#381 新人歓迎⁈

他大学との1年生同士の試合初戦は逆転勝ち。
1年生チームはまだお互い信頼関係もなく、正直協力して助け合うという感じではなかった。ただ常に勝ちに拘るラグビー伝統校の誇りみたいなものは既に感じさせる戦いとなった。この1カ月半、東伏見グランドで練習を積み重ねてきた経験からくるものなのだろうか。
続く第2戦は慶応大学一年生との新人早慶戦。
1年毎に交代でお互いのホームで行われる。この年は母校グランドで開催だった。
対戦相手の慶応大学には今年何人か有望な新人が入部した様だった。
付属校出身で高校日本代表候補だった選手もおり、その選手はウイングなので僕の対面になる可能性もある。
新人早慶戦の次が新人早明戦を控えているので、まずは勝利を掴み弾みをつけたいところだった。
噂されていた新人歓迎しぼりは、翌週に行われた。
入部後、初めて味わうしぼりはいつも以上に厳しいものだった。
しぼりを仕切る3年生の号令で1~2年生が集められ、延々と走らされた。
通常の練習時間よりも長い上にきつい内容で終わったのが23時近くになった。僕らは後片付けもあるが、急いでやらないと終電も乗り過ごすこととなる為、程ほどに切り上げ翌朝に続きをやるしかなかった。
通常練習に加えて、しぼりと後片付けもあり、くたくたになって終電で帰宅。数時間後、始発でグランドへ向かう。
最寄り駅で降り、まだ薄暗い中グランドまでの道のりを歩く。
集まってきた一年生はほとんど誰も口を開くことなく、黙々と昨日できなかった後片付けをする為に着替える。
着替え終わった者から順次グランドへ出て動き出す。
いつも硬いグランドを少しでも柔らかくする為、グランド整備が日課。
周りが住宅街なので、あまり早い時間にトラクターを掛ける事ができない為それまでは手作業となる。正直、グランドをならしてもならしてもあまり硬さは改善されない。ただ、少しでも改善する努力を怠るとしぼり対象となってしまうので、一年生は必死だった。
続く…

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