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ミライプラス1年を振り返って

昨年末退職し、ほぼ1年が経ちました。

2020年は激動の年でしたね。1年経ってこういう状況になっているとは思いもしませんでした。明確な事業プランを持たず、まずは現場を知ることから始めよう、これからの教育に向けた本質を捉えていこう、と思って始めましたが、新型コロナウイルスによって大きく活動が変化することになりました。

この1年を振り返ってみました。

1月

昨年6月に始めた映画 "Most Likely To Succeed"上映会&ダイアローグが順調に進展。参加者からの依頼に応じながら複数回の上映会を開催しました。Nagatacho GRiDでもテーマを変えながら数回実施。昨年からの参加者が3月には延べ1200人になりました。

2月には中学生が主体的に企画した上映会を開催。3月には栃木県の公立中学校で3年生全員に対して上映会&講演を開催することも出来ました。

2月

メーロン・アカデメイアという活動をスタート。教員と非教員が共に未来について学び合う場を、学校現場を使って実施しようという試み。1月末に宝仙学園中学校・高等学校にてプレイベントを実施。2月には世田谷区立等々力小学校で「サピエンス全史」読書会を開催。継続開催を目指した矢先、コロナ感染拡大にて学校現場での活動は中断せざるを得なくなりました。

「学校現場を使った学びの場」という形にはこだわりがあったのですが、コロナ禍でメーロン・アカデメイアはオンライン活動にシフト。ハラリ3部作や「シン・二ホン」のbooked読書会、海外教育やキャリア教育の実践を学ぶイベントを開催しました。

3月

学校が突然一斉休校になりました。

ミライプラスの活動も新型コロナウイルスの影響が出始めました。Most Likely To Succeedの上映会は軒並み延期&中止。学校現場でも卒業式を保護者や在校生不在で実施する学校が続出しました。こんな中、神奈川の公立中学校での卒業式オンライン配信を実施しました。

教員からのオンライン配信打診を受けてから約1週間での実現。技術的知見があったとはいえ、先生方による学校側の説得、保護者を巻き込んだ配信機材の確保、前々日のリハーサルと怒涛の作業で卒業式のYoutube LIVE配信に漕ぎつけました。この知見は共に活動した木村さんがまとめてくれました。

4月

政府が緊急事態宣言を発出しました。

多くの学校で新学期は臨時休校で始まりました。「学びを止めるな」という想いで一部の学校でオンライン授業を実践するイノベーターの先生たちが現れました。こういう先生たちの実践を共有したい、という想いで「オンラインを活用した授業を実践者から学ぶ」イベントをシリーズ開催しました。毎回、実践者である3名の先生に登壇していただき、小学校から高校まで、様々な事例を共有していただきました。おまけの1回はオンライン学童の事例共有も行いました。4回の開催で700名近くの申し込みがあり、オンライン化へのニーズの高さと、オンラインイベントの可能性を認識することが出来ました。

"Most Likely To Succeed"上映会が出来なくなるなか、UNITED PEOPLEさんが自主上映サイト cinemo を期間限定でオンライン対応してくれました。これを受けて、GRiD Cinema にてオンライン上映会&ダイアローグを開始しました。第1弾は、以前からやりたかった「バベルの学校」。公立小学校の先生とのパネルトークを組み合わせ、50名以上の方に参加していただきました。

GRiD Cinemaでのオンライン上映会は継続実施中。これまでに6本の映画の上映会を行い延べ250名の方に参加していただくことが出来ました。

これらオンラインイベントを重ねて得た知見をnoteで共有しました。

5月

cinemoオンラインを活用して映画「happy」の上映会を教員向けで開催しました。このイベントに参加してくれたある先生が、「日曜日に happy な対話を行うと月曜日から元気に働ける」という意見をくれました。これをキッカケに毎週日曜朝にhappyな対話会を開始。現在も半年以上継続しています。対話会の中では、ポジティブ心理学、ストレングスファインダーなどを学ぶワークショップも実施。毎週 happy が溢れる場になっています。

3月にインタビューを受けた記事が Re・rise Newsさんで掲載されました。記者の内田さんと玉井さんと3時間話し込んで、自分の考えも整理されました。この時話していたことは少しずつ形になり始めてます。

6月

八千代松陰中学校・高等学校の土曜講座でプログラムを持たせていただくことになりました。映画、または書籍を取り上げ、その内容を基にして参加している生徒と共に対話を行います。SDGsをテーマとした映画や、未来の社会を描くユヴァル・ノア・ハラリの書籍などを使い、毎回、未来の社会で大切なことは何か?を生徒同士で話してもらいます。Google Jamboardも活用して対話の内容の可視化も行っています。

https://www.yachiyoshoin.ac.jp/jhs/education-j/satueday/

このプログラムはドルトン東京学園さんにも採用していただき、3回のプログラムを実施しています。

7月

ミライを創る学びを学校で実現していくためのコアとなる「みんなで創る みんなの職員室」活動を始動しました。3月からコアチームと共に開発してきたプログラム。3時間半のワークショップで、学校教育に関わる一人一人が学校の在り方を見つめ直す対話の場です。5月にはトライアルを実施。そしていよいよ8月から公開ワークショップを開始することが出来ました。

