7月21日(2001年) 3ゴールを演出し、自分の後を託した伸二

 2001年7月21日(土)、浦和レッズは広島ビッグアーチに乗り込んで、サンフレッチェ広島とJ1リーグ1stステージ第15節(最終節)を行い、3-1で勝利した。
 レッズはJ1復帰のシーズン、初のリーグ戦を7勝1分け7敗のステージ7位で終了。2ndステージに期待をつないだ。また、この試合がフェイエノールト(オランダ)に移籍する小野伸二の、日本ラストゲームとなった。

 前週、第14節のジェフユナイテッド市原戦では自らのFK直接ゴールをホームラストゲームでの置き土産とした伸二。この広島戦でももちろん先発したが、自分のゴールを決めるより、味方の得点を演出することに力を注いだ。
 まず24分、スルーパスで永井雄一郎のゴールをお膳立て。永井は最初のシュートをGKにはじかれたが、自らそのこぼれを詰めた。後半、同点とされたが66分、敵陣で相手のボールを伸二がカット。ルーズボールを途中出場のルーキー、田中達也が蹴り込んで勝ち越した。そして78分、達也からのパスを絶妙の位置にリターンし、達也が持ち込んでそのままゴールした。

 帝京高校からこの年レッズに新加入した達也は、第6節でJリーグデビューを果たし、第8節の東京ヴェルディ戦でリーグ初ゴールを挙げたがその後が続かず、先発は一度もなかった。この日も59分からの出場だったが、決勝ゴールとだめ押しゴールという、勝利を引き寄せる活躍をした。
 伸二が「自分の後は頼んだぞ」と託しているようでもあり、達也や鈴木啓太ら若い選手たちが「後はまかせて、オランダでがんばってください、伸二さん」と言っているようでもあった。

 スタンドには、アウェイながら伸二へのメッセージが多数見られた。
 本当の本当に、レッズからいなくなってしまうんだな、という気持ちが今さらながらヒシヒシと湧いてきた試合後だった。

 さて、みなさんは2001年7月21日、何をして何を感じていましたか?

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