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レオリオに学ぶ最強のプレゼン術【漫画で学ぶ仕事術】

【前回】

「漫画で学べる仕事術」シリーズは、早くも第二弾です。
今回登場していただくのは、少年週刊ジャンプで連載中(?)『HUNTER×HUNTER』のレオリオ=パラディナイトです。
レオリオと言えば、『HUNTER×HUNTER』内でも人気キャラの常連キャラです。
実は、レオリオの人気にはある秘密が隠されています。
知ってか知らずかレオリオはその力を駆使して、ゴンをはじめとする仲間だけでなく、ハンター協会や読者からも厚い信頼を獲得しています。
今回は、そんなレオリオの秘密を今回は解き明かします。
そして、この力はプレゼン術につながる部分があり、読者のみなさんにも使えるように説明します。


レオリオってだれ?

レオリオは、冨樫義博による日本の人気漫画『HUNTER×HUNTER』に登場するキャラクターです。この作品では、様々な能力を持つハンターたちが冒険を繰り広げます。レオリオは主人公ゴンたちと共にハンター試験に挑む若者の一人で、以下の特徴を持っています。

明るく社交的:レオリオは非常に明るく、友人思いの社交的な性格です。チームメイトや出会った人々との絆を大切にし、時には彼らのために自己犠牲も厭いません。

目標は医者になること:彼の最大の目標は医者になることであり、そのためには大量の金が必要です。病気で亡くなった親友の経験から、誰もが治療を受けられる世界を目指しています。

実直な性格:レオリオは非常に正直で実直な性格をしており、時にはそのストレートな言動が周囲を驚かせることもありますが、その誠実さは多くの人に信頼されています。

戦闘スタイル:物理的な力に優れ、戦闘ではその大柄な体を生かした力強い攻撃を得意とします。また、念能力も持っており、特に空間を操作する能力を用いた戦い方をします。

成長:物語が進むにつれ、レオリオは自身の能力や人間性の成長を遂げていきます。ハンターとしてだけでなく、人としても成長していく姿が描かれています。

レオリオは『HUNTER×HUNTER』の中で重要な役割を担っており、その人間味あふれる性格と目標に向かってひたむきに努力する姿勢が、多くのファンから愛されています。

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レオリオが使っているプレゼン術”疑惑法”とは

レオリオが使っているのプレゼン術の中で、本記事で重点的に取り上げたいのは、古代ローマ帝国から伝わる禁断のプレゼン術である「疑惑法」です。
ちなみに、 疑惑法は、検索しても満足する検索結果が得られません。日本ではまだそれほど浸透していない証拠ですね。
さっそく、疑惑法の概要を説明します。

それは、「プレゼンがどこから始めるべきか右往左往している様子を見せること」です。
「はぁ?」ですよね。
こんなものに「疑惑法」なんてたいそうな名前がついていることに疑問が残るかも知れません。
でも、少しだけ我慢して読み進めてみてください。
実は、この疑惑法を効果的に使って大統領選挙を勝ち抜いた猛者がいます。
それは、エイブラハム・リンカーンです。黒人奴隷の解放を宣言したことで知られています。

エイブラハム・リンカーン(1809年2月12日 - 1865年4月15日)は、アメリカ合衆国の第16代大統領であり、1861年から1865年までその職を務めました。彼はアメリカ合衆国の歴史上、最も尊敬されている指導者の一人であり、特に南北戦争を通じて国の統一を保ち、奴隷制度の廃止を進めたことで知られています。リンカーンはケンタッキー州の貧しい家庭に生まれ、若い頃は自己教育に励み、弁護士として成功を収めました。政治家としての彼のキャリアは、イリノイ州議会議員を務めたことから始まり、後にアメリカ合衆国下院議員に選出されました。大統領としての彼の在任期間は、国が内戦という大きな危機に直面していた時期でしたが、彼は優れた指導力と決断力で国を導きました。1865年には奴隷解放宣言を行い、アメリカの歴史を大きく変えました。リンカーンは在職中に暗殺され、その死は国全体に大きな衝撃を与えましたが、彼の遺産は今日もなお高く評価されています。

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実はリンカーンが、大統領選挙に出馬したときは、まだまだ無名のひとりの政治家でした。それだけでなく、顔はどちらかと言えば無骨でカッコ悪い印象だったといいます。


怖いからこっち見んなw

どちらかと言うと、ホモ・サピエンスよりは、アウストラロピテクスに近い顔をしていますよね。
さぁ、無名の政治家でこの顔(失礼w)のリンカーンは、聴衆を前にして、開口一番に口に下のは、「なにか目新しいことを言うつもりはない」。

そして、しどろもどろの手探りの中でスピーチは始まります。
弁護士らしくひじょうにロジカルに合理的に、今のアメリカが直面している状況を伝えます。そして、その合理的な解決策を示してスピーチは終わりました。
結果は、歴史の通りです。この無名のアウストラロピテクスは、大統領選挙に勝利して、黒人奴隷の解放につながりました。
ここで使ったのは疑惑法だったのです。もう一人の候補者は、いかにも品行方正なタイプで雄弁で饒舌なプレゼンをしました。それに対して、しどろもどろながらも解決策を示した姿勢が、正直者という印象を勝ち取ったのです。
そう、この疑惑法は、聴衆に正直者という印象を与える効果があると言われています。
そして、この疑惑法が特に有効な相手は、教養があるインテリ層なのです。
インテリ層を味方につけたリンカーンは、戦局を切り抜けて大統領選挙に勝利したのです。
さて、それでは、いまの話を踏まえたうえで、レオリオのスピーチを見てみましょう

