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読書:イエズス会の世界戦略 高橋 裕史

https://www.amazon.co.jp/イエズス会の世界戦略-講談社選書メチエ-高橋-裕史/dp/4062583720

なんだか物々しいタイトルですが、全然そんな感じではなく、中立に書いてあります。ネットであることないこと色々言われる伴天連やキリシタン大名たちですが、ネットの書き込みは信じちゃだめですね笑

今手元にないのでうろ覚えですが
イエズス会のこと、日本イエズス会の生糸貿易、インドイエズス会での収入など経済的な話、そしてなぜ長崎を要塞化しようとしていたのかなどなど。

日本は戦国時代なので、「布教活動より在日宣教師と日本人信者たちの安全の確保」が優先される問題にたびたび直面しています。当時の記録をよむと、戦になれば、毎回教会の物や財産などを命懸けであっちこっちに運んで、それでも戦で焼き討ちされたり、強盗に全て持ってかれてしまったり・・

ヨーロッパからの経済的支援は届かないか、届いても滞ってるかで、日本イエズス会は大赤字で(実際にヴァリニャーノは、このままでは日本のイエズス会士や信者たちは餓死する。と書いてたし、日本宣教から撤退も視野にいれるほどだった)経費を賄うため、生糸貿易を始めるのですが、これは聖職者にふさわしくない、と内外から非難が色々きてしまうという。

日本宣教の詳しいことは、クアトロ・ラガッツィにもかなり細かくかいてあって、本当に色々な人や考えや勢力があって、カトリックも一枚岩ではないし、ネットにあるような外国の勢力=悪という単純な話ではまったくなく。とても興味深いです。これからも色々本を読んで勉強していきたいです。






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