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ビジネス会話改造論12~ビジネス反対言葉

『月刊機械技術』連載中のコラム。雑誌ではページの都合で元原稿が少し短くなっています。ここでは雑誌の了解を得て、元原稿をUPしています。
今回は9月号(第12回「ビジネス反対言葉」)。途中まで無料で読めますよ(定期購読マガジンの方は全部読めます)。

現在出ている10月号には、次のコラム(第13回「両者合意の嘘」)が載っています。書店で手に入ります。読んでいただけると嬉しい。

では、9月号掲載コラムの元原稿をどうぞ。

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ビジネス会話改造論 
12(ビジネス反対言葉)

「イヤよイヤよも好きのうち」
という古くからの俗言がある。女性は口では「イヤよ」と言っても、実は相手のことが好きなんだという意味。これ、少し前までなら、「そういうこともあるよな」ですんだろうけど、現代ではそうはいかない。
現実では、
「イヤよイヤよは本当にイヤ、絶対にイヤ、とことんイヤ!」
というケースも多い(むしろその方が多い)。

今どき、男性が「本当は好きなんだろ?」なんて身勝手に解釈していると、セクハラやパワハラになってしまう。
俗言では「イヤよ=好き」という反対の意味だが、現実では「イヤよ=嫌い」と字義通りなのだ。

ドラマや漫画で女性が、
「ん、もう…あんたなんかキライ!」
なんて言うセリフもある。この場合は、「本当はスキ❤」ということになっている。ここでは「キライ=スキ」なのだ。

お笑いのダチョウ倶楽部には、
「押すなよ、絶対に押すなよ」
というお馴染みのギャグがある。ご存知のように、この言葉の意味は「押せ」だ。ここでは「押すな=押せ」と反対の意味。
だが、「緊急時以外は押すな」と書かれた非常ボタンの場合は、もちろん「押すな=押すな」だ。

ある時は字義通だったり、ある時は反対言葉だったり、言葉の解釈はなかなか難しい。ビジネス会話においても、「ん? これはどっちだ?」と判断に迷うケースがある。

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