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砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
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おそらく、きちんと読み直したのは十年近くぶりかもしれない。
こんなにも悲しくて苦しくなる物語だっただろうか。山田なぎさのやるせなさ、海野藻屑の悲劇、どれをとってもあまりにも無力で、わたしはかつてこの女の子たちと同じように砂糖菓子の弾丸を撃ち続けたり、へっぽこな実弾を持ち歩く子供兵士の一人だったことを思い出した。
担任教師が言う「子供に必要なのは安心だ。」これを至極真っ当だと納得できるようになったのは、わたしが大人になったからな気がした。十年前はきっとなぎさや藻屑とおなじように「安心ってなに」という気持ちだった。
子供だけのサバイバル。生き延びなければ自由や安心を自ら選択することができない。大切な誰かを救おうとすることさえままならない。
そんな無力さを思い出し、突きつけられる物語だった。
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