているDDTやBHCを利用し始めてから、平均寿命は爆発的に伸びており、乳幼児の死亡率低下を含まない健康寿命でも明らかに伸びているわけです。
 今の90~70代はそれらを一番摂取していた時期にも関わらず、超高齢化社会の要因になっています。
 因みに日本の発癌率・癌死亡率は年齢調整すると先進国屈指に低いです。
 日本の癌患者数は高齢化率に伴うもので、同じ年齢比較だと先進国でも低い位置にあります。なおオーガニック先進国のフランスは先進国の中でワースト常連です。

 要するに世の中の話は大半適当です。
 虚像なのです。

 しかしAIが見せる虚像はこの比ではなくなっていくでしょう。
 

4.創作者と人は疑うこそが最大の価値


 ではこの虚像にあらがう為に、AI時代の我々は何をすべきでしょうか?
 何が必要でしょうか。
 私はこう考えます。
 AIに当面できず、人にできることの一つは疑うことだ、と
 すなわち疑問を呈することです。

 創作系、特に物書きが捻くれてるのは疑うことが創作の重要な要素だからです。あれってこう考えたらこう解釈できないかな。あれはこういう意図とも読める。そういう別角度からの解釈や、既存の概念を打ち砕く新しい概念は疑い、考え、調べ、独自で構築することからなります。

 しかし、今後はそういった思考ロジックを創作系のみならず、一般人でも持つ必要があると考えています。
 AIに頼るとしても、まず質問し、それが正しいかどうか、様々な手段で更なる疑問を投げかけ、裏付けを行ったり、新しい答えや情報を得る。
 そういう行為とロジックが、全ての人に求められる時代に移り変わろうとしています。

 何故ならAIは正解を言わないからです。

 というより世の中には正解なんて限りなく少なく、大概は考え方の違い・思想でしかないので、最低限の質問で回答を求めると大衆向けの返答を返すか、その人が満足しそうな答えを出力するように調整される可能性が高いと考えられます。

 そもそも機械学習のデータセットが大衆からのデータである以上、それは仕方のないことです。
 最初から尖った反論的意見は出せません。
 なのでそれはどうしてそういう解釈なのか。
 別の意見はないのか。
 例えばこれとこれはどう整合性が取れているのか。
 仮に別の考えがあるとしたらどういう可能性があるのか。
 そういう疑問を投げかけ、出力を繰り返さなければ、
 ただAIの出力に従うだけの存在に成り下がります。

 それは最終的に人間性の欠落に繋がりかねません。
 操縦士AI、機体としての人となってしまうからです。

 
 ユヴァル・ハラリ氏も言葉で人をAIが操る可能性を指摘しているようです。※上記Tweet参照。
 信じられないと思いますか?

 そういう方はソーシャルエンジニアリングアクティブメンタルコントロールで調べてください。
 営業畑ならイエスセット話法やノーセット話法を耳にしたことはあるでしょう。これらは神経言語プログラミング(NLP)と呼ばれる源流があり、催眠術とも関係しています。
 私は学生時代、これらを調べたことがあり、仕組みも最低限は理解しているので十分ありうると考えています。 

 だから疑問を呈し、自分の意見をAIに伝えて、自己主体で使っていけるような思考を持たなければならない時代に突入したと考えています。


 本来であれば生命の存在しない星のほうが『自然ではないですか?』

 前述のこれは私が学生時代に思考し、核となっている思想の1つです。
 ここまで一度飛びぬけて考えるとかなり俯瞰的に物事を見えるようになります。
 そうは言っても疑い続けるのはストレスです。
 人は信じたい生き物ですし、判断基準を設けないと自己同一性が保てなくなります。
 芯としてこのラインを正解とし、妥協するラインを決める必要があります。
 なにせ、何処まで掘っても世界は丸ごと虚像なのですから。

 そういう時、私は三つの軸で物事を判断します。
 一つは歴史的観点。
 一つは自然科学、特に生物学と地理学からの観点。
 一つは経済学観点。

 また時々心理学からも判断します。
 ただそれは長年の蓄積による思考ロジックなので、即座に実行するのは難しいと思います。
 私からのアドバイスとしては最低限、基本ベースとなる自身の考えを再度見据え、主軸として据えて、プラスで別視点として地政学を学んでおくと良いでしょう。

 地政学は地理学・経済学・政治学・歴史学の要素を強く含むので、視野が格段に広くなります。世界的視野になるのでお勧めです。

 地政学の入門として、雑学的でかなりとっつきやすいYoutubeのチャンネルを紹介いたします。
 1つ目は社會部部長
文明の発展に「気温」は関係あるのか?
なぜ日本と西欧だけが繁栄したのか?【文明の生態史観】
チンギスハンが地球の気温を下げた話
 このあたりが特に面白いです。

