レオリオに学ぶ最強のプレゼン術【漫画で学ぶ仕事術】
【前回】
「漫画で学べる仕事術」シリーズは、早くも第二弾です。
今回登場していただくのは、少年週刊ジャンプで連載中(?)『HUNTER×HUNTER』のレオリオ=パラディナイトです。
レオリオと言えば、『HUNTER×HUNTER』内でも人気キャラの常連キャラです。
実は、レオリオの人気にはある秘密が隠されています。
知ってか知らずかレオリオはその力を駆使して、ゴンをはじめとする仲間だけでなく、ハンター協会や読者からも厚い信頼を獲得しています。
今回は、そんなレオリオの秘密を今回は解き明かします。
そして、この力はプレゼン術につながる部分があり、読者のみなさんにも使えるように説明します。
レオリオってだれ?
レオリオが使っているプレゼン術”疑惑法”とは
レオリオが使っているのプレゼン術の中で、本記事で重点的に取り上げたいのは、古代ローマ帝国から伝わる禁断のプレゼン術である「疑惑法」です。
ちなみに、 疑惑法は、検索しても満足する検索結果が得られません。日本ではまだそれほど浸透していない証拠ですね。
さっそく、疑惑法の概要を説明します。
それは、「プレゼンがどこから始めるべきか右往左往している様子を見せること」です。
「はぁ?」ですよね。
こんなものに「疑惑法」なんてたいそうな名前がついていることに疑問が残るかも知れません。
でも、少しだけ我慢して読み進めてみてください。
実は、この疑惑法を効果的に使って大統領選挙を勝ち抜いた猛者がいます。
それは、エイブラハム・リンカーンです。黒人奴隷の解放を宣言したことで知られています。
実はリンカーンが、大統領選挙に出馬したときは、まだまだ無名のひとりの政治家でした。それだけでなく、顔はどちらかと言えば無骨でカッコ悪い印象だったといいます。
どちらかと言うと、ホモ・サピエンスよりは、アウストラロピテクスに近い顔をしていますよね。
さぁ、無名の政治家でこの顔(失礼w)のリンカーンは、聴衆を前にして、開口一番に口に下のは、「なにか目新しいことを言うつもりはない」。
そして、しどろもどろの手探りの中でスピーチは始まります。
弁護士らしくひじょうにロジカルに合理的に、今のアメリカが直面している状況を伝えます。そして、その合理的な解決策を示してスピーチは終わりました。
結果は、歴史の通りです。この無名のアウストラロピテクスは、大統領選挙に勝利して、黒人奴隷の解放につながりました。
ここで使ったのは疑惑法だったのです。もう一人の候補者は、いかにも品行方正なタイプで雄弁で饒舌なプレゼンをしました。それに対して、しどろもどろながらも解決策を示した姿勢が、正直者という印象を勝ち取ったのです。
そう、この疑惑法は、聴衆に正直者という印象を与える効果があると言われています。
そして、この疑惑法が特に有効な相手は、教養があるインテリ層なのです。
インテリ層を味方につけたリンカーンは、戦局を切り抜けて大統領選挙に勝利したのです。
さて、それでは、いまの話を踏まえたうえで、レオリオのスピーチを見てみましょう
レオリオはどのように疑惑法を使ったか
レオリオが疑惑法を使ってスピーチをしたのは、漫画では32巻の選挙編での出来事です。
選挙編へ至る簡単なあらすじを付しておきます。知ってる人は読み飛ばしてね。
この時、レオリオの心中は、選挙どころではありません。
なぜなら、親友のゴンが生死を分けている中で、別の親友のキルアが命懸けでゴンを助けるために行動しているからです。
そんな中、なぜか会長候補者に選ばれてしまったレオリオにとっては、政治なんか当然上の空です。二人の親友の決死の戦いをただ呆然としていることしかできない無力感とでも言えるのでしょうか。
大人たちは必死で選挙の心理戦をする中、レオリオは「ゴンが心配」という一心に覆われているという対比も面白いところですよね。
このあたりの心理描写、冨樫先生が天才だと言われる所以です。
それでは、さっそくレオリオが司会のピヨンから呼ばれます。
こうして、わけがわからないまま、レオリオは登壇します。
しかし、この「わけがわからない感じ」が、疑惑法がクリーンヒットしています。
案の定、会場はザワザワして一気に注目が集まっています。
ちなみに、この手法はプレゼンの天才アドルフ・ヒトラーも使いました。
レオリオから衝撃的な言葉が放たれます。
「オレが会長になったら協会を私物化するからな!!」
当然、会場はどよめきます。「ザワ・・」。
選挙で言っていい言葉であるはずがありませんよね。
「協会を私物化するからな」これは、強烈なパンチラインですよね。
そんなどよめきの中、レオリオは続けます。
レオリオがスピーチの名手であるのは、ここでゴンというひとりの少年の問題ではなく、前会長との問題と結びつけることで、個人の問題を公共的なテーマに引き上げている点です。
ここで、「ズリセンこいて」「女連れ込んで」など正直に言ってしまうあたり、レオリオの人柄が出ていますよね。
でも、これは疑惑法の一種です。
スピーチ内の冒頭で「協会を私物化するからな」と言っていたのに、ここでは、「オレにできることがあるなら言え!!何でもやる!!!」と私利私欲であることを強調します。
これは、アリストテレスがいうところの、エートスに訴えかえるプレゼン術で説明がつきます。
エートスに訴えかえるプレゼン術とは、自分には私欲がないことを見せる必要があるのです。
エートス・パトス・ロゴスの重要性については、別の機会で説明しますので、フォローしておまちください!
レオリオの魂のスピーチに会場は拍手に包まれます。
レオリオ自身がこの困惑の表情をしている点がさらに好感がもてますよね(笑)
さて、ここまで聴衆の理解を勝ち取れたのは、レオリオの巧みな話術のなせるわざです。(本人にその自覚はなさそうですがw)
まとめ
レオリオが用いた疑惑法についてでした。
こんな感じで、漫画の登場人物が使っている◯◯みたいな記事を今後も書いていくので、もし面白いと思ってくれたら、フォローして待っててくださいね。
もし、この疑惑法についてくわしく学んでプレゼン術を極めたいと思った人がいたら以下の本を買ってさらに深めてみましょう。
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