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「綺麗な卵焼きが作れるようになったんだ。」この一言がいいたくて。

「綺麗な卵焼きが作れるようになったんだ。」


この言葉は私が大学5年間で
ずっと口にしたかった言葉で

大学5年間を凝縮した言葉だ。


* * *


大学1年生の夏。

料理を始めた自分は他の料理と同じように卵焼きの具材を用意して、
卵焼き用のフライパンにオリーブオイルと1/3の量の卵液を流し込む。

ちょっと火を通したら卵を片側に巻いていって。

また1/3の卵液を流し込んで卵を巻いて。


これをあと1回行えば、卵焼きは完成する。

はずだった・・・。



これが大学生になって料理の虜になった私が
初めて何度作っても失敗する料理、


「卵焼き」に出会った瞬間であり


「綺麗な卵焼きが作れるようになりたい」
という想いを心に刻んだ瞬間だった。


* * *

この瞬間から4年半経つ、今。

「綺麗な卵焼きが作れるようになったんだ。」


ずっと言いたかった言葉をやっと、言えるようになった。

そして思う。

「もうすぐ社会人になる自分に大切なことは、
卵焼きが教えてくれたのではないか。」
と。


ぜひ、私の大学5年間がつまった「卵焼きを作れるようになるまで」を
一緒に体験してみてもらえたら嬉しいです。



1: 「綺麗な卵焼きを作りたい」私

さて、「綺麗な卵焼きを作りたい。」
私は突然だが、強くこの想いを抱くようになった。


では「綺麗な卵焼き」とはどんな卵焼きだろう。

・ダシたっぷりのだし巻き卵
・ちょっと甘い家庭的な卵焼き
・ねぎが中にたっぷり入った変化球卵焼き

とかだろうか。

もしかしたら
「落ちついた居酒屋で出てくるようなダシたっぷりの卵焼き」のように
もっと具体的な卵焼きを想像するかも知れない。



そう、「綺麗な卵焼きを作りたい」と思った私が次にすることは

「〇〇のような綺麗な卵焼きを作りたい」と少し具体的な目標を持つことだ。



2: 「〇〇のような綺麗な卵焼きを作りたい」私  

さて、作りたい卵焼きが決まった私は次に何をするだろう。


・卵焼きの定義を調べる
・卵焼きの起源を調べる
・卵焼きとTwitterで検索する

本当にそうだろうか。


おそらくあなたは

・卵焼きのレシピを調べる
・母親に卵焼きのレシピを聞く


この辺を想像したのではないか。



そう、「綺麗な卵焼きを作りたい」と思った私が次にすることは

「どうしたら卵焼きを作れるようになるか」を知ることだ。



3: 「卵焼きの作り方を知った」私

さて、卵焼きの作り方を知った私は次に何をするだろう。


・卵焼きの作り方を調べて満足する
・卵焼き作りのプロに話を聞きに行く
・美味しい卵焼きを食べに行く

本当にそうだろうか。


おそらくあなたは

・レシピを見て満足することなく
・ボウルを取り出して卵を割って
・醤油とダシとちょこっとの塩、砂糖を入れてかき混ぜ
・卵焼きのフライパンに油を引いて卵を焼く

という、卵焼きを作ってみることを想像したのではないか。



そう、「綺麗な卵焼きを作りたい」と思った私が次にすることは

「卵焼きを作ってみる」ことだ。



4: 「卵焼きを作ってみた」私

卵焼きを作ってみた私は、

フライパンに卵がくっついて焦がしてしまった。
四角形に整形しようとして三角形になってしまった。
慎重に焼きすぎてパサパサになってしまった。


そう、卵焼きを作ってみた私は明らかに卵焼き作りに失敗してしまった。


さて、卵焼き作りに初めて失敗した私は次に何をするだろう。


・やっぱり卵焼き作りは母の方がうまいから、卵焼きは母に任せて自分は目玉焼きを極めよう
・卵焼き作りは諦めて、美味しいところで買おう

本当にそう思うだろうか。


これらの行動が違っていると言っている訳ではない。
ただ、心から

「〇〇のような綺麗な卵焼きを作りたい」と思っているとしたら。



「失敗しても卵焼きを焼き続ける」かもしれない。


失敗を繰り返す中で

💥 卵がフライパンにくっついて焦がしてしまった 
💡 途中でフライパンに油を追加すると焦げない

💥 四角形に整形しようとして三角形になってしまった 
💡 フライパン返しとフライパンの縁を有効活用すると四角になる

💥 卵がパサパサになってしまう 
💡 材料を混ぜる時に少量の水を加えるとパサパサにならない

1つ1つうまくいくコツを学んでいけば良い。


コツを覚えるということは、

1️⃣ 失敗観察する
2️⃣ 失敗した点把握する
3️⃣ 失敗した点への改善策考える
