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届かぬメッセージ

「あなたの命が残り一週間だとして、会いに行きたい人は誰ですか?」
っていう投稿が、たまたまインスタに流れてきました。

私には、ずっとずっと胸の奥の深いところに眠っている人がいます。

6歳の時に生き別れた実父の名前をX(Twitter)で検索してみたら、アカウントがありました。
2021年に作成されたアカウントで、作ったきり、投稿はありませんでしたが、プロフにど田舎の出身地と「スキー・バイク・ギター・自動車修理・お酒・無職」って書かれてた。間違いない(笑)

アイコンは可愛らしい男の子の写真でした。きっとお孫ちゃんです。新しい家庭を持ち、娘さんが二人いると噂に聞いたので。(私とは異母姉妹にあたります)

今はどこに住んでいるのかわからないけれど、生きていて、SNSのアカウントを作るくらいの余裕があることはわかりました。

お互い生きているうちに会って、私に命を与えてくれたことのお礼を言いたい気もするけれど、愛娘の頭を撫でてほしい気もするけれど、出来ない事情もあります。
仮に私の命が残り一週間だとしても、やっぱり会えない。
それを、健康な今のうちに確認しておけたのはよかったかも知れません。最期の時にじたばたしないように。スマートに旅立てるように。

お父さん
私はあなたによく似ました。
音楽の道に進みましたが、特技はスキーとバイクです。お酒が好きです。割と異性にモテました(過去形)
唯一違うのは、私は働き者です。
ということは、あなたの進化版です。
さらに働き者の夫と、これまたあなたによく似た可愛い娘に恵まれ、幸せに暮らしています。
安心してください。恨んでなんかいません。
記憶の中のあなたは、そこいらの俳優さんより光るオーラを纏った美男子。
保育園の先生方が、みんなあなたに恋をしたことを知っています。若くして家庭に収まるような器量ではなかったのですよね。
あなたが私を溺愛してくれたこと、何十年経ってもちゃんと覚えています。バイクの油の匂いも、ギターで弾いていた「禁じられた遊び」も。
私に命を与えてくれたこと、心から感謝しています。会うことは叶わないけれど、今までもこれからも、あなたを想わない日はありません。
どうかいつまでもお元気で。

どこにも言う場所が無いので、noteに書きました。届かないけど。でもきっとそれがいい。