かかりつけ薬剤師の矛盾について

かかりつけ薬剤師という言葉に最近、違和感を感じます。

日本薬剤師会の定義によると以下になります。

「かかりつけ薬剤師」とは、薬による治療のこと、健康や介護に関することなどに豊富な知識と経験を持ち、患者さんや生活者のニーズに沿った相談に応じることができる薬剤師のことをいいます。
引用:日本薬剤師会ホームページ

言葉通りかとは思いますが「本行為を実施する薬剤師は当たり前である」という観点ではなく、「かかりつけ」という言葉にひっかかります。

なんだろうなと考えていると、日本の医療の特徴である「フリーアクセスとの矛盾」を感じました。こちらも日本医師会のホームページから引用すると

フリーアクセス
何の制限も受けずにどこの医療機関でも、どの医師にも自由に診てもらえて医療サービス(治療)が受けられる。世界には登録した医療機関を最初に受診しなければならない国もある
引用:日本医師会ホームページ

これは医師ですが、薬局で考えると

何の制限も受けずにどこの薬局でも、どの薬剤師にもみてもらえて医療サービス(調剤)が受けられる。

これって「かかりつけ薬局」と矛盾していませんか? ここに私は違和感を感じてしかたないです。日本の制度に逆らっている感じがして…

また、かかりつけ薬剤師のメリットは以下となります。

1、ひとりの薬剤師がひとりの患者さんの服薬状況を一カ所の薬局でまとめて管理し、かつ、それを継続して行う機能
2、24時間対応を行ったり、患者さんの自宅にお伺いし在宅医療を行う機能
3、処方医や医療機関と連携する機能
引用:日本薬剤師会ホームページ

フリーアクセスの利点を使うならば、なぜ患者さんに行くところを制限させるのでしょうか。

上記のことがメリットならば、薬歴、患者情報をクラウド化して「どこの薬局でも同じサービスが受けられる」という方向性に進めていけば良いと思いました。

もちろんセキュリティや技術的に難しいのは想像がつきますが、かかりつけの制度よりこちらを先に議論し進めるべきなのではないかな?と思ってしまったのです。

医療×ITの導入が弱いのが裏目に出ている気がしています。もし大学教育に医療IT学のような学問があれば少しは変わったりするのでしょうか。

何はともあれ、これからは医療×ITを勉強しなくてはならないと強く思った限りです。

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