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舞台トワツガイ感想レポ

舞台トワツガイに行ってきました!観劇したのは、16日18時の回です。普段はゲーム勢で2.5次元舞台は初めてでしたが、とても楽しめました!行ってみようか迷っている人向けに、感想をレポートしてみたいと思います(ネタバレありです)。

ゲーム初期を思い出す開幕

会場のサンシャイン劇場には開演30分ほど前に着きました。先に物販でパンフレットを買い、入場特典をもらってから席へ移動。席は1階席と2階席があるのですが、初めてなので舞台全体が見やすそうな2階席を選びました。実際、端から端までよく見えたので、全体の演出や動きが見たい人にはおすすめです。
開演10分前になると、カッコウ役の堀越さんのアナウンスが。上演中の注意事項を説明してくれるのですが、キャラクターそのままのボイスでテンションが上がりました。

いよいよ、開演です。聞き慣れたゲームBGMが流れ、ゲーム背景に似せたセットが現れます。そして舞台にスポットライトが当たると、カラス役の大西さんが登場!物語はゲームのチュートリアルの混乱しているカラスのシーンから始まります。わけもわからず戦場に引きずりだされたカラスの嘆きや怒りを演じる大西さん。意思の強そうな感じや凛とした佇まいがすごくカラスっぽい!演者が違うはずなのに、「ゲームで見たやつだ……」と思えてくるのが不思議でした。
続いて、ハクチョウ役の渡辺さんが登場。カラスにCAGEのシステムやペアを組んで戦う経緯を説明します。渡辺さんの優しい喋り方や穏やかな立ち居振る舞いも、ハクチョウの雰囲気そのものです。まだ距離感のある二人が懐かしく、ゲームを始めた初期の頃を思い出しました。
続いて、CAGEの面々が登場。副指令役の倉知さん、カッコウ役の堀越さん、ミヤマ役の梅原さんはゲームキャラの声優さん本人です。さすがにゲーム勢としては、ゲームで聞き慣れた声を生演技で聞けて興奮しました。

映像を使ったバトル演出

そこからは、ゲーム版の1章1部から順にストーリーが進んでいきます。カラスとハクチョウは司令に出会い、スズエナを助け、不本意ながら戦いに巻き込まれます。カラスの視点で物語が進み、徐々に世界観が明らかになっていきます。
見ていて驚いたのが、ストーリーの忠実さです。オリジナル展開や改変もあるのかと思っていたのですが、いい意味でゲーム準拠でした。逆にいえば、見せ場になるシーンは必ずやってくれるので、「この話のこのシーンが見たい」というのがある人は安心できると思います。

ゲームといえば戦闘ですが、戦闘シーンも舞台装置を駆使して、ゲームの雰囲気そのままに再現されています。たとえば、魔獣は舞台上のスクリーンに映像として表示され、その下で演者さんが戦闘の演技をするのです。さらに、メインキャストとは別に、敵キャラクターやモブのトリの演者さんがいるのですが、この方たちがとにかく格好いい!キレキレのバトルシーンについ目を奪われてしまいました。
そして、個人的に気になっていたのが、必殺技の原初の厄災。一体どうやって再現するのかと思っていたのですが、これもバトルシーンと同じく、スクリーンに映像を映すことで再現されていました。もちろん、ゲーム勢なら衝撃を受けたであろう、百合アローの演出も3次元映像で見られます。率直な感想を言うと、少しシュールだなとは思いましたが、私は好きだぞ……。

