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小説「弦月湯からこんにちは」(全15話)

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仕事も、住処も、すべてを失った。拾われた先は、銭湯だった。世界的なツァイトウイルスの流行によって、仕事も住処も失った山口壱子。ある朝、意を決して外に出た壱子が辿り着いたのは、ガウ…
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#中篇小説

小説「弦月湯からこんにちは」第10話(全15話)

小説「弦月湯からこんにちは」第10話(全15話)



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第10話



「壱子さん、ねーちゃん、まずは朝飯食いましょう。腹が減っては何とやらです」

 暦くんはそう言うと、ガスをつけて昨日の豚汁を温めはじめた。卵を三つ割って入れる。

「一汁一菜

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