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【2】今年80冊読み終えた私のおすすめ本

こんばんは、読書大好きさざんかげしです。

#読書の秋2022  開催中ということで、私の2冊目のおすすめ本を紹介をしたいと思います!

前回の記事はこちら。


「赤と青とエスキース」青山美智子

今回のおすすめは青山美智子先生の「赤と青とエスキース」です。

私が所持しているものです。
タイトルが金文字で装丁もキレイです。

先日サイン会のイベントにも足を運んだほどの先生の大ファンなのですが、青山先生の作品の中でも特にこの作品はおすすめしたいと思いました。

「赤と青とエスキース」が出版されたのは2021年の11月。

2022年に本屋大賞にノミネートされました。

本屋大賞は書店員の投票だけで選ばれる賞で、青山先生の作品は史上初の2年連続ノミネートという快進撃。

それくらい青山先生の作品が今の時代の人たちの琴線に触れる素敵な作品だということがわかります。

あらすじ

●プロローグ
●一章 金魚とカワセミ
●二章 東京タワーとアーツ・センター
●三章 トマトジュースとバタフライピー
●四章 赤鬼と青鬼
●エピローグ

”エスキース”とは”下絵”を意味するフランス語で、

この作品は、とある画家が描いた1枚の絵=エスキースをめぐる物語です。

章ごとに主要人物が違い、それぞれの舞台もオーストラリアだったり日本だったりと違うのですが、ジャックジャクソンという画家が描いた絵を中心に登場人物たちの物語が紡がれます。

●一章 金魚とカワセミ
メルボルンに留学中の女子大生・レイは、現地に住む日系人・ブーと恋に落ちる。しかしレイは、留学期間が過ぎれば帰国しなければならない。彼らは「期間限定の恋人」として付き合い始めるが……。

●二章 東京タワーとアーツ・センター
日本の額縁工房に努める30歳の額職人・空知は、既製品の制作を淡々とこなす毎日に迷いを感じていた。そんなとき、十数年前にメルボルンで出会った画家、ジャック・ジャクソンが描いた「エスキース」というタイトルの絵画に出会い……。

●三章 トマトジュースとバタフライピー
中年の漫画家タカシマの、かつてのアシスタント・砂川が、「ウルトラ・マンガ大賞」を受賞した。雑誌の対談企画の相手として、砂川がタカシマを指名したことにより、二人は久しぶりに顔を合わせるが……。

●四章 赤鬼と青鬼
パニック障害が発症し休暇をとることになった51歳の茜。そんなとき、元恋人の蒼から連絡がくる。茜は昔蒼と同棲していたアパートを訪れることになり……。

●エピローグ
水彩画の大家となったジャック・ジャクソンの元に、20代の頃に描き、手放したある絵画が戻ってきて……。

PHP研究所解説から引用させていただきました。

見どころ

青山先生の作品のほとんどがそうなのですが、5本ほどの短編作品が1つの作品にまとめられていて、それでいて全ての話がどこかで繋がっていることが多く、今回もその手法を取られています。

この作品は特にその毛色が強いかなと思います。全然関係ない話だと思っていたらそういうことね、とハッとさせられる仕掛けが満載です。

タイトルに”赤”と”青”のワードがあるように、それぞれの話も赤色と青色がキーアイテムとして登場し、人物たちに関わってきます。

その伏線の貼り方やまとめかたが非常にきれいで圧巻です。

先日のサイン会にて、編集担当の方がこうおっしゃっていました。

「青山先生と作品を作る時は、元々作品の始まりと終わりが最初からあって、そこに行き着くための謎解き、パズルをはめていくような感覚になるんです」

たしかに、と非常に納得する言葉でした。

それくらい青山先生の作品は、世界がきれいに出来上がっているというか、抜け目ないというか、どの人物も、どの出来事も取りこぼさない細かい作業の上で成り立っているような気がします。

全ての出来事が繋がっていて、本の中で生きています。

この社会で生きることに少ししんどさを感じる人たちに共感し、背中を押してくれる場面がいくつもあります。

まとめ

非常にいい作品ですので、ぜひ皆さんに手に取って読んでいただきたい作品です。

読み終わった後、

「赤と青とエスキース」

このタイトルの意味までもそういうことかとじんわり心に行き渡っていくことでしょう。

心に響く言葉がこの本の中に見つかるはずです。


ぜひ、読んでみてください。





#読書の秋2022

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