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長い目で見ることの難しさよ

 娘のサッカーの出来に毎週末ごとに一喜一憂してしまうメンタル貧弱な母です、こんばんわ。良いプレーをすれば「この子天才かも!」と浮かれ、ダメダメなプレーをすれば「やっぱ凡人だったわ…」と落ち込み、もちろん娘の前では顔に出さないけど、娘は毎回一生懸命やっているのに外野で勝手に酷いもんである。前にも書いたが、うちのチームは保護者によるダメ出し禁止。だからダメな時は黙って見守るしかないのだが、まぁムズムズするのである。

 先月は新人戦があった。2年前から出させてもらっていて「あと2回出られるんだね」、去年は「来年も出られるから」と言っていたけれど、泣いても笑っても今年はもう最後の新人戦だ。最後の新人戦。待ちに待った自分たちの代の新人戦である。結果は初戦の後半終了間際の1点による負けが響き、予選敗退。それもまた勝負の世界ではあるんだけど。「プロにつながる選手の育成」と「勝ちにこだわること」は必ずしも一致しない。頭では分かっていても、チームが負けてしまうと「この環境が正解なのか」自信がなくなってしまう。

 サッカーにおいて日本はジュニア年代の育成が上手くいっていない、という話をよく聞く。「勝ち」にこだわる指導者が多いあまり、選手育成がおざなりになっていると。これは、サッカーに限らないかもしれない。年々加熱する(ように私には見える)中学受験も「その子個人の人生における学力向上や、これから長く続く勉学や学問の基礎として小学生年代における必要な力」のためにやっている塾はどのくらいあるだろうか。「中学受験に合格すること」が最終目標になっていないだろうか。中学受験に関しては詳しくないので(娘たちも全くその予定はないし)反論もあるかもしれないが、小学生時代のサッカーの育成においては、「小学生年代で強いチームになること(県大会、関東大会、全国大会出場など)」に重きが置かれているチームを多く見かける。罰走や罵倒の恐怖で選手を支配して、ベンチの思うがままの、ベンチからの指示通りにプレーする選手たち。ミスをすることを恐れ、自分の判断でプレーすることを恐れる環境からは、クリエイティブなプレーは生まれない。でも、毎週末の勝ち負けに一喜一憂してしまう気持ちもわからんではないだけに難しい。

 うちのチームのコーチはよく言う。「どんなに罵倒や恐怖で強いチームを作ってもその選手たちは、いずれサッカー楽しくてしょうがない!という奴に何をやっても勝てない日が来る」って。最近の日本代表戦をご覧になっただろうか。そこには「サッカー楽しくてしょうがない!」という代表の選手たちが居た。活き活きとサッカーをしてるその様子が、観客を魅了したのだろう。

 昨日のキリンチャレンジカップで活躍した選手たち、中島翔哉や南野拓実はJ下部組織(ジュニアユース)の出身(中島選手は小学生時代からJ下部)なので、小学生年代から相当目立っていたのだろうと思うが、きっと楽しんでサッカーしてきたのではないだろうか。

 正直に言えば、娘の環境について悩んだこともある。うちのチームは決して強くない。そもそも「勝ちたい!」とか「強くなりたい!」と思う子ばかりじゃないから、チームとして一丸となって真剣にサッカーに向き合うことがまず難しい。チーム内の競争が激しいところで、「自分がエースじゃない環境」で、やった方が伸びるんじゃないか、そう思ったこともあった。「もっと強いチームに移籍したら?」「うちのチームに来ない?」そう言われたこともあった。 でもこの選択が間違ってなかったと最近は思う。娘にサッカーのどこが好きなのか聞いたら、ドリブルで相手を抜く事でも無く、ゴールを決めるところでも無く、「こうやったら相手はこう来るだろうから、このスペースを使って数的優位を作って、こう崩したい、ってやったのがピッタリはまってゴールまで行けたときにものすごく楽しいと思う」って。その感覚って、強いチームで「勝つため」を最優先事項にやっているチームでは培われなかったのではないか、と思うのだ。ベンチからの戦術指示や、練習でも指示されてやるプレーが一切無いうちのチームだからこそだと思う。練習でも試合でも「どこにスペースがある?」「どうやったら崩せると思う?」「どういう体の向きで受ければいい?」って常に選手に考えさせるやり方だからこそ、生まれる感覚で、これは絶対将来のためになると信じてる。だから、勝つためには遠回りかもしれない。でも娘が将来本当になでしこの選手になって、うちのチームのやり方が正しかったって証明出来たらいいな。今、うちのチームを「弱いww」って思ってる人たちをギャフンと言わせたい。それが密かな私の楽しみなのである。(でもやっぱり負けると悔しくなっちゃうけどねww負けず嫌いは母親譲り?ww)

いただいたサポートは次女が海外挑戦するときの費用として大切に貯めておきたいと思います!!よろしくお願いします。