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【無料】英語リスニングアプリのおすすめ5選|帰国子女が教える総合的に英語力向上させる方法

「英語が聞き取れなくて、悔しい」

そう思った事は、ありませんか?

私も初めてロンドンに行った時、何を質問されても首をかしげる事しか出来なくて悔しかったです。

実は、ネイティブは1分間の間に160~200個の単語を話しています。これは、1秒間に約3単語のスピードで話しているということになります。

では日本人は、このスピード感に慣れるために英語を聞き流す練習だけをすればいいのか?

残念ながら、それは間違いです。

リスニングを聞き取れるようになる為には、目的のシーンごとで

・ボキャブラリー
・文法
・音声知覚
・業界知識や専門知識が不足

の弱点を克服しておく必要があります。

そこで本記事では、帰国子女の私が教える【目的】×【弱点】で考えるアプリの選び方と、英語リスニングの無料アプリのおすすめ5選を紹介します。

また私は帰国してから25年間、英語を使う環境にいなかったのですが、未だにTOEIC900点以上をキープしてリスニング以外の英語力も衰えさせないでいます。その秘訣も、記事の後半で紹介します。

ぜひ確認してみてくださいね。

英語リスニングアプリの選び方

あなたに合った英語リスニングアプリは、あなたの【目的】を満たして【弱点】を克服してくれるアプリです。【目的】の早期達成の為には、あなたが聞き取れるようになりたい内容をスクリプト(台本)として採用しているアプリが良いですね。また、あなたの【弱点】をフォローしてくれる学習機能を備えているものを選びましょう。

【目的】同僚に話す英語でプレゼンすると笑われる?!

英語リスニングを上達させたい目的は人それぞれです。

・日常会話ができるようになりたい
・仕事で英語を使用したい
・TOEICのリスニングで点数UPしたい

リスニング力を上げる為には、聞き取りたい目的のシーンで使用されている英語に慣れた方が上達が早いです。同僚に使うカジュアルな英語を聞き取れるようになりたいのか、プレゼンで使用されるビジネスフォーマルな英語を聞き取れるようになりたいのかによって、選ぶべきリスニング教材は変わってきます。

【弱点】聞き取れない理由は、耳が慣れていないは勘違い?!

あなたのリスニングの弱点は何? (1)

英語の聞き取りを阻む壁は、大きく分けて以下の4つがあります。

1.ボキャブラリーが弱い
2.文法が苦手
3.音声知覚が弱い
4.業界知識と専門知識が不足している

台本(スクリプト)を活字として理解出来ない場合はリスニング以外の強化が必要です。まずは、ボキャブラリーから見直しましょう。もし、スクリプトに記載されている単語は大体わかるのに、内容の結論がわからない場合は英語独特のフレーズなどの文法が弱い可能性があります。反対に、スクリプトリーディングはできるのに聞き取れない場合はリスニング力の特訓が必要です。英語独特の音に慣れていない場合は音声知覚の強化を、英語を聞き取れているのに内容を理解できない場合には背景知識の学習をしましょう。

このように具体的に自分が聞き取れない弱点を突き止めて対策を取った方が、再現性のある安定したリスニング力を最終的に体得できます。

1.ボキャブラリーが弱い
海外の研究によると、英語の文章を理解する為には、その文章中の単語の95%以上を知っている必要があるとのことです(Laufer 1989)。さらに英語の文章の機微を楽しむ為には、98%以上の単語を知っている必要があるとも言われています(Hu and Nation 2000)。

200万人のネイティブの語彙力を調査したところ、20,000~35,000単語であることが分かりました(Test Your Vocabulary- Blog 10 May 2013)。このことから、ネイティブ並みの英語力を獲得するためには、

20,000~35,000単語×95~98%
=19,000~34,300単語

も知っている必要があります。
しかし、最初からこのレベルを目指すのはハードルが高すぎます。

一方、同調査によると、英語圏からの帰国子女の語彙力は10,000単語程度であることもわかっています。この単語数でも、ネイティブとは十分にコミュニケーションは取れますし、外資系企業の転職も目指せるので、まずは10,000単語を目標にしましょう。

自分の語彙力の単語数レベルがわからない場合は、Test Your Vocabularyが提供しているテスト結果を参考にしてみるのも1つの手です。

2.文法が苦手
文法が苦手な最大の原因は、日本語と英語の動詞の位置の違いによって、内容が理解しにくいことです。

日本語⇒SOV型 (1)

