見出し画像

4月9日(2013年) 勝利目前の失点でドロー、GS突破に赤信号点滅

 2013年4月9日(火)、浦和レッズは韓国の全州ワールドカップスタジアムで、ACLグループステージ第4戦を全北現代モータースと行い、2-2で引き分けた。後半アディショナルタイムに同点弾を食らい、勝利目前で勝ち点2が手から滑り落ちた。この結果、レッズのラウンド16への道に赤信号が点滅し始めた。

5年ぶりのACLは全てが変貌

 この年、5年ぶりのACL出場を果たしたレッズだったが、グループステージ初戦のアウェイ広州恒大戦で0-3と完敗。ACLは大会のレギュレーションも5年前と比べてかなり変更されていたが、レベルも大きく変わっていた。特に中国のレベルが上がっていることに気づかされた。第2戦のムアントン・ユナイテッド(タイ)にはホームで4-1と快勝したが、第3戦はホームで全北現代に1-3と敗れ、ステージ突破に後がなくなった。

130409全北戦45

画像5

那須が、梅崎が、早々に2点先行

 全北は、6年前のACL準々決勝でホーム、アウェイとも勝利した相手。何としても第3戦の雪辱を果たすべく、この日約550人のレッズサポーターがアウェイの第4戦に乗り込んだ。
 先発はGK加藤順大、DF森脇良太、那須大亮、槙野智章、ボランチ阿部勇樹、鈴木啓太、ワイド梅崎司、宇賀神友弥、シャドー柏木陽介、原口元気、FW興梠慎三。このシーズンの、ほぼベストメンバーだっただろう。
 必勝態勢のレッズは開始から全北ゴールに迫り、前半2分にCKを得ると那須がヘッドで先制する。さらに7分、左ワイドの宇賀神のシュートがGKに弾かれたところを右ワイドの梅崎が詰めて、早々に2点を先行した。ちょっと早すぎる気もしたが、このまま3点目が取れれば勝利は堅いと思った。

画像5

画像5

全北の反攻に抗しきれず

 しかし、そこから全北の逆襲が始まった。ロングボールをレッズ陣内に送り込み、セカンドボールを競り合うデュエル対決を挑んで来る。後半6分、全北CKからリバウンドを蹴り込まれ、1点を返された。
 1点差のまま時間が過ぎ、後半45分を回った。アディショナルタイムは4分。当時、まだカメラマンだった僕は、祈るような気持ちで遠い方のゴール、つまりレッズ陣内での攻防を見つめていた。
 相手FK。レッズゴール前で混戦になる。一瞬、ボールがルーズになるのが見えた。クリアしろ! その願いとは逆に緑のユニフォームの選手が蹴った。ボールはGK加藤の横を抜けてネットを揺らした。

画像5

自力でなくとも望みはあった

 何であと3分、踏ん張れない!
 1勝2敗の後のドローは負けにも等しかった。全北のホームでの粘り強さにやられた気分でいっぱいだった。
 レッズはグループ3位のままで、残り2試合に勝っても、広州と全北の結果次第では2位に届かず、グループステージ自力突破がなくなったのだった。
 初戦の広州戦完敗といい、全北戦2試合に勝てなかったことといい、新しいACLで勝ち上がることの難しさを痛感しながらも、まだ望みが消えたわけではないと、残り2試合の皮算用をしながら帰国の途についた。

画像6

 さて、みなさんは2013年4月9日、何をして何を感じていましたか?

※この内容はYouTube「清尾淳のレッズ話」でも発信しています。映像はありませんが、“ながら聞き”には最適です。
【あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~】は、レッズサポーターのみなさんから投稿を募っています。浦和レッズ30年の歴史をいっしょに残していきましょう。詳しくはマガジン「あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~」のトップページをご覧ください。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?