キャラの演技と小ネタ回収

物語が進むにつれて、登場キャラクターも増えてきます。双子、幼馴染、共謀のツガイに加えて、ツバメも登場。モズがいないのが寂しいところですが、ツバメ自体はストーリーにちゃんと絡んでくれて見せ場のシーンもあったので安心しました。
しかし、やはりゲーム勢としては、ゲームのキャラクターが三次元になって違和感がないかというのが一番気になるところ。正直、私も最初の方は違和感が全くなかったわけではありませんでしたが、物語に引き込まれていくうちに不思議と気にならなくなっていきました。むしろ、演者さんの演技や佇まいにキャラクターっぽさを感じるようになっていき、ゲームとは違った形でキャラクターの解像度があがりました。
個人的にすごく好きだったのが、ハチドリ役の藤井さんの演技です。ハチドリはサイコで狂人的なキャラなのですが、それを台詞だけではなく、落ち着きのない動きや怪しげな立ち居振る舞いで表現しているのです。ゲーム中の会話は基本立ち絵なので細かい動きはわかりませんが、演者さんが動きながら会話をしているのを見ることで、実際にキャラがいたらこんな感じなんだろうなと想像できて楽しかったです。
ちなみに、キャラ同士の絡みでは、フクロウの声が小さいネタや、スズメのいじられキャラなど、ゲーム中の細かい要素まで拾ってくれているのがよかったです。共謀のツガイ推しとしては、紙飛行機のエピソードをさりげなく拾ってくれていたのが嬉しかった……。ぜひ観に行く人はどこのシーンか探してみてください。

もう一つ、舞台ならではの良さが、毎公演のアドリブシーンです。物語の途中に、CAGEのメンバーがツガイの相性をチェックするため抜き打ちテストをするシーンがあります。ここで毎公演違うツガイが選ばれ、違う内容のテストを受けるのです。
私が見た回は、ハチツルの二人が選ばれ、「おでんの具といえば?」という質問に答えるというものでした。二人で同じ答えを出せればテスト合格なのですが、ハチドリ役の藤井さんは「昆布」、ツル役の野本さんは「ちくわぶ」と答えて失敗。どこまでがアドリブかわかりませんが、「なんて渋いチョイスなんだ……」と笑ってしまいました。毎回内容が違うので、そのときだけのやりとりを見られるのが、臨場感があっていいなと思いました。

迫真のラストと劇中歌

15分休憩を挟んだところで、物語は1章3部に入ります。3部のストーリーの肝といえば、やはりフクフラの活躍です。おそらくゲーム勢の多くの人が期待しているであろう、ラストにかけての熱いシーンもがっつりやってくれます。二人の掛け合いや切ないやりとりは、百合好きなら必見でしょう。
個人的に一番感銘を受けたのが、フクロウの闇落ちのシーンです。あの絶叫からの高笑いが、生で聴けるのです。小泉さんの熱量ある演技と狂気がすばらしく、「声優さんすげぇ……」と感動しました。小泉さんはメインキャラであるツガイの中で、ゲームと舞台両方に出演している唯一の演者さんです。やはりゲームプレイヤーとしては、ゲームで見た迫真の演技が生で見られるというのは、胸に来るものがありました。

3部4節までのストーリーが終わったところで、劇中歌のシーンに入ります。キャストさんが全員壇上に現れ、トワノユメを歌うのです。まさに大団円という感じで、シリアスな曲調とも相まってエモーショナルでよかったです。
そして、曲が終わると、メインキャストのカラスとハクチョウのシーンに切り替わります。激しい戦いを経てお互いを信頼した二人は、ツガイになることを決意し、宣誓の儀へと静かに向かっていくのでした……。

ゲーム勢だからこその楽しさ

という感じで、3時間近くにおよぶ舞台が終了。ゲーム準拠の部分、舞台ならではの部分両方ありましたが、確実に思うのは、ゲームプレイヤーだからこそ感じられる舞台の良さがあったことです。「このシーンはこんな戦闘をしていたのかな」「このキャラは普段こんな感じなのかな」などと、作品のイメージがより広がりました。
何より驚いたのが、リリース時に公開されたところまでのシナリオを全てやってくれたこと。舞台初心者だからより感じるのかもしれませんが、「このボリュームをこの値段で見ていいのか?」と心配になってしまうほどでした。
しかも、聞いてください。この公演、25日までやっていて、当日券も売っているのです……。もしゲームのファンで少しでも舞台に興味があるのであれば、ぜひ現場に行ってみてほしいです。きっと別角度から作品の良さを感じられるはずです!

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