ポケモンカード~本当にあった怖い話~
はじめに
これは僕の友達の友達のタカシくん(仮名)が本当に体験した出来事です
あらかじめお断りしておきますが、この話を読まれたことでその後何が起きても補償しかねます。
*自己責任の下で読んで下さい。
*保証、責任は一切持ちません。
さて、始めましょう
本文
タカシくんは京都CLで初めて大型大会に出ようと思っていました。
そのため、モチベーションはMAXでした。僕はよく彼と会っていたのですが、一緒にラーメン屋に行った時もラーメンが出来るまで一人回ししてましたし、授業中も一人回しをしているほどの熱量を持ってました。
しかし、当然一人回しじゃ限界があります。彼は学校をさぼり大会やポケセンフリーバトルに頻繁に潜るようになったのです……
しかし、家に帰ってからの時間や深夜、早朝当然人とポケモンカードが出来ない時間があります。彼はそれを嘆いていました。なので私はあるものを教えました。いや、教えてしまったという方が正しいでしょう。
それがSkypeポケカです。
皆さんはSkypeポケカをやったことがあるでしょうか?
やったことがなくても募集のツイートを見た事がある人も多いと思います。
見ず知らずの人とポケカバトルができるskypeポケカは自分の身の回りの人達が使ってないデッキと当たって訓練になったり、カドショがやってない時間でもバトルが出来ます。
さて、彼ですが私が教えてあげたその日のうちにもうskypeポケカを始めたようで反応は上々でした。
良いものを教えてくれてありがとう。これはお礼だよとカプレヒレのURをくれました。
こういうところが憎めない奴なのです。
さて、話を戻します。
京都CL前の火曜日のことです。私は彼と三限をサボって秋葉原のカードショップの大会に出ようと約束をしていました。
しかし、約束の時間になっても彼は現れませんでした。
仕方なく、一人でショップの大会に行き帰り道に彼に遭遇しました。
「すまん~昨日徹夜でSkypeポケカしててさ、ラプラスデッキと格闘してたんだよ」
彼は悪びれもせず言いました。僕は友情よりもSkypeを優先されたことにキレかけましたが、こちらがSkypeを教えた手前怒れませんでした。
さて、水曜日
タカシくんは学校に来ませんでした。そして行きつけのカードショップにも
僕はあまりにも心配になったので電話しました。するとタカシくんの間抜けそうな声が聞こえました。
「ごめーん徹夜でSkypeポケカしてたー。」
「skypeって……お前ね。誰とやってんだよ」
「この前のラプラスの人、ラプラスデッキ使ってて楽しいんだぜ~」
「ラプラスデッキって環境にいないじゃん。調整したいならさ、ピカゼクとかサナニンフとかレシリザとかもっとあるだろう」
そこで電話はぷっつり切れました。
明らかに異常事態です。その日はバイトがあったので僕は翌日彼の家に遊びに行きました。
彼の家で見たもの
彼の家に着くと鍵は空いていました。
「大丈夫かー」
声かけながら部屋に入るとまず悪臭が鼻につきます。綺麗好きな彼からしたらありえないことです。
彼は奥の部屋でskypeポケカをしていました。
「おい、タカシしっかりしろ」
掴みかかるとタカシは一度こちらを見て、またポケカを始めました。
その顔を見て私はぎょっとしました。彼の顔は本当にやつれていたからです。恐らくこの数日間一睡もしてないし、食事もほとんど取ってなかったのでしょう。
画面を覗くと対戦相手はラプラスのスターターデッキを使っていました。明らかに異常です。こんなんで調整になるわけがありません。
彼は試合を終えた後、私に言いました。
「別にこの人はおかしい所は一つもないよ。気になるならお前も対戦すればいいじゃん」
彼の甘言に乗っかって、僕もその男とSkypeポケカをすることにしました。
GXスターターデッキ水と環境トップのライライピカゼク
試合は一瞬で終わりましたが、不思議なことにその時私の心をある感情が支配しました。
それは楽しさです。
「あれ、楽しい」
「だろー分かってくれて嬉しいよ~」
その時、僕は彼のことをそして対戦相手のことを誤解してたんだなと思いました。おかしなことは何もない、と。
タカシくんは別の部屋に行き、僕はラプラス使いともう一度対戦をすることしました。
そしてそんなとき、僕は試合のさながら強烈な尿意を催したので一度試合を中断し、トイレに行くことにしました。
そして、トイレから戻るとき別の部屋の方からタカシの声が聞こえました。ドアを開けるとそこではタカシがskype対戦をしていました。
「おーやってんじゃん」
しかし、タカシの画面を覗き込んだ僕は驚愕しました。彼はこの前のラプラスデッキ使いと対戦をしていたのです。
「あ……」
それを見たタカシくんは僕に言いました。自分は今Skypeポケカをしているから邪魔しないで欲しい、30分近く続いたバトルが大詰めなのだと
その声を聞き、僕は正気に戻りました。タカシくんを無理やり引っ張って外に連れ出しました。
「何するんだよ、いいところだったのに」
そう怒る彼に僕は真実を突きつけました。
あの対戦相手は恐らく人間ではない、と。
そう、あのラプラス使いはちょうど僕と対戦をしているとき、同時にタカシくんと対戦していたのです。こんな真似が他にできるわけありません。
しかも、あのラプラス使いの声や使っていたスリーブなどを思い出そうとしても全く思い出せませんでした。対戦中に撮ったスクショを見てもぼやけていて何も見えません。
そして、その事に気付いたタカシくんはさすがに驚愕していました。そして、僕にもう二度とSkypeポケカをしないと誓ってくれました。
かくして、事件は一件落着したように見えたのでした。
そして、京都前々日
京都CLの前々日、僕はタカシくんと新宿のバスターミナルで待ち合わせていました。しかし、時間になっても彼は現れません。
僕はよからぬ予感がして彼の家に向かいました。
そこでタカシくんは……
結論から言うと死んでました。
死因は解剖の結果睡眠不足だったようです。彼は僕がSkypeポケカを教えたその日から本当に文字通り一睡もしてませんでした。
そして、解剖の結果食事も取っていないことが分かりました。
僕は捜査員にSkypeのことを教えました。しかし、彼が対戦をしていたという相手はついぞ特定することができませんでした……
その時、僕は思い出したのです。
ラプラスの図鑑説明を
『人を乗せることが大好きで死ぬまで降ろしてくれないポケモン』
そう、あの対戦相手は彼を死ぬまで降ろすことはなかったのでしょう。
電子の海には大量の魑魅魍魎が潜んでいます。そして、我々の命を狙っています。当然、Skypeポケカも例外ではありません。
お気をつけください、あなたも向こうの世界に連れていかれたくなければ……
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