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【温泉】松之山温泉「凌雲閣」(新潟県十日町市)

今日ご紹介する温泉は、新潟県十日町市にある松之山温泉「凌雲閣」さん。

松之山温泉は、新潟と長野の県境、雪深い山あいにたたずむ温泉地で、有馬、草津と並ぶ三大薬湯のひとつ。

松之山温泉についての説明は、以下の「松之山ドットコム」というサイトが詳しくて分かりやすい。

約1200万年前の化石海水が地圧によって95℃の高温で湧出する『ジオプレッシャー型』の温泉。今から700年ほど前の南北朝時代、一羽の鷹が舞い降りて傷ついた羽を休めているのを木こりが見つけ、そこにコンコンと湧く熱泉を発見したという伝説が残っているとのこと。また、室町時代から越後守護上杉家の隠し湯であったという説もあるらしい。

鷹によって発見された「鷹の湯」のほか、「庚申の湯」や「鏡の湯」の源泉が古くからあり、泉質は塩化物泉で、すべて天然で自噴している。戦後の一時期、塩を採ったというほど塩分が強いということだ。

そんな素晴らしい温泉の湧く松之山温泉だが、こちらの凌雲閣さんは、松之山温泉の歴史ある旅館で「日本秘湯を守る会」の会員宿でもある。

今年(2022年)の春に訪れたのだが、まだ雪が残っていた。

外観

こちらが、外観。登録有形文化財に指定された木造三階建のお宿だ。昭和初期のレトロな雰囲気が、たまらない!

本館

外観のみならず、館内も美しかった。黒光りする床や階段。歴史を感じる調度品の数々。床がミシミシいうが、それもまた良し。

玄関の様子。

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階段を上がって、2階へ。なお、小さなエレベーターもあった。

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2階の廊下。

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2階の案内図。

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ちなみに、3階にも上って、廊下の様子を見学した。窓の意匠が面白い。

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3階の案内図。2階よりも部屋数が少ないので、各居室が2階の居室よりも広いのだろう。「管領の間」というのが一番豪華なお部屋らしい。

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1階の廊下の様子。

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お部屋

私たちのお部屋は、2階の「梅の間」だった。

こちらが、玄関。石を埋め込んだ床がレトロで、素敵。

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2間続きのお部屋の、最初の間。

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奥の部屋を臨む。

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メインのお部屋。立派な床の間には、2幅の掛け軸が。

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そして、広縁も、広々としている。ゆったりとしたソファに座って、外を眺められる。

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バス、トイレ、洗面は、客室内にはない。が、共用エリアに、とても綺麗な洗面所とトイレが、男女別に設けてあった。

とても広く立派なお部屋だが、3階の部屋はさらに豪華な造りだということだ。その分料金も割高になる。いつか、そちらのお部屋にも泊まってみたいなあ。

新館へ

お風呂や食事場所は、居室のある本館と廊下でつながっている新館にある。

お風呂へ入るために、早速、新館へ向かう。こちらが、新館への廊下。

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雪国ならではの道具たちが展示してあった。

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旅館の古い資料たち。歴史を感じる。

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お風呂

いよいよ、お風呂へ。

こちらがお風呂エリアへのアプローチ。

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19時に男女が入れ替わる大浴場と中浴場があるほか、いつでも貸切利用できる家族風呂がある。

この時点で、既に、ものすごい薬品臭が鼻についていた。相当ユニークなお湯にちがいない。わくわくする。

家族風呂

まずは、家族風呂へ。

家族風呂は内鍵式で、開いていればいつでも入れる。共用源泉の「鷹の湯3号」を掛け流している。泉温はなんと97.5度。ナトリウム・カルシウムー塩化物泉。溶存物質は16g超えという濃さ。

チェックイン後にこちらに向かってみた。この日の一番風呂だったのか、お湯はめちゃくちゃ熱かった。熱湯に近かったのではないか。しばらく水を流し続け、お湯をかなり薄めて、やっと入ることができた。備え付けの温度計を使って適温にチェックしてから入るのがよいだろう。

色はほぼ透明だが、ほんの少し緑がかっている感じ。味は、水で薄めているにもかかわらず、かなり塩辛かった。

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温泉分析書。共用源泉「鷹の湯3号」。

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大浴場・中浴場

大・中浴場は、自家源泉の「鏡の湯」を使用している。やはりナトリウム・カルシウムー塩化物泉であり、溶存物質も15g超えの成分の濃さだ。内湯のみで、露天風呂はない。

公式ホームページには、鏡の湯の由来である「鏡ヶ池伝説」の説明があった。その昔「万葉集」の歌人、大伴家持が松之山に隠棲した際、土地の女との間に生まれた京子が、継母に折檻され、池の鏡のような水面に実母の悲しげな姿を見て、池に飛び込み亡くなった。その池を「鏡ヶ池」と呼ぶようになり、「鏡の湯」の由来となったそうな。

以下の写真は公式ホームページよりお借りしたものだが、お湯の色は以下の写真のとおり、薄い緑色だった。そして、味は、とても塩辛かった。

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自家源泉「鏡の湯」の温泉分析書。

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残念ながら、加水、加温、循環ろ過、塩素あり。

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いずれも、匂いも味も、なかなかパンチのあるお湯だった。保温効果がとても高いようで、寒い日であったが、お風呂から上がっても長らく体がポカポカしていた。

夕食

夕食は、新館の広い会場で、18時から、全員一斉に夕食を開始。ボリューム少な目のコースをお願いしたのだが、たくさんのお皿に、たくさんのご馳走が並べられた。

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この後、ご飯と汁物(鯉の汁だった。珍しい!)とデザートのゼリーが。これでも、通常のメニューよりは品数が少ないという。十分すぎるほど、お腹がいっぱいになった。

朝食

新館の広い会場で、8時から、やはり全員一斉に開始。

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ヘルシーな朝食だ。左上の鍋は、湯豆腐で、とても温まった。この後、コーヒーのサービスがあったのも嬉しかった。

歴史ある文化財の建物に泊まり、薬効豊かなお湯でリラックスし、美味しいお食事を堪能させていただいた。

素晴らしいひとときでした。お世話になりました!

こちらのお宿の公式ウェブサイトはこちら。

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