英語文法の知識は最低でも中学英語レベルは合った方が望ましいです。しかし、教科書を引っ張り出してくるのではなく、まずはリスニングをして、分からなかった部分を学習するという事を繰り返した方が学習が捗ります。

第2言語習得論に業績を持つ、白井恭弘教授は下記のように主張されています。

『言語習得に必要な最低条件は、「インプット+アウトプットの必要性」であり、それさえあれば頭の中のリハーサルによって言語習得が行われる。』                                                                 出典:「外国語学習の科学」


まずは、文章中にある単語の並び方を意識して下さい。そして、誰が(S)、どうしたのか(V)、何に対して(O)を聞き取れるようになりましょう。もちろん、「O」がない文型もありますが、スクリプト全体を通して「S・V・O」が聞き取れるようになれば内容がだいぶ分かるようになります。

3.音声知覚が弱い
「音声知覚が弱い」とは、英語のリーディングやライティングはできるのに、それを音声では聞き取れない状態の事です。これが起こるのは、英語の発音には下記のような独特な特徴があるからです。

・アクセント
・イントネーション
・リズム&スピード
・単語と単語のつながりよる音の変化(リエゾン)

なお、音声知覚を強化するためには、記事の後半にご紹介する「シャドーイング」がおすすめです。シャドーイングとは、音声を聞き取った後に自分で発声する練習方法です。

英語教育を研究している門田修平教授は、「リスニング」と「シャドーイング」について下記のように述べています。

『シャドーイングを積むと、復唱や発音速度という学習者の調音能力が鍛えられます。すると、音声の知覚能力だけでなくリスニング能力も引き上げられるのです。』       出典:「目指せ!100万語シャドーイング」

要は、英語をネイティブの速さで発音できるようになると、耳もその速さを聞き取れるようになるという事です。

4.業界知識と専門知識が不足している

業界知識と専門知識とは、時事用語や専門用語などの意味を理解していることを指します。一見、英語力とは関係のなさそうな知識ですが、ニュースから聞き取った内容を理解する為には重要な知識です。実際、通訳者・翻訳者の養成校のサイマル・アカデミーでは、そのカリキュラムに業界知識や専門知識を学ぶ講義が盛り込まれています。英語ができる通訳者に対しても、こういった講義が必要である事から、リスニングした内容の理解には一定の教養が必要であることがわかります。

【目的】×【弱点】で自分に最適なアプリを見つけよう

あなたに最適なのは、【目的】に合った内容のスクリプトが使用されていて、【弱点】に寄り添う学習機能を備えているアプリです。

1.あなたの【目的】で実際に使用する内容のスクリプトが読み上げられている

あなたの【目的】に必要なスクリプト

英語を実際に使用するシーンにヤマを張って、リスニングを学習した方が実践的です。

2.あなたの【弱点】に寄り添う学習機能を備えている

あなたの【弱点】に必要な学習機能 (1)

どの弱点を持っていたとしても、「スクリプト表示」の学習機能をもっているアプリが特におすすめです。聞き取った内容の答え合わせの時に必要になります。

無料の英語リスニングアプリおすすめ5選

【目的】×【弱点】で自分に合ったアプリを選べるように表にしました。複数のアプリで学ぼうとすると、時間と集中力が分散するので、なるべく1つだけを選んで使い倒しましょう。迷う場合は、リスニングしたい内容を教材にしているアプリを選ぶと学習が継続できますよ。

【完成ver-2】課題5-のコピー-Google-ドキュメント

・VoiceTube:動画で英語が学べるFacebook App of the Year 2016を受賞したアプリです。
・VOA learning English:アメリカ国営のラジオ局が運営している英語教材アプリです。
・NHK World Japan:NHKの国際放送です。
・TED:「広める価値のあるアイディア」という理念のもと、各専門家がするプレゼンを視聴できるアプリです。
・Listening for TOEIC Test :TOEICリスニングと同じ形式の問題を豊富に提供してくれるアプリです。

気になるアプリは見つかりましたか?

