山上徹也、24歳の診断書
■「スキゾイドパーソナリティ障害」と診断されていた山上被告
事件後、奈良県警は任期制自衛官時代の2005年に自殺未遂をした山上徹也被告の診断書を入手しています。診断書の病名は
「スキゾイドパーソナリティ障害」
診断書では以下の分析がなされています。
「自殺念慮、厭世観は解決していない。背景には境界性パーソナリティと同質の攻撃性も抱えている」
山上被告の母親は山上被告が幼い頃は実践倫理宏正会にハマり、山上兄弟はネグレクトであったといいます。母親のネグレクトが夫婦の喧嘩の一因にもなっていたようで、時に父親は母親にDVを行っていました。父親のDVについては山上被告も記憶しているようで山上被告がXでポストしています。
マスオさんでお見合い結婚した父親は、義父(山上被告の母方の祖父)との折り合いの悪さや仕事のストレスから次第にうつ病・アル中を発症していき、山上被告が4歳の時に飛び降り自殺をしました。
山上被告の1つ上の兄は統合失調症を発症し、10代の頃から母親に暴力をふるい家で暴れていたようです。
父親の自殺、母親のネグレクト、統合失調症の兄、母親・妻に暴力をふるう兄と父…。
メディアは山上被告が事件を起こした原因・山上家が壊れた原因を、統一教会の高額献金によるものだと結論付け報道していますが、果たして山上被告が事件を起こした動機・山上家が破綻した原因は統一教会の高額献金、統一教会にだけあると結論付けていいのでしょうか。母親が統一教会にハマらなければ山上家は破綻していなかったのでしょうか。
母親が統一教会に入信したのは山上被告が10歳の時です。山上家は、それ以前のとっくの昔に壊れていたと思います。私は山上被告が事件を起こした要因は、山上被告自身の資質による部分が大きいと思っています。
メディアは山上被告・山上家にとって都合の悪い情報は報じません。安倍叩き・自民党叩きをしたいメディアにとって「山上被告は統一教会により事件を起こさざるを得なかった可哀想な被害者」「統一教会を放置しズブズブの関係だった安倍元総理は殺害されても仕方がない政治家」という都合の良いストーリーを作るためです。しかし、それが山上被告・山上家の真実の姿なのでしょうか。
メディアが報じない山上被告の本当の姿の一端を追っていきましょう。
■自衛官時代の挫折を吐露する山上被告
山上徹也被告と思われる人物が24・5歳の頃に「山上家をよく知る人物」に任期制自衛官時代の挫折を吐露した記述が残されています。
本書には、同時期に2人が交わしたメールのやり取りも記述されています。(*「→」は山上被告と思われる人物,「←」は山上家をよく知る人物)
『こころの荷物は愛でおろす[うつ病・統合失調症の青年たちとの交流記録]』で著者が、うつ病・統合失調症の対象としたのは山上被告の1つ上の兄と思われる人物です。兄と思われる人物には統合失調症がありました。統合失調症の影響か、その人物は10代の頃から母親に暴力をふるい家で暴れていたようです。
その後に、兄と思われる人物は「山上家をよく知る人物」を包丁で襲い無理心中をはかります。無理心中が失敗し、その人物は統一教会が経営する韓国の精神科の病院にも入院しますが、後に自殺をします。
メディア報道では、山上被告の兄は母親の献金で生活が困窮し自殺をしたと報道されています。しかし、本書を読む限り兄が自殺をした原因は困窮ではなく統合失調症による部分が大きかったのではないかと思われます。
「山上家をよく知る人物」は破綻した山上家を心配し、親身になって支援をしていた人物です。そんな人物を自分勝手な思いで巻き込み無理心中をしようとした兄。ネットの陰謀論を信じ安倍元総理を暗殺の対象にした山上被告。兄弟の行動には重なるものがあります。
■「山上家をよく知る人物」の正体
「山上家をよく知る人物」とは!?それはズバリ!事件後、メディアでインタビュー取材に応じていた統一教会の奈良の元教会長です。
山上徹也被告が事件を起こす1年前、自作銃などを密かに製造していた頃にX上で「YよりWへ。」とエアリプをしていた「W」だと思われます。
元教会長は、親身になり破綻していた山上家の修復を試みていた人物です。統合失調症の兄はそんな教会長(当時)を自分勝手な思いで包丁で襲い殺害をはかろうとました。
元教会長は今も統一教会の現役信者です。教会長を辞めた後も山上被告の母親とは定期的に連絡を取り合っている間柄だそうです。山上被告は、そんな元教会長に
「ですが、特にあなたを憎んでいる訳ではありません。(中略)
あなたも 統一教会を憎んでいるだろうと思ったからです。
憎んでいるなら、さぞかし深く深く憎んでおられるだろうと。
統一教会を、
文一族を、
許せないという思いがあるなら」
とエアリプながらメッセージを送っています。元教会長は教会長をしていた時から教団本部に対しても批判するべきところはズケズケと批判していた人物だったようです。山上被告は、何を勘違いしたのか兄と同様に自分勝手な思い込みで元教会長に「統一教会を憎んでいる」「文一族を憎んでいる」「憎んでいるなら、さぞかし深く深く憎んでいるだろう」と、まるで暗殺計画を一緒にやろうと誘わんばかりのエアリプを送っているのです。
親身になり破綻した家族の修復を試みていた人に兄弟揃って自分勝手な妄想を抱き一人は殺害をもはかっていたのです。
■山上被告・山上家の真実を隠蔽した!?鈴木エイト氏
鈴木エイト氏は3冊目の単著「『山上徹也』とは何者だったか」発売後に、奈良の元教会長から連絡があり対面しました。
その際、エイト氏は元教会長から「気配としてはあなたに似ている、あなたと徹也がそんなに遠いとは思わない」「印象としては似ている」と言われそうです。
エイト氏は、元教会長が書いた山上兄弟や山上家の様子が克明に綴られた『こころの荷物は愛でおろす[うつ病・統合失調症の青年たちとの交流記録]』の存在を知らなかったのでしょうか?事件後に山上被告の人生を追い一冊もの書籍まで出版したというのに『こころの荷物は愛でおろす』の存在に行き着かなかったのでしょうか?
