#356 高まる緊張感

最終戦の相手は慶応大学のチーム慶応獏の会。自チームが優勝するにはこのチームに勝ち、このチームが更に最終戦でも敗戦する必要がある。
前週の練習では緊張感が漂っており、1週間後に控えた最終戦へのチームの覚悟が見えた。
僕の負傷箇所はだいぶ良くなりつつあった。
1週間後の決戦へ向け、とにかくこれまで通りのリハビリとトレーニングに励んだ。
迎えた当日、前日から降っていた雨の雨足も少し弱まっていた
試合は予定通り開催されることを知る。
この日の試合会場は慶應大学の湘南キャンパスにあるグランドなので、家からかなり遠い。
最寄り駅は江ノ島の手前にある駅。
駅からグランドまでバスで40分近く掛かる。
電車に揺られながら、僕は試合に向ける意識を少しずつ集中させていった。
小田急線の電車窓から見える景色はのどかだった。
今日、自チームが勝利しても慶応獏の会が来週の試合にも負けないと自チームの優勝は見えてこない。
最寄り駅に着くと、自チームの先輩が同じ電車に乗っていた様で合流。
タクシーで行くという事で同乗させてもらった。
4人で乗ったタクシーだったが、口を開く者は誰もいなかった。
いつもはおちゃらけで何事も笑いに持って行こうとする集まりだが、さすがに今日の試合の意味を理解している様だ。
目的地に着き、校内のグランドまで行くと相手チームがグランド設営を行っていた。この日は慶応獏の会のホームグランドでの開催。
昨年、新規加入した慶応獏の会は今年初優勝を目指している。
自チームの待機場所に荷物を置き、着替えてからウォーミングアップが始まる。
どちらのチームも気合が入っているのが空気で伝わってくる。
僕は負傷箇所の右足大腿部にしっかりテーピングを施した。
とにかく勝利して次に繋げたい。
時間が経つにつれ、両チームの掛け声や呼び声が響き渡っていた。
決戦の時が着々と近づいていた。僕は14番右ウィングとして先発。
今回は途中交代することなく、最後まで戦い抜こうと決めていた。
足の痛みを感じにくい様に気持ちを集中。
続く…


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