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5月2日(2015年) 開幕からの連続無敗がチーム記録を更新しJリーグ記録へ

 J1の開幕から連続無敗記録は、2021年に川崎フロンターレが達成した25試合が最多だ。その中には浦和レッズが0-5で敗れた第6節も入っているわけで、かえすがえすもあの前半のうちに1点、2点取っておけなかったのか、と思う。そのころのチームの完成度から言えば、間違いなく川崎の方がレッズより上だったろうが、それでも勝つ可能性が100対ゼロではないのがサッカーだ。

 それを残念に思うのは、川崎の最多記録をけなしているわけではない。
 昨季、川崎が最多記録を更新するまで、この開幕からの連続無敗記録はレッズが持っていたからだ。また抜き返せばいいだけの話だが、「だけ」と言えるほど簡単ではない。

開幕9試合無敗のチーム新記録

デカ旗三枚が選手たちを出迎えた

 2015年5月2日(土)、レッズは埼玉スタジアムにガンバ大阪を迎え、Jリーグ第9節を行い、1-0で勝利した。この年のJ1リーグ開幕戦で湘南ベルマーレに逆転勝利して以来7勝2分け。開幕から9試合無敗はレッズ史上初だった。

 それまでレッズは、優勝した2006年の開幕から8試合連続無敗が最多だった。こういう数字はあまり意識していなくても、スポーツ紙が教えてくれる。
 この2015年の第9節は、G大阪もチーム記録が懸かっていたらしい。宇佐美貴史が前節でチームタイ記録の6試合連続ゴール。何とG大阪では7人目で、それほど珍しくないというから驚く。ちなみにレッズでは2002年にエメルソンが作った7試合連続ゴールの記録があり、そこではG大阪を上回っているが、エメの突出した記録であり、6試合連続が7人もいたのはすごいと思う。ちなみに現在は8人になっているという。

G大阪との首位攻防戦でもあった

 ということで、G大阪は宇佐美の7試合連続ゴールでチーム記録を更新するか、という注目点があったらしい。もちろん、それだけ得点しているということはチームも好調で開幕1分け1敗のスタートから6連勝。首位のレッズと勝点1差の2位だから、この第9節は首位攻防戦だったのだ。
 それでなくても、レッズにとっては前年Jリーグ優勝をかっさらわれた憎い相手。まずここで借りの一つを返したかった。

拮抗した試合、最後はズラタンがゴール

 かつて「ナショナルダービー」と呼ばれた両チームの対戦にふさわしい、力の入った、拮抗した試合だった。レッズは興梠慎三がケガで欠場。ワントップにはズラタンが入っていた。80分、李忠成が相手ボールを奪い武藤雄樹に渡すと、左サイドに走り込んだ宇賀神友弥に武藤がパス。宇賀神の左クロスをファーサイドのズラタンがシュートしゴールを割った。最後は合わせるだけだったが、阿部勇樹がニアサイドに入ってDFを引き付けるなど、多くの選手が関わって相手の守備を完全に崩したからこその、簡単に見えるフィニッシュだった。

試合前にこのカットを撮影したのは、僕に予感があったから…、ウソです

そして19試合連続無敗のJ記録へ

 首位決戦を制したレッズは、開幕からの連続負けなしをチーム史上最多の7試合に伸ばした。
 そして、これから試合のたびにその記録を更新していくことになる。2ステージ制の1stステージ17試合を無敗で優勝し、2ndステージ第2節まで負けなしを続けたのだ。この開幕から19試合負けなしが、当時のJリーグ最多記録だった。
 チーム記録更新からJリーグ記録更新へ。その第一歩となった日だった。

この日の入場者は53,148人だった

 さて、みなさんは2015年5月2日、何をして何を感じていましたか?

※この内容はYouTube「清尾淳のレッズ話」でも発信しています。映像はありませんが、“ながら聞き”には最適です。
【あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~】は、レッズサポーターのみなさんから投稿を募っています。浦和レッズ30年の歴史をいっしょに残していきましょう。詳しくはマガジン「あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~」のトップページをご覧ください。



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