見出し画像

パリ ノートルダム大聖堂

海外の旅番組を観ていると、ロケをしたのが10年くらい前だったりする。旅行したことのある場所だと、「変わらないなあ〜」なんて言いながら観ている。考えてみると、数百年変わらない街並みが並んでいるのだから、10年くらいで変わるわけがない。

そう思っていた。

パリのノートルダム大聖堂を見学したのは2018年のこと。
大勢の観光客と一緒に並んで内部を観た。大きな薔薇窓を見上げて、「こんなに有名で素晴らしい大聖堂が無料で観られるなんて、フランスは太っ腹だなあ」などと思いながら。

2019年4月に火災が起きた時、テレビ画面を呆然と見ていた。800年変わらずあったものがあっという間に崩れていく。

2019年10月に再びパリを旅行した時、ノートルダム大聖堂の周囲は高い塀で囲まれていて、賑やかだった大聖堂前の広場には近づけなかった。まだ少し焦げ臭い匂いがしていた。
テレビ画面で見たのは映画の場面ではなく、現実だったんだなと実感した。

2018年6月
2019年10月

バーミヤン大仏など戦争や天災などにより、破壊・崩壊してしまったのをリアルタイムで知ることはあった。しかし自分が実際に見たものがなくなる経験は初めてだ。しかもたった1年前に見たばかりだった。

数年後には修復が終わり、元の姿に戻るという。これまで観て来た世界遺産の建物も、修復を繰り返し残ってきたものが多くある。

反面、知らない場所で風化して行くものが
ある。人類の遺産として遺して行く基準はなんだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?