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行動力ファクター part2

今回のキーワード

#自己効力感   #結果の予期・効力の予期   #ダニング =クルーガー効果  #マインドフルネス   #遺伝子的自己防衛反応

行動力の原動力となるファクターについてpart1ではそのひとつであるリスクマネジメントについて解説しました。part2ではもうひとつの要素である自己効力感(セルフエフィカシー)について解説していきます。まず自己効力感とは、心理学的用語であり、かみ砕いて表現すると「根拠のない自信」といったところでしょうか。人間の行動力の根源になっているのはこの「なんとなく出来る気がするという感覚」であり、この自信が人間の行動サイクルを高速化させ、この自己効力感を上手に使える人は様々な行動をし、経験をし、成功する可能性が高いと言えます。勿論アテンプトが多いほど失敗経験も多いですが)

自己効力感という概念を生み出したのは、アルバート・バンドューラというカナダ人の心理学者であり、自己効力感は「結果の予期」、「効力の予期」の二つに分類することができるということを提唱しています。

まず「結果の予期」とは、例えば、「ダイエットに成功した」ときにどのような利点があって結果的に何を得ることができるのかということを予期する行為のことを指します。ダイエットに成功したら、今まで着れなかった可愛い服を着ることが出来たり、その他様々な結果を頭のなかで具体的にイメージすることで「なんとなくできそうだ」という自己効力感を高めることができます。この「結果の予期」がよりリアルなほど自己効力感は高められ、実現性が高まりますし、行動力を高めることができます。一方、「効力の予期」とはある行動をどれだけ上手くできるかということに関係しています。例えば、「企業したい」となんとなく考えている人がなかなか行動に移せないのはこの「効力の予期」がリアルではないからです。「企業は上手くいく」という効力の予期がリアルであればあるほど自己効力感は高まります。日本人が中々行動に移すことができないのはうまくいかないと最初から判断してしまっているからです。実際できるかどうかの可能性はやってみなければ明らかにはなりませんし、実際に動いてみることで実現性を計算することができるのです。

ダニング=クルーガー効果という言葉を知っていますか。ダニング=クルーガー効果とは、力の低い人物が自らの容姿や発言・行動などについて、実際よりも高い評価を行ってしまう優越の錯覚を生み出す認知バイアスと言われています。1999年にこの効果を定義したコーネル大学のデイヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーは、「優越の錯覚を生み出す認知バイアスは、能力の高い人物の場合は外部(=他人)に対する過小評価に起因している。一方で、能力の低い人物の場合は内部(=自身)に対する過大評価に起因している。」と述べています。このことより、人間は実際に行動してみることで実現可能性を直接実感することができ、正しい自己評価と自己効力感を得ることができるのです。その為にどんどん積極的に行動し、「なんとなくできる」という効力を自己の中に作り出すことが行動力の根源となるのです。「なんとなくできる」という考えは誰にも否定されず、自分の思考の中に自らの判断で定義される不可侵の思考法です。勝手に思っていたって他人から見透かされることもありませんし、できないと最初から思っているより精神的に健康でいられます。

我々人間がそれでも、「できっこない」と考えてしまうのは、遺伝子的な自己防衛反応なのです。例えば、山の中を歩いているとき、目の前にあるヒモが落ちていた時、「これはもしかしたら蛇かもしれない」と考えれば、その危険を回避することができます。人間は変化=危険と判断し、外に出れば襲われる危険があるという考え方を予め遺伝子の中にインプットすることで古代から自らの身を守ってきたのです。これは古代から危険の多い生活を強いられてきた日本人に特に強く根付いている固定観念であり、進化の過程で身に着けてきたものでもあります。ですが現代、日本は平和な国になりました、外を歩いていても突然獣が襲ってくることもありませんし、電車で隣に座っているひとに横から刺されることもありません。この現代では不必要となった固定観念が現代人の中に今だに根付いており、「なんとなくできないだろうなあ」と自然と考えることで安全社会において過剰に危険回避に走って行動に移すことができない日本人が多くなってしまっているのです。きっとあと500年経てば人間は進化して、自己防衛反応を失い、遺伝子的にもっと自由に行動に移すことができるのかもしれないです。しかし現代人は個人差はありますが、この古代からの悪しき風習が遺伝子に組み込まれている人が存在します。これを書き換えるためには、まず「自分と上手に対話し、自己効力感を高める」ことが大切になってきます。心理学的によく効果的だと言われているのは、「マインドフルネス」という自律神経調整法であり、私自身大学の心理学の講義で学んだのですが非常に効果的だと考えています。自分のなかで不必要な観念を排除することで、目の前のことに対して客観的な視点でみることができる非常に素晴らしい自己調整法です、次回はその一例を紹介したいと思います。

気になる方は、

私が影響を受けた心理学の先生のブログや著書を参考にしてみてください、


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