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ビジネス会話改造論2

「月刊機械技術」に連載しているコラム。雑誌では、ページの都合で元原稿が少し短く加工されています。そこで、雑誌の了解を得た上で元原稿をUPします。今回は11月号。
途中までなら無料で読めます(定期購読マガジンの方は全部読めます)。

現在出ている12月号には、次のコラムが載っています。書店で手に入ります。読んでいただけると嬉しい!

では、11月号掲載の元原稿をどうぞ。

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ビジネス会話改造論 
2(吉祥文字テクニック)

 前回のビジネスメールの前段階として、ビジネス手紙がある。ビジネスに限らないが、そもそも手紙文そのものが規則だらけで面倒くさい。
拝啓とか、謹啓とか…わ! 今この言葉をワードで打った時点で、自動的に末尾に「敬具」という言葉が出てきた!

                      敬具

ワードってそんな機能があるのか。知らなかった。今までそういう手紙文を書いてこなかったことがバレて、ちょっと恥ずかしい。

たしかに、「拝啓」とか「謹啓」という頭語には「敬具」という結語。女の人の場合は「かしこ」。頭語が「前略」なら結語は「草々」とか…手紙文にはルールが多い。それが自動的に挿入されれば便利ということなのだろう。しかし、ルールというものは最初は意味があってできるのだが、出来上がってしまえば誰も意味なんか考えなくなる。だって、「謹啓」の意味とか「敬具」の意味とか、あなたはわかっていますか? 

いまあわてて調べると、敬具とは「つつしんで申し上げました」という意味らしい。なるほど、尊敬の「敬」と意見具申の「具」か。知らんかったなあ。教養のなさを露呈してしまった。しかし、敬具を書かない無知も、意味もわからず敬具と書く無知も、自動挿入されている無知も、みんな同じようなものかもしれない。

今回は典型的なビジネス手紙のルールだ。冒頭は、たいていこう始まる。

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