見出し画像

沈黙で人を動かす

家族全員で朝から晩まで過ごす週末は、賑やかで楽しいものだ。しかし、賑やかね〜、と笑っていられる状態には限界がある。

0歳児が泣き喚き、3歳児が部屋を散らかし、夫が何も手伝わないという状況になってくると

「散らかさないで」「洗濯干すくらいしてくれ」「テレビはもう終わり」「食べ終わった食器くらいシンクに持って行ってよ」「ヒカキンは1回までって言ったでしょ」「ゴミはゴミ箱へ…」

と、まぁ、数多の言葉が頭の中を駆け巡る。

これらの言葉は口から出しても良いのだけど、それはぐっとこらえてやめている。理由はどうしても言葉の上に感情が乗ってしまうからだ。

「言葉の力で人を動かす」

確かにそれは可能なのだが、冒頭に挙げたような内容の言葉はそれが持つ意味以上にそこに乗った怒りや悲しみの感情の方が伝わってしまい、相手が思い通りに動いてくれることは少ない。

なら、どうすれば良いのか?

自分ではなく環境に語って貰えば良いのだ。

人は環境で作られる、という言葉もあるように、人間は環境によって変化する生き物だ。

子供に勉強しなさい!と口うるさく言うくらいなら、当たり前のように勉強をしている集団に所属させればいい。痩せたいなら、痩せている人と一緒に行動すれば良いのだ。

そんなわけで、私は今、食器を洗い、洗濯を干し、テーブルを拭き、黙ってパソコンに向かっている。

テレビを見ていた夫は、理由は定かではないが、先ほどタスク処理を始めた。

めでたし、めでたし。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?