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スクラップ・アンド・ビルド by 羽田圭介

要介護のおじいちゃんとその娘である母、そして孫の僕が3人で暮らす家での、孫と祖父の交流を描いた話。

究極の尊厳死を目指して孫はあらゆる手を尽くすけど、それは祖父の本当に望むことなのか。

介護と歳を取ること、孫世代との関わり等まだ自分が経験できていないトピックだった為、新鮮に感じました。

死にたいといつも漏らしている祖父だけど、最後は孫の旅立ちを心から応援してくれる。

そしていつまでも祖父と孫の交流は続いて欲しいと願えるような、心温まる話でした。

避けては通れない老いという現実を祖父を見て認識し、ある意味生きる活力にしている孫の姿が印象的でした。

祖父の態度は所々生きたいのか死にたいのか分からない場面もありますが、それが揺れ動く気持ちをよりリアルに感じさせてくれました。

自分がお婆ちゃんと2人でお墓参りに毎年行っていたこと、そして帰りに必ずお昼ご飯を一緒に食べた事。最後は看取れなかったし、亡くなった姿を見ても現実とは思えず、10年以上前なのになんだか今も実感がない感じ。色々と蘇ってきました。

孫の中で祖父母の存在って意外と大きいんだなと気付かされました。

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