上の表から選んで頂いたアプリをもとに、下記に【学習方法】を記載しました。ご自身の【目的】にあった、該当の箇所をご参考ください。

VoiceTube

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【学習方法×目的】日常生活で英語が聞き取れるようになりたい
全ての動画スクリプトに対して単語検索機能がついているアプリです。わからない単語を辞書で引くのが面倒くさい方は、スクリプトの単語をタップするだけで意味が知れるのでとっても簡単。「映画」で検索すると作品の動画をスクリプト付きで見れるので、楽しく生きた英会話を学べます。

【学習方法×目的】仕事で英語が聞き取れるようになりたい
字幕モードのボタンで、「英語だけ」と「英語+日本語」のスクリプトの切り替えができるアプリです。ニュース英語を聞き取るのはハードルが高いけど、聞き取れるようになりたいという人は「社会」のタブにあるスクリプトから始めると良い練習になります。

VOA learning English

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【学習方法×目的】日常生活で英語が聞き取れるようになりたい
再生速度を0.5倍~2倍まで、0.25倍速刻みで調整できるアプリです。スクリプトは、読み上げられるタイミングで1文ずつハイライトされるので、文法が苦手な方は文章中にあるSとV(必要に応じてO)を意識的に認識するようにしましょう。

【学習方法×目的】仕事で英語が聞き取れるようになりたい
アメリカについて良く知るためのスクリプトが豊富に用意されているアプリです。アメリカでは、社会人が時事ネタやアメリカの歴史を知っている事は常識です。このアプリのProgramsにはAmerica’s PresidentsやAmerican Storiesなどのカテゴリーが設けられています。リスニング力を上げながらアメリカの常識も身につくので一石二鳥です。

NHK World Japan

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【学習方法×目的】日常生活で英語が聞き取れるようになりたい
海外で日本を説明する時に必要な英語力を身につけられるアプリです。平易な英語で、ややゆっくりニュースが読み上げられるので、聞き取りやすいです。普段、日本語で見ているニュースが英語ではどのように表現されているのか、答え合わせをしながらリスニング学習をすることができます。

【学習方法×目的】仕事で英語が聞き取れるようになりたい
信頼できる情報を英語で入手する時に便利なアプリです。例えば、地震などの突発的な出来事が合った場合、状況の把握と説明が求められます。その際、正確な情報を正確な英語で伝えなくてはいけませんが、そういった時はNHKの英語が役に立ちます。例えば、「Meteorological Agency」= 「気象庁」という語彙は、普段からニュースをリスニングしていないと出てきません。

TED

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【学習方法×目的】日常生活で英語が聞き取れるようになりたい
イーロン・マスクやスティーブ・ジョブスなどのプレゼンが聞けるアプリです。アカデミックな内容を聞き取れるようになりたい人におすすめです。字幕はありますが、英語のスクリプトはないので他のアプリよりは難易度が高めです。但し、スピーチの内容は面白いので知的好奇心が強ければリスニング学習は捗ります。

【学習方法×目的】仕事で英語が聞き取れるようになりたい
人に想いを伝える為に必要な英語表現を学べるアプリです。プレゼンや交渉において、人の興味を引いたり、自分の情熱を伝えたい人におすすめです。単純に、自分が興味がある分野のプレゼンを聞くのも良いですが、自分の仕事の専門分野を検索してヒットする人のプレゼンを聞くと実践的な学習につながります。

Listening for TOEIC Test

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【学習方法×目的】仕事で英語が聞き取れるようになりたい
仕事で使用するフォーマルな英語を学べるアプリです。仕事でカジュアルな英語を使用すると、失礼になったり幼く見えたりします。このアプリのPart2(Questions & responses)、Part3(Short Conversations)、Part4(Short Talks)では、職場で使われている自然な英語を学べます。しかも、自分の聞き取りが正しいのかも質問形式で確認できるので効率的です。

【学習方法×目的】TOEICの点数をあげたい
TOEICのリスニング問題を集中的に学べるアプリです。資格試験の一番の対策は、やはり本番と同じ質問形式に慣れる事でしょう。本アプリは、TOEICのリスニングアプリのなかでも、デザインがシンプルなので使用しやすいです。また、リスニング後には答えだけでなくスクリプトも出るので、確認や復習がすぐにできます。

無料リスニングアプリで総合的に英語力をあげる学習方法

リスニングアプリで1歩先の英語力を! (1)

リスニングアプリを「ディクテーション」と「シャドーイング」の教材に使用する事によって、あなたの英語力は更に増します。

「ディクテーション」をすると、リスニング力だけでなく英語の「読む・書く・話す」も向上します。また、「シャドーイング」が出来るようになると脳の英語処理速度が上がってスピーキング力がすごく伸びます。