 2つ目はゆっくり動画で好みは分かれますが
  地理の雑学ゆっくり解説
 
ライトめで雑学としても面白いです。少し私と意見が異なる考察も見受けられますが入門としては良いと思います。 

 3つ目もゆっくり動画で屋村要
 ほぼ淡々と喋るだけですからダメな方も多いとは思いますが視点の転換を生み出す刺激としては良質です。
 ただ最近の動画は色々悲観的過ぎて真に受けると病みます。
 オススメは、
世界物流についての雑談
ヨーロッパの地政学を分かりやすく話してみた』あたり。


 さて、かなりAI、特に生成AIユーザーには無縁に感じる記事になってしまいましたが、今後の世界で生き残るには必要な考え方だと思います。

 AIに使われるのではなく、少しでも使い続ける側である時間を引き延ばす為に。常に疑問を持ちましょう。

 様々な物事の裏や過去にどういう流れがあったのか。
 今どうしてそれがあるのか。そして未来どうなるのか。
 それが次の世界へつながる思考だと私は信じています。

5.最後に


 さて、最後に一般的な誤解を打開する情報を1つ。

 アメリカ合衆国労働省労働統計局(BLS)が発表したデータによれば、
 2022年5月の民間フルタイム労働者の時給中央値は$21.42
 時給平均値は$29.38。年収平均値は$61,110
 この年収平均値は平均時給×2080時間換算であることがサイトの下部に記載されています。

(2) Annual wages have been calculated by multiplying the hourly mean wage by a "year-round, full-time" hours figure of 2,080 hours; for those occupations where there is not an hourly wage published, the annual wage has been directly calculated from the reported survey data.

https://www.bls.gov/oes/current/000001.htm

 つまり時給中央値×2080時間=年収中央値なわけです。
 算出した$44553.62021年の平均為替レート109.7543円を乗算。
 4,889,949円。約489万円です。
 では2022年の平均為替レート133.3340円もかけましょう。
 5,940,509円。約594万円です。

 正直、後者の為替レートはここ数年では異常値なので、アメリカ国民の体感的な数値は489万円で見た方が妥当だと思われます。
 因みにこの数字はこれにはボーナスが含まれていますし、先ほども記述した通り、時給×2080時間換算です。
 要するに完全週休二日制・祝日無し換算での年収中央値です。
 普通はもっと休みが多いですから、本来の数値はもっと下な筈です。
 なおアメリカは交通費を支給しない文化で、退職金を採用している企業が少ない点も留意してください。

 どうでしょうか?
 想像より低いと思いませんか?
 本来なら日本のフルタイム労働者の年収中央値も併せて述べるべきですが、それを詳しく説明すると本格にそれの解説記事になるため、今回は割愛します。
 特に2021年の為替で見た年収の中央値は物価高のアメリカでは相当苦しい金額に思えます。
 為替はあくまで日本側からの視点で、アメリカ国民からすれば、為替変動で給料が増える訳ではないのですから。

 さて、このデータを見て不思議に思いませんか?
 日本は間違いなく30年間、賃金上昇の停滞を経験しています。
 しかし2021年までは日本とアメリカの年収中央値に大差はなかったのです。30年間停滞していた日本と年収中央値に大差ないアメリカ。
 実は2021年までは他のG7の国の中央値もそこまで開きはなく、一番上はドイツ、最下位はイタリアで、日本はカナダやイギリスと同等。そして、フランスより上に位置していました。
 30年停滞していたのに何故でしょうか?

 私は経済の専門家ではないのですし、そういう記事でもないので言及は避けますが、バブル経済を今一度振り返ると見えてくる世界があります。
 日本の賃金が上がっていないのは事実です。しかしながら、30年間停滞していてもそれを追い越せない先進国が存在するというのもまた事実なのです。その意味を、少し考えてみると新たな視点が開けるやも知れません。

 繰り返しになりますが、世の中の話は大半適当です。
 ほぼプロパガンダで虚像です。

 これまでは、情報を鵜呑みにして生きていても、直接的に影響を受ける要素は比較的少ない時代でした。しかし、これは今後変わっていくことでしょう。
 AIが貴方の思考や好みの声に合わせて最適な情報を提供し、時に操ろうとする。虚像であっても最終的には自己選択だった時代から、疑い、自己主体性を持たなければAIの機体になり下がる可能性がある。
 それがAI時代なのです。
 


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