8月以来、毎月1回のワークショップを開催。参加者は10名弱の時もありますが、毎回、「みんなの職員室」を創るために何が大切なのかを真剣に話し合う場が生まれています。ワークショップではMiroを利用。参加者の対話の結果も形となって残すことが出来ています。

8月

キャリア教育コーディネーターの認定を受けました。

昨年から学んできた資格。企業で開発マネジャーや人事として社員のキャリアに関わってきましたが、改めて「キャリア教育」について学び、子どもたちのキャリア成長を支援する仕事を少しずつ実施していこうと思っています。

http://www.human-edu.jp/

認定トレーナーであるビガーゲームの世界初のオンラインワークショップを開催しました。コロナ禍で社会に不安が拡がるなか、ビガーゲームの考え方が求められているのではないか。そういう想いで4月に現役トレーナー6名がオンラインで集まり、そこからオンラインワークショップの開発をしてきました。8月、日本にビガーゲームを導入してリードしてきた英作さんと由美さんによるコーリードの下、全4モジュールによるオンラインワークショップを開催することが出来ました。私はシステム面での運営を担当。11名のビガーゲームプレイヤーが生まれました。

https://www.biggergame-japan.com/workshop

9月

長野県下の高校生によるオンライン交流会の運営をサポートしました。オンラインイベントを共に実施してきたGaiaxの木村さんとのタッグ。7月から準備を始め、長野県立の校長会、信州大学の研究室が関わる100人規模のイベントのZOOM運営を担当しました。

10月

渋谷区の公立中学でのキャリア教育「シブヤ科」に1年生担当ファシリテーターとして参加しました。渋谷区は「ちがいをちからに変える街」。シブヤ科では一人一人の「ちがい」を学ぶため、人種、性的指向、障害などの違いを抱える当事者に直接話を聞き、子どもたちが自分たちで設定したテーマを探究した結果をプレゼンします。最終プレゼンは1月。毎週のシブヤ科の授業に1クラスを受け持ち、子どもたちと共に学びを深めました。

https://shibuya.schoolweb.ne.jp/swas/index.php?id=1320121&frame=frm5e49ed1c6fb5e

11月

未来の先生フォーラムデモクラシー・フェスティバルの二つのオンラインイベントに出展しました。

未来の先生フォーラムは2017年に始まった日本最大級の教育イベント。新型コロナウイルスの影響を受けて、今年は初めてのオンライン開催になりました。ミライプラスとして「みんなの職員室」体験ワークショップを実施しました。3時間半でやっていたプログラムを1時間にギュッと圧縮し、コアチームとして共に開発してきた中楯さん、赤司さんに登壇していただき、「みん職」への熱い想いを語ってもらいました。

https://mirai-sensei.net/

デモクラシー・フェスティバルは北欧生まれのイベント。日本で初めて開催されました。ミライプラスとして「これからの教育を語り合おう!」「AIは意志を持てるのか?」の2つのプログラムを実施。デモフェスは社会課題について参加者とインタラクティブにやり取りすることが必須。夜開催のAIテーマは少人数で深い濃い対話を行いました。

https://sites.google.com/view/democracyfestivaljapan2020

12月

3月以来止まっていた"Most Likely To Succeed"上映会を隠岐の島と岡山県高梁市で開催しました。日本全国で新しい学びの形を対話するイベントをやっていこうと活動していたもの。コロナ禍で中断されていたものを約9ヵ月ぶりに再開しました。コロナ第3波が来る中、感染拡大を防止するために事前にPCR検査を受診し、陰性を確認したうえでの訪問となりました。

この出張では広島県大崎上島にある大崎海星高校の上島学の成果発表会にも参加させてもらいました。大崎海星高校は、高校魅力化プロジェクトにより統廃合の危機から3年で復活した学校。10月にはメーロン・アカデメイアにて「高校魅力化&島の仕事図鑑」出版記念トークをコーディネーターの取釜さんと行いました。今回、実際に高校3年生が1年間取り組んだプロジェクトの成果を見ることができ、生徒が主体的に学びに取り組むことの大切さを再認識することが出来ました。

1年を振り返って

走りながら考える。そのつもりで独立した今年。ミライプラスという名前は

未来を創り出すのは子どもたち。世の中のすべての子どもたちが、キラキラ輝いている世界を創り出していきたい。ミライに輝きをプラスする。

という想いで付けました。

COVID-19で世界は様変わりしましたが、目標を見失わずに進んでみて学んだことは、この三つ。

●変化と挑戦を楽しむ
●出会いが次の出会いを生む
●一歩踏み出せば学びが拡がる

二年目がより学び多い年になるように。

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