「ディクテーション」とは
ディクテーションとは、聞き取った英語を筆記する学習方法のことです。

ディクテーションは少し手間がかかるトレーニング方法ですが、初級~上級レベルの全ての方にメリットがたくさんあります。

・英単語やフレーズの正確に覚えられる。
・発音や音声知覚の改善につながる。
・発声される全ての単語を書き取らなくてはいけないので、通常のリスニングでは聞き流してしまっている部分も漏らさないようになる。

ディクテーションの効果について、名古屋大学の杉浦正利教授は下記のように述べています。

「 ディクテーション形式のリスニングトレーニングには学習効果がある。」
出典:「リスニング能力養成のための自律学習:ディクテーションの効果」

リスニングのように、通勤時間中に終えられる学習方法ではありませんが高い効果が期待できます。

ディクテーションでは、一語一語しっかり聞き取る意識が強く働くため、レベルが高い教材を選ぶと、リスニングでは何となく理解できていた内容も、ディクテーションでは書き取れなくなり挫折してしまいます。自分には少し易しいかもしれないと思うレベルのスクリプトから始めましょう。

「ディクテーション」のやり方
ディクテーションにおすすめのアプリは、「Voicetube」と「VOA learning English」です。英語レベルからスクリプトを選びたい場合は前者、再生速度を調整しながらディクテーションを行いたい場合は後者を選んでください。

「ディクテーション」は次の5ステップで行います。

1.最初から最後まで一通りリスニングしましょう
2.音声を止めながら聞き取った内容を書き出す
3.音声の停止と再生を繰り返して、限界まで書き出す
4.書き出した内容とスクリプトを照らし合わせて、答え合わせする
スクリプトを見ながらリスニングに合わせて読み上げる。

ポイントは手順4の答え合わせで、間違えた内容と理由をよく分析することです。音声知覚が弱いのか、それとも聞き取れているのに綴りを間違えているのかによって弱点の克服の仕方が異なります。また、手順5の読み上げの際には手順4で間違えた部分を意識すると、記憶の定着につながやすくなります。

少し根気はいりますが、この方法を繰り返せば英語の4技能(読む・聞く・書く・話す)がバランスよく上がります。

「シャドーイング」とは
シャドーイングとは、輪唱のように、リスニングした単語から2~3語遅れて、聞き取った内容を真似して発音することです。この練習方法は、聞き取った英単語を記憶した上でスピーキングを行うので、英語初心者の方には不向きです。ある程度、ディクテーションに慣れてから始める事をおすすめします。

シャドーイングの教材には、ディクテーションで使用した教材と同様に、「スクリプト」と「再生速度調整機能」がついているアプリを選びましょう。

シャドーイングのメリットは下記の通りです。

・正しい英語の発音が身につく
・正しいイントネーションが身につく
・英語の処理速度が上がって、ネイティブのような思考回路が身につく

シャドーイングは、プロの英語通訳者も訓練で使用する方法なのでレベルは高いです。しかしネイティブのレベルを目指すのであれば、効果は高いといえるでしょう。

「シャドーイング」のやり方
シャドーイングにおすすめのアプリは、「VOA learning English」です。このアプリに加えて、自分の声を録音できるものも用意しておいてください。

では、「シャドーイング」のやり方を説明します。

1.最初から最後まで一通りリスニングしましょう。
2.スクリプトを見ながら、音声と同じタイミングで発音する。
3.スクリプトを見ずに、リスニングした単語から2~3語遅れて発音する。

手順2で、自分の発声速度がリスニングの発声速度に比べて遅れていないか確認してください。また、手順3のタイミングで自分の声を録音し、教材から流れてくる発音と同じになっているか答え合わせをしましょう。

英語には巻き舌を使用したり(「R」)、舌を嚙みながら出す音(「Th」)など、日本語にはない発音があります。慣れていない音に対して、耳は認知しづらいです。一方、耳が認知できるようになっても、口が慣れていないと正しい発声にはつながりません。脳を介して、耳と口に新しい回路をつくるつもりで練習の数をこなしましょう。

まとめ

リスニング力向上の為には、【目的】を明確にしてから【弱点】を克服するトレーニングが必要です。

【弱点】には、

・ボキャブラリー
・文法
・音声知覚
・業界知識や専門知識が不足

がありました。

【目的】×【弱点】から自分に合ったアプリを選んで、効率的にリスニング力を上げて下さい。そして、余裕が出てきたら「ディクテーション」や「シャドーイング」にも是非挑戦してみてください。英語力に自信がつくだけで、「情報収集の幅」や「ビジネスチャンス」が広がって、ご自身の可能性が飛躍すること間違いなしです。

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