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【グルメ】「蓬莱閣」の蒸しギョーザとサンラータン(横浜市・中華街)

今日ご紹介するお店は、横浜の中華街にある老舗の中華料理店、「蓬莱閣」さん。

こちらは、私の尊敬する池波正太郎先生が愛したお店だ。

以前、池波先生の食に関する3冊のエッセイ集について、読書録を書いた。

この3冊のうち、『むかしの味』というエッセイ集に、このお店「蓬莱閣」が登場する。少し引用してみよう。

 店主の王宗俊さんが、この店をはじめたのは昭和33年だそうな。
 (中略)
 ところで、開店して、はじめはコックを雇っていたが、なかなかうまくゆかぬ。居つかないのだ。
 そこで、王さん自身が調理場へ入ることになったわけだが、山東さんとう省に生まれた母上に教えられた餃子ギョーザは、この店の売りものになった。

p149-150

 ここもまた、何を食べても旨いのだ。
 醤牛肉ジャンニュウロウと称する牛肉の冷製に、味付けしたキュウリをそえた一品など、実にしゃれているし、酸辣湯サンラータンもいい。

p150

このような優しい文体から、池波先生が、このお店と、店主の王さん一家を贔屓にしていたことがよくわかる。

こちらが、その「蓬莱閣」の外観。中華街の一角、関帝廟通りにある。

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訪れたのは、2021年の冬。北風吹きすさぶ寒い日に、遅めのランチを取りに伺った。既に14時近くになっていたにもかかわらず、数組のお客さんが並んでいた。あまり回転が良くないようで、かなり待つことになった。

1時間近く待って、ようやく入店することができた。1階は、4人がけテーブルが5席。2階は円卓で、要予約だということだ。1階のテーブルに案内された。

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オーダーしたのは、こちらのお店で特に評判のよい、蒸しギョーザ(760円)と、サンラータン(酸辣湯)(1000円)。いずれも『むかしの味』に言及されていたメニューだ。

まずは、蒸しギョーザが運ばれてきた。4つの餃子が、美しく並べられている。

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上の写真で見ると分かりにくいが、このギョーザ、ものすごく大きいのだ! 「王将」のギョーザの2倍以上はあるだろう。

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食べ方について、お店からのアドバイスがあった。そのまま食べるか、物足りなければ、醤油は使わず、酢とラー油だけで召し上がれ、ということだった。

早速、かじってみる。

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うーん。おいしい・・・!

餃子の餡がみっちり詰まっていて、しっかりと味もついていて、肉汁があふれ、とてもジューシーだ。これは、確かに、醤油をつけず、そのままでいただくほうが、繊細な味を堪能できそうだ。

そして、こちらが、サンラータン。器は小ぶりだが、量はそれなりに多い。一面に広がる黒コショウが、インパクト大!

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一口啜ってみる。す、酸っぱい! 名前の通りだ。

具としては、薄切りしいたけ、たけのこ、豆腐、ミンチ肉、溶き卵が入っている。そして、大量のコショウと、その上に載せられたパクチーが、酸っぱいスープと、不思議な味のハーモニーを奏でる。スープにはとろみがあり、平たいストレート麺とよく絡む。とても完成度の高い一品だ。

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さすがは池波正太郎先生の通ったお店だ。いずれも、素晴らしいお味だった。そして、食後には、身体がぽかぽかと芯から温まった。これからの寒い季節には、お薦めのメニューだ。

美味しかった。ごちそうさまでした!

こちらのお店の食べログのページはこちら。

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