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(読書記録)どこでもいいからどこかへ行きたい by pha

タイトルがまず秀逸だ。
こんな気分になったことは生まれてから数知らず。でもおそらく希望のタイミングで実現した事は無きに等しい。

この本は京大を卒業後、一般企業に勤めるも反りが合わず退職し、シェアハウスを運営している筆者が、様々な場所を転々とした話が盛り込まれている。いわばエッセイ本とでも言えるだろうか。

旅行に対する概念がことごとく一致していて嬉しくなった。

旅先で特別な事をほぼ何一つせず、ただご飯を近場のコンビニやチェーン店で調達し、読書やゲームなど好きな事をする。

距離が離れるというだけで感じ方が変わり、新たな発想が生まれる。それで目的はほぼほぼ達成されているのだ。

なので、旅先の思い出というものをあまりというか、ほとんど覚えていない事も多いと書いてあったが、私も同じ様な感じだ。

記憶に残っている事と言えば、大学在学中、イタリアで彼氏(現旦那)がミサンガの詐欺に遭ったことや、コロッセオで甲冑を着た人と記念写真を撮ったら後で30ユーロ請求された事など、少し不運(というか青二歳)な出来事ばかりだ。

筆者の考えでもあったが、ある意味、記憶にないという事は、平和にその時間を過ごせたという事で、とてもリラックスした幸せな時間だったのだろう。むしろ歓迎すべき事ではないか。

とまあここまで感想を述べたが、移動する事についてやサウナにはまった話など、ほっこりしながら新しい気付きもたくさん得られる本だった。

これにて読了!

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