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初っ端の違和感

先日、体験レッスンの申込みがあった。
姉弟で習いたく、姉のほうは小5で、スタートが遅いのですが…とのこと。そんなの関係ねぇ。こちらは逆にやる気になる。

日程を決めていくやり取りの中、
「他のお教室の体験も受けておりますことをご承知おき下さい。」
との一文が目に入る。
ん?何をご承知すればいいのだ?
なんで急にそんな上からきた?

ピアノ教室=営利目的
一般的にはそうなのだろうが、うちの教室は少し違う。

私は児童発達支援士だ。
発達がゆっくりだったり、個性が強かったりで、他の教室では習えない子どもを優先的に受け入れている。ホームページのいっちゃん最初にそのように書いている。
重度自閉症の生徒もおり、一般的には想像のつかないような内容のレッスンだってしている。
ワーカホリックの夫がかなり稼ぐので、ぶっちゃけお金にも困っていない。
他の教室で問題なく習える子どもは、むしろそちらに行ってもらいたいのだ。

それを抜きにしたとしても、他に体験を受けていることを、わざわざ告げる必要があるだろうか?
私なら言わない。比べるけど言わない。
時間と労力を割いてくれる先生に失礼だ。臨む心持ちだって随分と変わる。
合わないと思えば、断る理由は如何様にもアレンジ出来るはず。世渡りってやつだ。
先に告げることで自分が断りやすくしようという、ずるい身勝手さが透けて見える。

・こちらの意図が伝わらない
・わざわざいらんことを言われる

初っ端に行き違うという事実は大切だ。
明らかに価値観が違うという証明になる。
初めから違和感を感じるご縁というのは、繋がないほうがいい。長いこと生きてきての知恵だ。無理して繋ぐと、後々さらに面倒なことが起こる。必ず。

他の教室で楽しくピアノを学べることをお祈りしつつ、丁重にお断りさせてもらった。
数年に一度、こういう違和感案件に出会う。
ダメなものはダメ。
残りの人生が少なくなっていく今、私を本当に必要としてくれる人のためにのみ働きたい。
いらんものはバッサバッサと切り捨てていく。冷酷人間上等だ。