レオリオはどのように疑惑法を使ったか

レオリオが疑惑法を使ってスピーチをしたのは、漫画では32巻の選挙編での出来事です。
選挙編へ至る簡単なあらすじを付しておきます。知ってる人は読み飛ばしてね。

『HUNTER×HUNTER』におけるレオリオのスピーチは、キメラアント編の終わりに近づく第13回ハンター協会会長選挙の際に行われます。このスピーチは、レオリオがハンター協会の会長選挙に出馬していた時のもので、彼が一躍注目の存在となるきっかけです。
経緯としては、キメラアント編の終結後、前会長ネテロの遺言によりハンター協会の新しい会長を選出する選挙が行われます。レオリオはもともと会長選挙に出馬する意志はありませんでしたが、ゴンの治療費を稼ぐために医者になることを目指していた彼は、ゴンがキメラアントとの戦いで重傷を負ってしまうことに深く関わっていきます。

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この時、レオリオの心中は、選挙どころではありません。
なぜなら、親友のゴンが生死を分けている中で、別の親友のキルアが命懸けでゴンを助けるために行動しているからです。
そんな中、なぜか会長候補者に選ばれてしまったレオリオにとっては、政治なんか当然上の空です。二人の親友の決死の戦いをただ呆然としていることしかできない無力感とでも言えるのでしょうか。
大人たちは必死で選挙の心理戦をする中、レオリオは「ゴンが心配」という一心に覆われているという対比も面白いところですよね。
このあたりの心理描写、冨樫先生が天才だと言われる所以です。
それでは、さっそくレオリオが司会のピヨンから呼ばれます。

こうして、わけがわからないまま、レオリオは登壇します。
しかし、この「わけがわからない感じ」が、疑惑法がクリーンヒットしています。
案の定、会場はザワザワして一気に注目が集まっています。
ちなみに、この手法はプレゼンの天才アドルフ・ヒトラーも使いました。

ヒトラーが用いたとされるプレゼンテーション技術の一つに、「聴衆が静かになるまで黙っている」という方法があります。この技術は、話し始める前に意図的に沈黙を保つことで、聴衆の注意を集中させる効果を狙ったものです。

この方法の背景には、人間の心理が大きく関わっています。話者がステージに登場し、何も言わずに静かに立っていると、聴衆は何が起こるのか、何を言い出すのかという好奇心や期待感から自然と静かになり、話者に対する集中力が高まります。この時点で、聴衆は話者の言葉一つ一つに耳を傾ける準備が整います。

さらに、この手法は話者の権威や存在感を際立たせる効果もあります。話者が言葉を発する前から聴衆をコントロールできることを示すことで、話者の説得力やカリスマ性が高まると感じられます。

ヒトラーはこの技術を利用して、彼の演説が始まる前の瞬間に、聴衆の最大の注意を引きつけ、彼らを精神的に支配することを目指しました。この手法は、プレゼンテーションの効果を最大化するために使用され、彼の演説技術の一環として知られています。

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レオリオから衝撃的な言葉が放たれます。
「オレが会長になったら協会を私物化するからな!!」
当然、会場はどよめきます。「ザワ・・」。
選挙で言っていい言葉であるはずがありませんよね。
「協会を私物化するからな」これは、強烈なパンチラインですよね。
そんなどよめきの中、レオリオは続けます。

レオリオがスピーチの名手であるのは、ここでゴンというひとりの少年の問題ではなく、前会長との問題と結びつけることで、個人の問題を公共的なテーマに引き上げている点です。

ここで、「ズリセンこいて」「女連れ込んで」など正直に言ってしまうあたり、レオリオの人柄が出ていますよね。
でも、これは疑惑法の一種です。

スピーチ内の冒頭で「協会を私物化するからな」と言っていたのに、ここでは、「オレにできることがあるなら言え!!何でもやる!!!」と私利私欲であることを強調します。
これは、アリストテレスがいうところの、エートスに訴えかえるプレゼン術で説明がつきます。
エートスに訴えかえるプレゼン術とは、自分には私欲がないことを見せる必要があるのです。

プレゼン術における「エートス(Ethos)」とは、話者の信頼性や権威、倫理的な姿勢を指し、聴衆に対する説得力を高める要素の一つです。古代ギリシャの哲学者アリストテレスが説明する説得の三要素(エートス、パトス、ロゴス)のうちの一つで、話者自身の人格や信頼性が聴衆にどのように映るかに重点を置いています。

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エートス・パトス・ロゴスの重要性については、別の機会で説明しますので、フォローしておまちください!

レオリオの魂のスピーチに会場は拍手に包まれます。
レオリオ自身がこの困惑の表情をしている点がさらに好感がもてますよね(笑)
さて、ここまで聴衆の理解を勝ち取れたのは、レオリオの巧みな話術のなせるわざです。(本人にその自覚はなさそうですがw)

まとめ

レオリオが用いた疑惑法についてでした。
こんな感じで、漫画の登場人物が使っている◯◯みたいな記事を今後も書いていくので、もし面白いと思ってくれたら、フォローして待っててくださいね。

もし、この疑惑法についてくわしく学んでプレゼン術を極めたいと思った人がいたら以下の本を買ってさらに深めてみましょう。


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