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5月15日(1999年) 小野伸二の一発で鹿島に完封勝ち、光明見えた気が

苦しいシーズンの中、貴重な勝利

 1999年は、口にしたくなくても、浦和レッズ30年の歴史に刻み込んでおかなくてはならないことがいくつかあるシーズンだ。それも、おざなりの形ではなく、二度と踏んではならない轍として、はっきりと。
 ただ、その中でも今回は、思い出しても気持ちが良い試合の話をお送りする。

 1999年5月15日(土)、浦和レッズは国立競技場をホームに、鹿島アントラーズを迎え、J1リーグ1stステージ第13節を行い、1-0で勝利した。1993年から数えて鹿島とのリーグ戦19試合目にして初めての完封勝ちだった。入場者は約4万6千人だった。

4万6千人が入るとレッズゴール裏とバック側はぎっしり

残留気にしつつも、常に上を見る

 1stステージのこの時期、残留争いを現実のものとして考えていた人はどれだけいただろうか。
 この鹿島戦の前、第12節を終えて11位。1stステージはあと3試合で終了し、2ndステージの前には2か月以上の中断がある。そこで立て直して2ndステージ優勝を目指し、年間王者を狙う道も残されている。
 年間勝点がどれだけ少なくても、どちらかのステージで優勝してチャンピオンシップで勝ったチームが年間王者、というのが2ステージ制の最大の特徴だ。危険水位は意識していても、そこに足が浸かるにはまだ間があるから、今は上を見る。
 楽天的な考えかもしれないが、理論上は可能だし、可能な最大の成果を思い描くのはおかしなことではない。そうでなければ何年もレッズサポーターなんて、やっていられなかったかもしれない。

 また流れも悪くなかった。
 この時期、それまでの主力メンバーにケガ人が多く、1週間前に行われた第12節のジュビロ磐田戦は、プロデビューのルーキーや出場機会が少なかった選手たちを起用して戦わざるを得なかった。敗れはしたが、その選手たちの奮闘で、絶好調の磐田を一時3-3の同点まで追い詰めた。
 この勢いがあれば盛り返せる、と多くのサポーターは思ったに違いない。

前節プロデビューで初ゴールを挙げた宮沢克行を迷わずこの日の表紙に

前節の勢いを持ち込み、鹿島を完封

 その予感は当たった。
 まだ台所事情の苦しさは続いていたが、磐田戦のメンバーを中心に先発を組み、鹿島を相手に一歩も引かない戦いを見せた。と言っても失点はしないだけで、前半のシュート数は鹿島の7本に対してレッズが2本。押され気味の展開だったのは事実だ。

この日の先発に、福田、福永、大柴、ゼリコらの姿はない

 しかし後半、レッズが盛り返し、攻撃の時間帯も多くなる中で62分、途中出場の桜井直人のドリブルがエリア手前で相手のファウルを誘った。FKを蹴るのは小野伸二。磐田戦で右足首を捻挫していたが、先発していた。 このシーズンまだ無得点で、試合前「豪快にゴールを決めたい」と宣言していた伸二が右足を一振りすると、ボールはゴール左スミに収まった。その後も守りに入るのではなく、2点目を狙う姿勢を崩さず、鹿島の反撃を抑えた。

MDPから

光を見出すのは当然だった


 前節、磐田にあと一歩と迫った勢いを生かし、7試合ぶりの勝利。伸二のシーズン初ゴール。鹿島に初めての完封勝ち。これから主力も復帰してくる。
 進んで行く道に光が差しているとサポーターが感じるのは当然だっただろう。
 なお、この試合に関してはYouTube「清尾淳のレッズ話 #170」でも詳しく語っている。

 さて、みなさんは1999年5月15日、何をして何を感じていましたか?

※この内容はYouTube「清尾淳のレッズ話」でも発信しています。同じ内容ですが、noteとはちょっと違う語り口でお話ししています。一度、のぞいてみてください。
【あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~】は、レッズサポーターのみなさんから投稿を募っています。浦和レッズ30年の歴史をいっしょに残していきましょう。詳しくはマガジン「あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~」のトップページをご覧ください。


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