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ビジネス会話改造論3

「月刊機械技術」に連載しているコラム。雑誌では、ページの都合で元原稿が少し短く加工されています。そこで、雑誌の了解を得た上で元原稿をUPします。今回は12月号(第3回「肯定しながら否定する」)。
途中までなら無料で読めます(定期購読マガジンの方は全部読めます)。

現在出ている1月号には、次のコラム(第4回「オジサンと野球とビジネスと」)が載っています。書店で手に入ります。読んでいただけると嬉しい!

では、12月号掲載の元原稿をどうぞ。

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ビジネス会話改造論 
3(肯定しながら否定する)

 仕事においては誰かになにかを頼むこともあれば、頼まれることもある。ギブ・アンド・テイクだ。持ちつ持たれつ、という言葉もある。最近よく言われる「ウィン=ウィン」という言葉よりも、こっちの方が現実味がある。

しかし毎度うまくいくとは限らない。依頼する側としては「頼みにくいが、なんとかやってもらいたい」というケースもあるだろう。その場合当然、依頼される側としては「なんとか断りたい」となるわけだ。

結果的にうまくいかなくても、両者の関係がそこで切れるわけではない。ビジネスはその後も続いていくのだ。だから依頼側は相手の反発を招かないように頼もうとするし、依頼された側は相手の気分を害することなく断ろうとする。その攻防の長い歴史によって、「ビジネス会話」特有のあいまいな言い回しが開発されてきたのだ。

本誌の読者は理系の方が多いだろうから、今回のビジネス会話は何度か使ったことがあるのではないだろうか?

 状況としてはこうだ。クライアント、あるいは会社の上層部から、かなりやっかいな依頼が降りてくる。現場作業をするのは自分だ。
「そんなの無理です。できません」、あるいは「やりたくない」と断りたいのだが、それではカドが立つ。今後の取引や人間関係にも響きそうだ。
「交渉決裂」という形ではなく、なんとなく話をうやむやにして、できれば依頼側の方から案件を引っ込めさせるにはどう答えればいいのか?

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