詩「つちくれ」
涙はもう涸れてしまいました
あのことについては
才能はもう涸れてしまいました
わたしの創作の泉から
もう才能は
一滴だって出そうにありません
意欲もまた涸れてしまいました
水分をうしなって
乾いた井戸のようにつちくれだけになって
風の通り過ぎた原野のようにほこりだけたって
けれども指で掘ると
土はさらりとした粒に分解されて
どこまでも
どこまでも
さらりと渦をつくって巻く
その乾いた砂地に
いつかかならず慈雨がくる
そのために
つちくれは
いちど渇ききる
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