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5月14日(2017年) 連敗の後、失点、逆転、大量点。そして偉大な記録

 アルビレックス新潟は浦和レッズにとって非常に相性の良いチームだ。
 J1での通算対戦成績は22勝5分け1敗。そしてこの1敗を、レッズがJリーグ優勝を果たした2006年に喫しているというが何とも皮肉だ。
 ただし2000年のJ2では2勝2敗。2敗はいずれもアウェイだが、スコアは1-6と2-4。大量失点に憤ったレッズサポーターが2試合も騒動を起こし、新潟のクラブにだいぶ迷惑をかけてしまった。
 しかし今回はその話ではない。

逆転大勝と阿部が記録樹立

 2017年5月14日(日)、浦和レッズはアウェイのデンカビッグスワンスタジアムで、アルビレックス新潟とJ1リーグ第11節を行った。圧倒的に分が良いはずの新潟に、いきなり失点するが、その後6得点で大勝。そして、この試合で阿部勇樹がJ1リーグフルタイム出場を連続138試合に伸ばし、Jリーグ新記録を達成した。

 このシーズン、レッズは第8節まで6勝1分け1敗と好調だったが、第9節のアウェイ大宮アルディージャ戦を0-1で落とすと、続く鹿島アントラーズ戦も0-1と連敗。2試合連続無得点のあと、このゲンの良い新潟に乗り込んで悪い流れを払拭したいところだったが、開始2分で失点するという最悪の展開だった。

9点取ってくれ、の願いは届かず

 しかし、6分に武藤雄樹のゴールで同点に追い付くと、20分に興梠慎三が勝ち越し、さらに槙野智章のゴールとオウンゴール、関根貴大のゴールで前半のうちに5-1と、逆転するだけでなく、ほぼ試合を決めてしまった。
 後半も早々に遠藤航が決めて6-1とする。前半に大量点が入ると、後半は停滞してスコアが動かないことがあるが、この遠藤のゴールで後半もいけるぞ、と僕は思った。そして、こういうときにいつも思うのが、9点まで取れ! ということ。

 レッズは1999年、1stステージの最終節で名古屋グランパスエイトに1-8の大敗を喫した。この年、得失点差で降格が決まったレッズだから、この試合もそれに大きく影響したことは間違いないし、チームの最多失点記録となっている。
 レッズは7点まで取った試合が何試合かあるが、それが1試合最多得点。1試合最多失点の8失点を消すことはできないが、せめて最多得点記録を9点とすることで、心を癒やしたいという気持ちがある。だから6点、7点という大量得点の試合でまだ残り試合時間があるときは、いつもそれに期待してしまうのだ。

 この試合では6-1になったのが後半2分。ほぼ45分残っているのだから、あと3点取るのは不可能ではないはず。新潟には何の恨みもないが、今日を歴史に刻んでくれ、と願いながら試合を見ていた。
 だが、前半の再現はならなかった。6-1で勝ったのにちょっぴり残念という贅沢な終わり方だった。2試合無得点で連敗していたのだから、2点ずつ大宮戦と鹿島戦に回せていたらな、と馬鹿なことを考えながらミックスゾーンに向かった。

MDPから

スタートは2013年5月11日

 試合後、別の偉大な記録が打ち立てられたことを知った。
 阿部勇樹がフィールドプレーヤーとしてJリーグ新記録となる138試合連続先発フル出場記録を達成したのだ。
 この前年、Jリーグ通算500試合出場を成し遂げた阿部は、2013年4月27日の清水エスパルス戦で相手のカウンターを防ごうとして一発退場となり、次の試合を出場停止になった。そして5月11日、出場停止明けの鹿島アントラーズ戦で先発フル出場すると、そこから鉄人の記録を伸ばし始めた。
 2014年、2015年、2016年はレッズがJリーグで優勝争いをしながらも、それが叶わなかったという、好調であり残念極まりないシーズンだったが、その難しい時期を、キャプテンを務めながらこの記録を樹立したのは素晴らしいと思う。また500試合出場は、ジェフユナイテッド市原時代からの通算だが、この連続先発フル出場はすべてレッズで戦った記録。そこがうれしかった。また、この日レッズでの出場数も300に達した。

MDPでこういうページを作っているときは楽しい。全部で4ページになった

 そこまで言うなら、試合の前から覚えてろよって話だし、新記録の前、タイ記録の試合で注目されていたはずだ。僕も、そろそろそういう記録だというのは聞いていたが、前節は2連敗というネガティブな結果だったから、クラブもそっとしておいたのだと思う。

新潟戦の次のMDP。表紙で記録を祝った

 さて、みなさんは2017年5月14日、何をして何を感じていましたか?

※この内容はYouTube「清尾淳のレッズ話」でも発信しています。映像はありませんが、“ながら聞き”には最適です。
【あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~】は、レッズサポーターのみなさんから投稿を募っています。浦和レッズ30年の歴史をいっしょに残していきましょう。詳しくはマガジン「あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~」のトップページをご覧ください。


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