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映画「さよならモノトーン」プロダクションノート

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10月6日公開・映画「さよならモノトーン」のプロダクションノートを一部公開いたします!
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#演出

9.撮影2日目 都内近郊

9.撮影2日目 都内近郊

この日は朝から雨だった。
幸いにも朝一は麻由美と中学生の修太が住んでいるアパートの撮影からだったので
雨の中、準備スタート。
とにかく、このアパートの
美術にはこだわったのを覚えている。
最上さんに無理を言って
イメージ通りの湿度の高い美術、装飾をしてもらった。細かいディテールまで出して
くれたことに感謝しながら
リハがスタート。
池津さん、細山田さんはかなりのベテランだか
修太役の大河原くんも刺

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8.撮影初日 ナイターロケ

8.撮影初日 ナイターロケ

学校を出た時はまだ16時、
稀な速さで撮影を終えて
陽が沈むのを待った、ゆっくりとスタッフにも
ご飯を食べさせることができた。
17時から準備開始。まずは居酒屋前の道
4人の歩き、ワンカット長回しだ。
これは撮影前から難しいと思っていた。
なぜならナイターで手持ちで長いストローク
4人の歩きを1カットに収めなくてはいけない、細かく言うと
カメラとともに手持ちで照明部も歩く、
更に都会のオフィス街の

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7.撮影初日 大学

7.撮影初日 大学

バンタンさんは前述の通り、協力の枠を超え
ありとあらゆる撮影のしやすさを提供してくれた。
まず、教室のシーンを撮影するのに多くの
学生エキストラを
そして、メイクスタッフを派遣してくれた。
これはスタッフ一同、大変助かった。
そして何よりも彼らはそこへ通う学生だ。
空気が出来ている。動きもスムーズ。
まずは教室の準備をはじめる。
教室は4シーン
・誠が穂乃果にランチを誘われるシーン
・美鈴が修太に

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6.撮影に関して 1日目【居酒屋】

6.撮影に関して 1日目【居酒屋】

4月某日クランクイン前日、
私は都内某所の撮影場所近くのホテルに前乗りした、自分だけ
前乗りしてやりたいことがあったからだ。
それは、初日に撮影する居酒屋へ行くこと。
ただ飲みに行きたいだけと思われただろうが
私の目的は実際に営業しているお店に存在して空気を感じること。
細かく言うと店員さんの動きや声、お客さんの動線を確認することだった。
これは、俳優部に求める事と同じだが
監督として撮影場所の空

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5.リハーサルに関して

5.リハーサルに関して

そして3日目、遂に修太と美鈴のリハ日。
私は一番、実は悩んでいた。美鈴の持つ母性と光をどこまで
放出させるかを悩んでいた。
リハが進んでも悩んでいた、はっきりとさせたくない反面
はっきりとさせないといけない存在の美鈴。
リハを続けながら徐々に答えが見えてきた、それは向き。
向かい方だ。人と人は必ずしも正面を向いてずっと話さない。
その表現をしてみようと思った。
横並び、もしくわ斜め、あるいわ後ろ向

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