4️⃣ 改善策実行してみる
5️⃣ 実行して失敗か成功かの結果を得る

の繰り返しで得られる。



そう、「綺麗な卵焼きを作りたい」と思った私が次にすることは

「失敗したことからうまくいくコツを学び、諦めずに卵焼きを作り続ける」ことだ。



5: 「失敗したことから学び、諦めずに卵焼きを作り続けた」私

こうして失敗を重ねた私は
ようやく始めて普通の卵焼きを作れるようになる。


俗に言う「成功」だ。


さて、卵焼き作りに初めて成功した私は次に何をするだろう。


・満足感に浸って卵焼き作りをやめる

そういう選択もあるかもしれない。
ただ、心から

「〇〇のような綺麗な卵焼きを作りたい」と思っているとしたら。


何回作っても「成功した普通の卵焼き」を作れるようになるまで

卵焼きを作るだろう。


その中で「何度も同じように作れる」ためのコツを覚えていくだろう。



そう、「綺麗な卵焼きを作りたい」と思った私が次にすることは

「普通の卵焼きを何度作っても成功するコツを見つける」ことだ。



6: 「卵焼き作りで成功するコツを見つけた」私

さて、こうして卵焼き作りの再現性を手に入れた私は次に何をするだろう。


ここまで来たら、より良い卵焼きを求めて


・出汁を多めに入れてだし巻き卵を作る
・ネギ入りの卵焼きを作る
・韓国風卵焼きを作る

などと、これまでの卵焼き作りの経験を応用していくだろう。



そう、「綺麗な卵焼きを作りたい」と思った私が次にすることは

「卵焼き作りが成功するコツを応用してみる」ことだ。


* * *

ここまで来た私、もしかしたらあなたは

卵焼き作りを心から楽しいと思い、
好きなように卵焼き作りをし続けられるかもしれない。


では、次のような場合が途中であったとしたら、

私たちはどうするのだろう。



番外編1:「卵焼き作りの機会がほしい」私

卵焼き作りの経験をとにかく積みたいと思っていたある日、
お母さんが「明日の朝食の卵焼き作らなきゃ」と言ったとする。


心から「〇〇のような綺麗な卵焼きを作りたい」と思っているとしたら。


心から「卵焼きがうまくいくコツ」や「卵焼きが成功するコツ」
を得るための機会を欲していたとしたら。


私たちはどうするだろう。


「私が卵焼き作ってもいい?」と聞くだろう。



そう、卵焼き作りの機会がほしいときは「手を挙げて機会を取りに行く」。



番外編2:「卵焼き作りで頑張りすぎた」私

自分から卵焼き作りの機会を取りに行き、

卵焼き作りの失敗や成功を経験した私は
頑張りすぎて心身ともに疲れてしまった。


私たちはどうするだろう。


・それでも自分の心を殺して卵焼きを作り続ける

だろうか?


ぜひ、疲れたときはまず休んでみてほしい。


休み方は色々あるけれど、

・とにかく眠り続ける
・小説を読む
・体を動かす
・旅に出る
・仲の良い友人と話す

などがいいかもしれない。

他の方法も色々あるだろう。


心が復活したら体も復活するし、また逆も然り。
心と体が復活したら元気が出てくる。

そうしたらまた卵焼き作りを再開すればいい。


* * *

1番悲しいことは
頑張りすぎて心や体を壊してしまい、卵焼きが二度と作れなくなること。


そして
卵焼き作りが「好きなこと」から「大嫌いなこと」に変わってしまうことだ。


こうなることが悲しいとあなたが共感するとしたら、

ぜひ頑張り過ぎて心身ともに疲れたら、休んでほしいと思う。



番外編3:「卵焼き作りで失敗することが怖くなった」私

卵焼き作りで少しの成功とたくさんの失敗を経験した私は、

卵焼きを作ろうとすると
失敗ばかりを思い出してナーバスな気持ちになることが増えてしまった。


私たちはどうするだろう。


ぜひ、「上手くいったポジティブな記憶」を思い出してほしい。


・上手に卵焼きが作れた記憶 
・今朝美味しいお味噌汁を作れた記憶 
・昨日の晩に早く美味しい夕ご飯を作れた記憶 

とかでもいい。


とにかく、ポジティブな記憶を思い出して

自分を責めない状態を作ってあげてほしい。


そしたらきっと、卵焼き作りがまた楽しくなる。


* * *

最後まで読んでいただきありがとうございました。


「綺麗な卵焼きが作れるようになったんだ。」


この一言には、こんなお話が詰まっていました。


元々は編集後記をここに載せる予定でしたが、
思ったよりも本編・編集後記共に長くなってしまったので
別で出すことにしました。


次回出す編集後記も読んでもらえたら幸いです。

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