いや、少なくとも元教会長と対面した時に、元教会長から山上兄弟や山上家の実態を聞かされていたはずです。
しかし、エイト氏から山上被告が精神疾患と診断されていた事実、兄が統合失調症で母親に暴力をふるっていた事実、兄が元教会長を包丁で襲い無理心中をはかった事実が発信されたことはありません。それはエイト氏にとって都合の悪い事実だからです。
エイト氏の実姉は統一教会の現役信者で、今も統一教会の間連団体の専従職員をしているようです。エイト氏の家族もまた実姉のことで統一教会に悩まされたようです。
エイト氏や全国弁連にとって山上被告は「統一教会の高額献金で家族が破綻した可哀想な被害者」「山上被告が事件を起こした原因は全て統一教会のせい」「統一教会とズブズブだった安倍は殺害されても仕方のない政治家」でなければいけないのです。そして、山上被告の事件を利用し彼らは彼らの私怨・私闘の相手である統一教会を潰すため、政府に解散命令請求を出させることに成功しました。
しかし、山上被告は本当に統一教会の高額献金だけで家族が破綻し、事件を起こさざるを得なかったのでしょうか。全ての原因が統一教会の高額献金にだけあると結論付けていいのでしょうか。
中立公平のジャーナリストと嘯き、自身にとって都合の悪い情報は決して発信しない鈴木エイト氏。エイト氏をジャーナリストなどと呼んでいいのでしょうか。しかし、それはエイト氏だけではありません。左傾化した日本のメディア全体がメディアにとって都合の悪い情報には「報道しない自由」を発動します。特に、統一教会報道ではその傾向が顕著です。
裁判は少なからず世論の影響を受けるといいます。エイト氏やメディアが形成した「山上同情論」「山上可哀想論」ではなく、山上被告・山上家の本当の姿を世間は知り、知った上で山上被告に正当な判決が下されることを望みます。
■常に職場でトラブルを起こす山上被告
専門学校を中退後、プー太郎生活を送っていた山上徹也被告は、親戚のすすめで任期制自衛官になります。自殺未遂後に任期制自衛官を退官した後は、事件を起こすまでの約20年間を正規職には一度も就かず派遣やアルバイトで過ごしています。
しかし、どの職場も長続きはせず最短では3週間で辞める有り様です。そして、どの職場でも必ずといっていいほどトラブルを起こしています。
事件後に海自関係者や山上被告の同期が、自殺未遂を起こし入院した際の山上被告の様子や海自で閑職におかれた理由、評判などを証言しています。
近年の山上被告の様子です。
24歳の時に診断された
「自殺念慮、厭世観は解決していない。背景には境界性パーソナリティと同質の攻撃性も抱えている」
山上被告は24歳当時から何も変わっていなかったことが分かります。いや、それ以上に自分の人生が上手くいかない理由を自分は一向に自分で人生を変える努力もせず、全て統一教会のせい・統一教会にのめり込んだ母親のせいにすることで自分を正当化し自分の人生から逃げていたのです。
安倍元総理暗殺事件は、他責思考の ″無敵の人″ が起こしてテロです。生育環境が悲惨だからといって無差別殺人を犯していい理由にはなりません。山上被告は、京アニ事件の青葉真司被告や秋葉原通り魔事件の加藤智大元死刑囚とどこか違うのでしょうか。青葉被告の生育環境も悲惨そのものです。でも青葉被告に「青葉同情論」「青葉可哀想論」は起こりません。ただ違うのは鈴木エイト氏を始めとするアベガーメディアがアベガーをしたいがために、間違った山上徹也像を作り上げ「山上同情論」「山上可哀想論」で世論誘導していることです。
秋葉原通り魔事件の加藤元死刑囚の動機を当初、メディアは非正規社員の派遣切りにあるとし大々的に報道しました。しかし、実際の動機は「ネット上で振り向いて欲しい」というものでした。メディアは裁判で加藤元死刑囚の本当の動機が分かってからは、メディアが意図した事件ではなくなったために一気に報道がボリュームダウンしました。
山上被告の裁判でも山上被告の実態が明らかになるにつけメディアの報道はボリュームダウンするかも知れません。ただ人々の記憶に残るのは「統一教会の被害者だった可哀想な山上徹也」「安倍と統一教会はズブズブ」だという過熱した初期の報道の記憶です。
裁判は少なからず世論の影響を受けます。裁判中にメディアや鈴木エイト氏は「山上同情論」「山上可哀想論」を仕掛けてくるでしょう。私たち一般人がメディアリテラシーを高め、真実を見極める目を持ち山上被告の裁判を見ていかなければいけないと思います。