神のダイスを見上げて

『神のダイスを見上げて』 知念実希人

あらすじ
地球に向かって巨大小惑星ダイスが接近。人類は後5日で滅亡するかもしれない。そんな中、女子大生、漆原圭子の刺殺体が見つかる。弟の漆原亮はダイス衝突の前に犯人を見つけ復讐しようと暴走する。

この小説はミステリーである。しかし、同時に人類滅亡の可能性がある状態での人間の心理状態について考えさせられる。

まず、大前提としてこの物語では小惑星の衝突は起こるかどうか分からない。小惑星は空に見えるが、政府からは衝突する可能性は極めて少ないという発表もある。(政府側が小惑星が衝突するという報道ができないのは確かであるが)
しかし、人類はおびえ集団自殺や大規模テロなど無政府状態となってしまう。

人は目の前の危険に反応しなければいけない。
その反応は逃避、攻撃、受容と様々だ。
よく「明日世界が滅びるとしたら何をする?」という手の質問は見かける。
通常通り過ごすという回答も少なくない。

しかし、いざ危険が迫ると普通というのがいかに難しいのか考えさせられた。
いつもどおりいられることが一番困難だ。

犯人についても意外な人で驚いた。
是非読んでいただきたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?