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シェルターのいぬねこたちはどこから来るのか

私の通うシェルターに来る犬猫たちは
愛護センターから引き出した子達だ
道端にいた猫や犬(野良だけでなく捨てられてしまった子、迷ってしまった子を含む)は直接引き取らない。団体によっては引き取るところもあるらしいが、大体はセンター経由が普通だろう。

保護猫カフェには時折
「猫を保護したので引き取ってほしい」
という問い合わせがあるようだ

また先日、とある猫カフェに拾った猫を置いていくという事件が起きたというブログを読んだ
https://ameblo.jp/nekocafe-hitoyasumi/entry-12415974464.html

猫を拾うという行為それ自体は間違いではない。
むしろ優しい方なのだろう。
しかし、最終的に捨てるように
別の場所へ置いていく行為は
捨てた人と何も変わらない。

保護団体もできるなら全ての子たちを
保護したいが、飼育するのには限界がある。
きちんと目をかけてあげられる範囲というのは
それほど広くない。無理をすれば
すでにいる子たちも厳しくなる。
そうなっては元も子もない。
着実に1つの命を守らなければならないのだ。

つい先日も知人と
シェルターボランティアの話をしていたら、
その知人はこう言った。

「動物愛護センターって動物を殺すんでしょ!
愛護なんて名乗っちゃダメだと思う。」

ちなみにこの知人も犬を飼っているのだが
何とも言えない気持ちになる。
愛護センターの存在は悪なのだろうか…


確かに殺処分をする場所ではある。
昔は殺処分が主だった愛護センターだが
現在の愛護センターの仕事は
殺処分を減らすために譲渡会や
動物保護運動などの仕事の方が
はるかに多い。
犬猫たちのしつけ教室もある。

今は野良犬や野良猫は以前に比べれば
特に都市部は少なくなってきているし、
飼い主やその家族が自分たちの事情で
センターへ持ち込んでくることや
ペットショップでの売れ残ってしまった子や
繁殖業者が繁殖を終えた子などを捨てるなど
そんな理由でセンターにやってくる子が多い。

思っている以上に動物が身近な存在の
人たちほど動物を捨てたりすることの多さに
愕然とする。命を手放さないでくれれば
殺処分なんてしなくてすむのに。

動物も長く生きるようになり
最後まで看取るというのは簡単ではない。
今通うシェルターも老犬シェルターだから
毎日同じような日なんてない。
毎日、誰かが具合が悪い。

昨日できたことが今日できない
なんてことはほとんどだ。

世話をするのに
これほど大変なことはないけれど
それでもこの命が1日でも長生きしてくれるなら
それだけで嬉しい。
昨日具合が悪かった子が今日はご飯を食べた。
ずっと辛そうだった子が今日は穏やかにのんびりしている。
そんな些細なことが嬉しくなる。

この喜びはきっと、大変な介護も
自分たちの大変な事情があれど、
必死になって乗り越えた先で得られる喜びだ。

私はこれまでも自分や家族の事情から
動物を飼うことの難しさと向き合わなくては
ならない場面が何度もあった。

家族と話し合いや喧嘩になることもあったし
色々と悩むことも多かった。
動物に限ったことではないが、
育てたり、介護しながら暮らすというのは
本当に毎日葛藤と苦悩が多い。
正解もまた無い。



なにかの縁で動物と巡り合って、
迎えることになったなら
その命を最後まで繋いで欲しいと
これから動物を迎えたいと思う方々に
伝われば良いなと思う。

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